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奈良公園の糞虫都市伝説1「奈良公園のフンコロガシと『ファーブル昆虫記』第5巻」



完訳 ファーブル昆虫記
第5巻 上

ジャン=アンリ・ファーブル著
奥本 大三郎訳
税込価格:¥2,940
集英社


ファーブルの『昆虫記』とフンコロガシ


 南フランスにいる昆虫を中心とした陸上の節足動物の生態を描いたファーブルの『昆虫記』。

 多くの「虫」が出てきますが、最も有名なのは「フンコロガシ」と呼ばれるスカラベ(タマオシコガネ)でしょう。

 1巻の最初に出てくるためか、ファーブルの昆虫記はまるでスカラベについてしか書かれていないかと思うほど有名です。

 フンコロガシは動物の糞を食べるコガネムシの仲間。大きさからすると、角の無いカブトムシといったほうがいいかもしれません。
 ただ食べるのではなく、ボールのように丸めて転がしていく姿が人気の秘訣のようです。

今回はコガネムシの仲間の記事です。
コガネムシの仲間の画像もあります。
コガネムシの仲間が苦手な方は【記事の下へ】をクリックしてください。
記事の下にジャンプします。



日本に「フンコロガシ」はいるのか?


 日本にも動物の糞を食べるコガネムシの仲間は何種類もいます。

 日本の糞を食べるコガネムシの仲間、糞虫の仲間で有名なものひとつはオオセンチコガネです。
 ブログなどでもよく「日本のフンコロガシ」として紹介されています。
 なかにはオオセンチコガネが鹿の糞をそのまま引きずる姿を「ふんころがし」と言っている場合もあります。

 しかし残念ながらスカラベのように糞を丸めて転がすのはマメダルマコガネという2ミリほどの小さなコガネムシだけ。
 もちろんセンチコガネもオオセンチコガネも糞を丸めて転がしたりはしません。

 種類も生活の様子も本家「フンコロガシ」とはちがいますので、誤解を避けるためにも「フンコロガシ」と呼ぶのはやめたほうがいいのでは、と思います。

 思わず「フンコロガシ」といってしまう気持ちはわかります。

鹿の糞を引きずるフンヒキズリ(オオセンチコガネ)
鹿の糞を引きずるフンヒキズリ(オオセンチコガネ)



センチコガネとタマオシコガネ


 もうひとつ残念なことがあります。

 日本のセンチコガネの紹介に、ファーブルの『昆虫記』のスカラベが登場することです。
 まるでフンコロガシがセンチコガネの枕詞のようです。

 コガネムシ科のフンコロガシとセンチコガネ科のセンチコガネとオオセンチコガネは科がちがうだけではなく、生活の様子もちがいます。
 同じように扱われるのはちょっと残念です。

 たとえて言うなら、コガネムシ科のカブトムシのことをクワガタムシ科のクワガタムシと呼ぶようなものかもしれません。
 カブトムシを指差し、「クワガタムシ」というと笑われることもあるでしょう。
 センチコガネを「フコロガシ」と呼ぶのは同じことかもしれません。

フンコロガシの巨大レプリカ(左)と標本(右)[大阪市立自然史博物館]
フンコロガシの巨大レプリカ(左)と標本(右)[大阪市立自然史博物館]



ファーブルの『昆虫記』第5巻


 さらに残念なことがあります。

 ファーブルが観察した糞虫はフンコロガシ(スカラベ)しかないようなイメージが広がっていることです。
 確かに1巻の一番最初に登場する糞虫はスカラベですので、象徴的なイメージがついたのはしかたないと思います。

 しかし5巻でスカラベを含めて様々な糞虫の観察と実験について扱われています。
 その糞虫のひとつにスジセンチコガネがあります。
 その名前の通りセンチコガネの一種で、生活の様子も日本のセンチコガネに近い仲間。
 簡単に手に入るセンチコガネ類の詳細な生態を書かれた本ですので、日本のセンチコガネを理解する上でも参考にもなるでしょう。

 しかし日本のセンチコガネの生態を知るためには、スカラベはそれほど参考にはなりません。

 日本のセンチコガネについて知りたくてファーブルの『昆虫記』を読むときは、5巻のスジセンチコガネのところも読んでほしいな、と思います。


◆記事ナビ◆ 〔センチコガネ〕 〔糞虫〕 〔奈良公園〕 〔ファーブル〕

■外部リンク■
 ようこそ大阪市立自然史博物館へ


完訳
ファーブル昆虫記
第5巻

ファーブル著
山田 吉彦訳
林 達夫訳
税込価格:¥798
岩波文庫
完訳
ファーブル昆虫記
第1巻

ファーブル著
山田 吉彦訳
林 達夫訳
税込価格:¥840
岩波文庫


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