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不思議な生き物が跋扈するちょっと未来の地球を旅する兄弟のものがたり『アド・バード』


 『アド・バード』。

 単行本になったのは24年前。
 古い本です。

 著者は椎名誠さん。

 ちょっと怪しいアウトドア系のエッセイストであり、小説家であり映画監督であり、タレントであり……なんでもやっちゃう人です。
 著作は多くあり、その一つがこの本です。

 ジャルで言うと、SF。



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 舞台は未来の地球。おそらく日本。

 しかし文明は衰退し、地上には得体のしれない生き物たちが跋扈(ばっこ)して、それらを恐れて人間が生活をしています。

 主人公は少年の兄弟。

 幼い頃に分かれた父がふとしたことで遠く離れた都市にいた事を知り、二人で会いに行く冒険物語です。



 その途中で出会うのが奇妙な生き物たち。

 あらゆる物を土に(かえ)し、とりつかれると死んでしまうヒゾムシ。
 鉄を食べ、人間も襲うワナナキ。
 とにかく大きくとにかく地面の上を移動する表面が絨毯(じゅうたん)みたいなジバシリ、
 そして編隊を組んで空に文字を描き、人間の言葉を話すアドバード。

 登場人物の名前などから未来の地球だということはわかりますが、見たことも聞いたこともない変な生き物たちのオンパレード。



 人類の文明が衰退した世界に奇妙な生き物たちが登場する様子は、すでに紹介したブライアン・オールディスの『地球の長い午後』のようです。

 人類の文明が滅んだあと、暴走するかのように進化を遂げたのが『地球の長い午後』にでてくる変わった生き物たち。

 しかし、人間によって創りだされたのが『アド・バード』に登場する変わった生き物たち。
 ヒゾムシもワナナキも元は人間の役に立つように創りだしたにものです。
 それが人間を襲う生き物に変化したのです。

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 しかしアドバードだけはちょっと変わっています。

 もとから地球にいた鳥を改造したようです。
 空を飛びながら隊列を組んで文字を表しそれで宣伝をするだけでなく、まるで九官鳥のように宣伝文句を繰り返しますが、人間を襲いません。

 そして時折なにか意味がありそうな行動をとります。

 このアドバードの秘密が後の物語に深く関係してくるのです。



 『アド・バード』の世界は半ば廃墟となった都市に象徴されています。

 人がいないにもかかわらず、フロントではロボットが自動的に応対しれるホテル。

 部屋に入って蛇口をひねると宣伝が流れます。
 部屋にあるものを使うと、その都度何か広告が流れます。

 人間がいなくなっても流れ続ける広告。
 おそらくは、その商品を作っている会社も売っている店も、そして買う人間も無くなっているはずなのに。

 テレビや列車の車内は言うに及ばず新聞雑誌からインターネットまであらゆるものに広告が氾濫している現在。

 アドバードはそう遠い未来の話ではないような気がしてきます。



 となると、この小説は現代社会や過剰な広告に対する批判の物語かというと、そういう感じはしません。

 今の社会が何らかの不幸なことによって崩壊した後に訪れるであろう世界を淡々と書いているような気がします。

 現代文明が滅んだ世界を描く特に時折見られる、何が何でも無理矢理文明批判というところがなく、この自然に流れる淡々とした文章で、より深く小説世界に引き込まれるのかもしれません。



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新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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