海と決別した淡水蟹の中の淡水蟹。その名はサワガニ
金剛山でサワガニ(沢蟹)を見ました。
文字通り山の斜面を流れる小さな川にすむカニです。
ですから二合目直下の階段のところまでしか川がなく、しかも道から下のほうを流れているので
この記事にはカニの画像があります。
沢があるカトラ谷や
サワガニは淡水にすむ日本の固有種のカニのひとつですが、ちょっと変わった生活をしています。

サワガニがいた金剛山の黒栂谷道
こんな道でもきれいな水があれば
サワガニは住んでいます
わたしたちが目にするカニは、大抵四角く平べったい体に8本の脚に2本のハサミのついた手を持っていると思います。
しかし卵から生まれたときは違う形をしています。
小さなエビか細いミジンコのような形をしていて、水の中を泳ぎまわるプランクトンの一種。
これは水中に住む多くの
もちろん淡水にすむカニも卵から生まれたときはプランクトンとして生活するのですが、なんとプランクトン時代は海ですごすのです。
敵が多くても栄養が豊富な海で成長しながら川をさかのぼり、淡水ガニとしての生活をはじめるのです。
川にはいても池や沼でカニを見かけないのはそういう理由があるのかもしれません。
ところが、サワガニはちょっと違います。

金剛山黒栂谷道のサワガニその1
コンクリートでもこれだけコケが覆っていればサワガニも大丈夫
サワガニはほかの淡水のカニと違って一度も海でプランクトン時代を経験することもなく、一生淡水で暮らします。
それなら一体どこでプランクトン時代をすごすのでしょうか。
それは、卵の中です。
たぶん。

金剛山黒栂谷のサワガニその2
今度はサワガニらしく沢にいました
サワガニは卵から生まれたときにはすでに大人と同じカニ型をしているのです。
きっとプランクトン時代は卵の中で終わらせているにちがいありません。
海を知らないカニ。
しかし本物の淡水ガニ。
それがサワガニです。

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