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おそろしい牛鬼の巻 実は“いきもの”がいっぱい!国立民族学博物館


 明日2013年の2月4日は立春。
 その前日の2013年2月3日は節分。

 ということで、「鬼」の記事です。
 といっても、頭に角が生え虎皮のパンツを履いた赤かったり青かったりする「鬼」ではありません。

 かない強いと噂される妖怪です。



 大阪吹田市の万博跡地にある国立民族学博物館。通称「民博(みんぱく)」。

 なんかややこしそうですが、今の言葉で言えば文化人類学博物館。

 これもややこしそうなので、簡単に言うと、世界に住む人々の文化を集めて展示した博物館。

 大阪万博の7年後の1977年に開館し、もう半世紀を迎えようかという博物館です。



 展示方法は開館当初から変わりません。

 広い展示室に高い天井、基本的に展示物と観覧者を隔てるガラスや透明アクリルのようなものはなく、多くの展示物は手を伸ばせば触れるところにあります。

 もちろん貴重な展示物です。
 むやみに触っていいものではありません。

 これは触っていいというのではなく、観覧者のマナーを信じているからこそできる展示方法なのです。



 そして基本的に写真撮影可能です。

 撮影については、最近は多くの博物館でできるようになってきましたが、民博ができた頃の日本では、展示物をケースに入れないことと合わせて「画期的」などと簡単に言えないほど先進的なことでした。

 このようにできた時から半世紀近くたった今でも日本が世界に誇れる博物館のひとつです。



 世界中の人々の「文化」の展示なので、“いきもの”は関係ない、と思うかもしれません。

 確かに生き物の自然科学系博物館的標本はありません。

 しかし“いきもの”は展示されています。



万博記念公園にある国立民族学博物館
万博記念公園にある国立民族学博物館




 人間の生活には生き物が深く関わってきます。

 それは肉や野菜のように食べ物であったり、ミツバチのように食べ物を集めてくれたり、馬のように人間や荷物を運んでくれたり、木のようにいろいろなものの材料になったり、時には田畑を荒らしたり人間の命を脅かしたり、神になることもあります。

 そういった人間と関わりのある生き物に対する人々の想いが形になったものが、民博に数多く展示されているのです。



 その中の一つ。

 日本の展示室の中に、ほかとちょっと違う雰囲気のものがあります。
 「牛鬼」です。

 「牛鬼」は「牛」といながら海から現れる妖怪で、日本各地に伝承が残り、ゲゲゲの鬼太郎と戦ったこともあります。

 非常に獰猛で残忍、人間を襲って食べてしまうという、妖怪というより怪獣にちかい存在です。

 そんな牛鬼に模した巨大な山車(だし)で町を巡行(じゅんこう)する祭りを行うところもあります。



日本の文化コーナーの愛媛県宇和島の牛鬼
日本の文化コーナーの愛媛県宇和島の牛鬼




 なかでも有名なのは愛媛県宇和島(うわじま)の牛鬼。それが展示されています。

 レモンを縦半分に切ったような細長い半球状の真っ赤な体に。角の生えた怖い動物の顔がのった長くて真っ赤な首がはえています。

 シンプルな作りですが、その分全体の異形としての雰囲気が増しているように感じます。

 乗用車よりも大きな体に、見上げるような長い首。
 数十人の男たちが担ぎあげ、首を振り赤い布やシュロで覆われた体を動かす姿は、街に現れた怪獣のようです。



妖怪らしい牛鬼の顔
妖怪らしい牛鬼の顔




 この牛鬼には魔除けや厄払(やくばら)いの役割があります。
 恐ろしい妖怪などを霊力を持った修行者が退治することで、その力をいいことに向けさせるパターンのひとつです。

 残念ながら民博の牛鬼が動くことはありませんが、年に一度しか見る機会がない牛鬼を間近で見ることができる博物館。

 国立民族学博物館にはほかにもいろいろな“いきもの”が展示されています。



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タグ: 牛鬼国立民族学博物館妖怪宇和島民俗学文化人類学万博公園非生物系muse.人文社会muse.

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