啓蟄。陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ずればなり
啓蟄です
春分のおよそ2週間前。毎年3月6日頃です。
この頃になると、冬眠していた虫が眼をさまし、地中からはい出してくることから
などと本にはよく書いていますが、「啓蟄」という漢字を見ていても、虫が出てくるというイメージが持てません。というか、「蟄」という字は一体何でしょうか。
「虫」という字が使われているので、虫に関係ありそうですが。

春を待つチョウセンカマキリ?の卵
漢和辞典登場!
そこで漢和辞典を引いてみました。
啓:開く。陽の気が開く。
蟄:
つなげると、「
「蟄」という字には「虫」が使われているので、虫のことを表わすとすれば、たしかに「啓蟄」です。
中国の「啓蟄」
それに中国では「啓蟄」という文字を使うのでしょうか。
日中辞典で調べてみると、中国の啓蟄は「“驚”蟄」でした。ただし「驚」は今の日本の漢字と字形がちがいます。
中国語の「驚」は日本語の「驚」の意味と同じです。
そう考えると、「啓蟄」よりももっと意味が離れてしまったようにも感じます。

春を待つシデコブシの芽
ちょっと早いような
毎年この季節になると、土の中に冬眠していた虫たちが外へ出てくる。ということですが、それにはまだまだ寒いように感じます。
歴史的、地理的に日本の南北の真ん中くらいにある京都や東京でも、虫が動き出すような温度とは思えません。
南の地方で考え出された言葉なのでしょうか。
確かに北京以前に都があったところの一つ、南京などは日本では鹿児島・宮崎あたりで、なんとなく春が早いなという気もしないではありませんが、それでも虫が活動を始めるのにはちょっと早いような気がします。
謎だらけの啓蟄
中国で今までの数百年の間、ほとんどの国で首都が置かれた北京は、日本の秋田・岩手と同じくらいの緯度にあります。
とすると、日本の京都や東京に比べるともっと寒いはずです。
その土地で作られた暦に、3月の頭に虫が動き始めると書かれているというのは、とても不思議な感じがします。
謎だらけの啓蟄です。
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