半夏が生じる? 半夏生が生じる? 七十二候第三十候「半夏生」
梅雨の中頃の
そのままのよみでは「はんげしょう」。
「ハンゲショウ」というとドクダミ科ハンゲショウ属の多年草で、ちょうど半夏生の頃に花を咲かせます。

半夏生の頃のハンゲショウ(錦織公園6月)
遠くから見るハンゲショウ(半夏生)は白くて綺麗ですが、ドクダミと同じように白く花びらのように見えるのは実は葉っぱで、花はその先に着いている房状になっている小さなもの一つ一つ。
名前の由来は七十二候の「半夏生」の頃に咲くから。
あれ?
植物の「ハゲショウ」よりも七十二候の「半夏生」のほうが先?
![]() 花のように見えるハンゲショウの白い葉と本当の花 |
![]() ハンゲショウの花 |
ハンゲショウ(半夏生,半化粧) 別名:カタシログサ, ドクダミ科 ハンゲショウ属 多年生 日本での分布:本州,四国,九州,沖縄, [レッドデータブック] 環境省RDB:記載なし 絶滅:岩手県,東京都, 絶滅危惧 I 類: 山形県,群馬県,富山県, 絶滅危惧 II 類:青森県,宮城県,秋田県,福島県,埼玉県,新潟県, 福井県, 準絶滅危惧種:栃木県,石川県,大阪府,兵庫県,奈良県,鳥取県, 島根県,広島県,愛媛県,熊本県,沖縄県, 情報不足:大分県, |
七十二候の「半夏生」の略本暦の読みでは「はんげ、しょうず」。
つまり「半夏、生ず」。「ハンゲ」が「生まれる・現れる」。
この「半夏」は植物のカラスビシャク(烏柄杓)のことです。
サトイモ科ハンゲ属の多年草で「イモ」が漢方の薬になり、その生薬の名前が「半夏」です。
その半夏が咲く頃なので「半夏生」。
![]() カラスビシャクと同じハンゲ属のニオイハンゲ(花の文化園5月) |
![]() ニオイハンゲの花 カラスビシャクもよく似た花です。 |
中国の七十二候も第三十候は同じ「半夏生(バンシァシェン)」。
カラスビシャクの仲間は中国語では「半夏(バンシァ)」。
日本のカラスビシャクは中国からの帰化植物と考えられています。
ということは、日本に七十二候が使われうような頃には、すでに日本に定着していたのかもしれません。

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