《ビオトープとは? その2》IWO的「ビオトープ」
「ビオトープ」。
「ビオ」と「トープ」という2つのドイツ語を組み合わせたもの。
「ビオ」は生命のこと。
「トープ」は場所のこと。
つまり、生き物の視点で捉えた場所のことです。
もうちょっとわかりやすく書くと、いろんな生き物がお互いに関係して生きているひとまとまりの場所のことです。

水辺のビオトープ状態のシーズンオフの長居植物園のアジサイ園
植物園は鳥や昆虫のビオトープになっていることがよくあります。
「場所」という視点が重要なビオトープですが、その「場所」の範囲が重要です。
『生態学事典』などでは「周りとのちがいがはっきりして、生きものたちを育むことができる最小の単位」とされています。
そう「最小の単位」なのです。
そしてビオトープは人工的に作られた場所だけを指す言葉ではありません。
自然の中でもまわりと区別できる環境のところも一つのビオトープです。
つまり、都市の中の公園は自然から孤立した単独のビオトープ、人が立ち入らないような原生林は自然の中はいくつも連なり重なりあったビオトープ、ということができるかもしれません。
生き物は生きていく上で必要な環境というのがあります。
淡水の水辺、乾燥したところ、日当たりのいいところ、日当たりの悪いところ、など。
そういった環境それぞれで住む生き物が変わってきます。
もちろん、そういう環境は周りの多くの環境によって支えられているわけで、そこだけ独立して成り立っているわけではありません。
ですから、「最小の単位」といいつつビオトープの境界をはっきりさせることは難しそうです。

多くの釣人がいる淀川の城北ワンド
土砂を取り除いたところも時間がたてば立派なビオトープになります。
そこでIWO(いきもの は おもしろい!)では生き物に近い視点で、自然・人工にとらわれず、生き物が生きていく上で直接関係していくひとまとまりの環境のことを「ビオトープ」と呼ぶことにします。
つまり、同じ場所でも視点によってビオトープの範囲は広がりもすれば狭まりもします。
ただ複数の生きものたちが互いに関係しあって生きている場所ということは同じです。
もちろん、それは「その1」で書いたように人間が餌やりや水やりをしていない場合にかぎります。
ビオトープ。
どのように解釈するかで変わってきますが、大きく解釈すると、そこらじゅう、日常生活のありとあらゆる所にビオトープはありそうな気がします。
今は気づいていないだけで。
ちょっとだけ注意してみると、意外なところに意外なビオトープがあるのかもしれません。
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