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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

初冬の高野山 茸編


 自然が豊富な高野山上。
 いろいろな植物と出会うことができました。

 今回は植物ではなく、キノコとの出会いです。

キノコが食べるもの


 キノコは植物のように自分で栄養を作ることはできません。動物のように“食べ”なければなりません。
 しかしキノコは動物のように動くことができません。植物のようにその場で成長しなければなりません。
 ですから、キノコが生えるのはキノコの食べ物の近く、ということになります。

 生きている木や枯れ木から生えているキノコは木を食べるのだろうとわかります。そういうキノコは「腐朽菌(ふきゅうきん)」呼ばれます。
 しかし地面から生えるキノコは何を食べるのかわかりにくいところがあります。

 地面か生えるキノコの食べ物は大きく分けると三つ。でもこの三つは見た目で簡単に分けるのは難しそうです。


三つのキノコ


 一つは地面に落ちた木の枝や落ち葉を食べるもの。これは「腐朽菌(ふきゅうきん)」と呼ばれて、倒木から生えるものと同じ仲間です。
 土が見えないほどたまった落ち葉の中から生えているものは、この可能性が考えられます。ここでは落ち葉がたまっている場所を「腐葉土(ふようど)」としています。

 そして木の根と栄養の交換をしているもの。これは「菌根菌(きんこんきん)」と呼ばれて、木と共生していると考えられています。
奥の院参道の入り口
奥の院参道の入り口

 最後は地面の下にある動物の遺骸(いがい)やうんちやオシッコを食べるもの。これは「アンモニア菌」と呼ばれていますが、生える場所が限られているので出会える機会は少なそうです。

 この三つは見た目の区別はとても難しそうです。
 腐葉土から生えているといっても、下に木の根や動物の糞があれば菌根菌やアンモニア菌かもしれません。
 ただ腐葉土の無い砂や砂利の中から生えているとすれば、菌根菌の可能性が高くなりそうです。


不動坂


 南海高野線(なんかいこうやせん)の終着「極楽橋(ごくらくばし)」駅から高野山上の入り口の一つ女人堂(にょにんどう)まで続く登山道のことです。

こげ茶色のキノコ

場所:腐葉土
いかにもキノコっぽいこげ茶色のキノコ
いかにもキノコっぽいこげ茶色のキノコ
こげ茶色のキノコの裏
こげ茶色のキノコの裏
土が見えないほど落ち葉がたまっているので腐朽菌だと思います。




弁天岳


 高野山を囲む八葉の峰の一つで、女人堂と大門を結ぶ登山道です。


キシメジ科?のキノコ

場所:倒木
かわいいキシメジ科?ノキノコ
かわいいキシメジ科?ノキノコ
キシメジ科?ノキノコの傘の裏
キシメジ科?ノキノコの傘の裏
倒木なので腐朽菌だと思います。
杉林なので杉の倒木だと思います。


ケショウハツ

場所:生きているスギの根元の土
見るから毒キノコっぽいケショウハツ
見るから毒キノコっぽいケショウハツ
ケショウハツの傘の裏
ケショウハツの傘の裏
生きている木のそばの土ですので、菌根菌の可能性が高いと思います。




奥の院参道


 高野山を開いた弘法大師(こうぼうだいし)御廟(ごびょう)へとつづく参道。
 杉の古木と数多くの墓碑(ぼひ)に囲まれたところです。

スギの切り株に生えたキノコ

場所:スギの切り株
ソンブレロのように中央が盛り上がったキノコ
ソンブレロのように中央が盛り上がったキノコ
ソンブレロのようなキノコの傘の裏
ソンブレロのようなキノコの傘の裏
奥の院参道ですので、スギだと思います。
奥の院参道のスギは木材として伐ることが許されていませんが、年をとり倒れる危険のあるスギは安全のために伐られています。
このようにスギの太い切り株は参道のあちこちにあり、多くはコケに覆われ、中には若いスギが生えているものもあります。


ヒメカバイロタケ

場所:スギの切り株
しおれかけた?ヒメカバイロタケ
しおれかけた?ヒメカバイロタケ
ヒメカバイロタケが生えている様子(中央)
ヒメカバイロタケが生えている様子(中央)


スギヒラタケ

場所:スギの切り株
白くて柔らかそうなスギヒラタケ
白くて柔らかそうなスギヒラタケ
スギヒラタケの傘の裏
スギヒラタケの傘の裏


サルノコシカケ科?

場所:スギの枯れ木
色が白いサルノコシカケ科のキノコ
色が白いサルノコシカケ科のキノコ
ヒダの変わりに小さなくぼみがあるサルノコシカケ科のキノコの傘の裏
ヒダの変わりに小さなくぼみがあるサルノコシカケ科のキノコの傘の裏


シロソウメンタケ科?

場所:生きたスギの根元
キノコというより妙な物体のシロソウメンタケ科?のキノコ
キノコというより妙な物体のシロソウメンタケ科?のキノコ
シロソウメンタケ科?のキノコの生えている様子
シロソウメンタケ科?のキノコの生えている様子
生きたスギの根元の厚いコケの間から生えていたきのこです。
緑のコケの下に枯れたコケの腐葉土層があるのか、スギの皮が腐っているのかわかりませんが、腐朽菌ではないかと思いますが、


ネズミシメジ?

場所:生きたスギの根元
鼠色のネズミシメジ?
鼠色のネズミシメジ?
ヒダがもろもろのネズミシメジ?の傘の裏
ヒダがもろもろのネズミシメジ?の傘の裏
上のシロソウメンタケ科?と同じ生きているスギの根元のコケの中から生えていました。


スギの菌根菌?

場所:杉林の砂利の上
ジャリの上に生えたキノコ
ジャリの上に生えたキノコ
ジャリの上に生えたキノコの傘の裏
ジャリの上に生えたキノコの傘の裏
砂利が敷かれていますが、ここは参道の杉林の中。
なのでスギの菌根菌ではないかと思います。




キノコと奥の院


 意外にキノコが多い奥の院参道。

 もちろん不動坂も弁天岳も森の中に入っていけばキノコは豊富でしょう。
 しかし歩いていて目につくのは草花ばかり。

 奥の院はスギの巨木が立ち並び、昼でも薄暗く、いたるところコケや地衣類(ちいるい)に覆われているくらいなので湿気も多いことでしょう。
 菌類がキノコを作りやすい環境かもしれません。
 それにスギの切り株や古木が多いことも腐朽菌にとってはありがたい環境でしょう。


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