3000年前のノコギリクワガタの「化石」を奈良県立橿原考古学研究所附属博物館へ見に行きました。

「橿考研付属博物館」
奈良県立
もうちょっと簡単に書くと「
橿考研は古代日本の首都があった奈良県の埋蔵文化の調査研究をする機関で、その成果を展示しているのが付属博物館です。
ということで、ここの対象はあくまで人間とその文化。
いきものではありません。
今回はクワガタムシの記事です。
クワガタムシの画像もあります。
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では、なぜここに行ったかというと、クワガタムシがいるからです。
奈良県
そのクワガタムシが生きていたと思われるのは、今から2800~2500年前。
この時代のノコギリクワガタがほぼ完全な形でみつかったのははじめてだそうです。
展示されているノコギリクワガタは、多少ひしゃげていますが今のノコギリクワガタ、それも牙がぐっと下向きに曲がった「水牛」と呼んでいる立派なノコギリクワガタです。
たった3000年足らずですから、今の奈良県のノコギリクワガタと同じでしょう。

橿考研付属博物館の
ノコギリクワガタは撮影禁止なので
近くの橿原市昆虫館の
生きているノコギリクワガタ
一部で「化石」といわれていますが、石ではなく、灰色の固そうな泥の中に埋まった体は、体の表面を覆っていた殻(外骨格)もちゃんと残っていそうです。
ただノコギリクワガタ特有の赤茶色の光沢はなく、黒くなっているのは3000年という時間のせいなのでしょうか。
昆虫、特に甲虫は体の表面を覆っている発達したクチクラ層の殻のおかげで条件がよければ土の中でも長い間残ることがあります。
しかし殻と殻のつなぎ目でばらばらになることが多く、虫の形を残すことはめったにありません。
秋津遺跡で見つかったノコギリクワガタは、形がひしゃげている以外クワガタらしい形を残しています。
3000年たっても、ノコギリクワガタはノコギリクワガタなんだなぁ、と思った展示でした。
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