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淀川のいきもの大集合!「みんなでつくる淀川大図鑑」―大阪市立自然史博物館―

大阪市立自然史博物館と友の会


 自然史系博物館の地域密着型活動の先駆けになったといわれる大阪市立自然史博物館。

 学芸員の方々とプロアマと問わず多くの方が集まった友の会が一体となって大阪を中心としたさまざまな場所でフィールドワーク行っています。

 もう何十年も続いてる活動で、さまざまな成果が発表されています。

 その中の一つが今回の特別展。


「みんなでつくる淀川大図鑑」


 大阪市の長居(ながい)公園にある自然史博物館の夏の特別展です。

 単に「淀川(よどがわ)」と呼ばれている部分だけでなく、上流や支流を含む淀川水系と呼ばれている広い範囲についての展示になります。

 淀川は上流に世界有数の古さを誇る日本最大の湖の琵琶湖を持ち、滋賀・京都・大阪という歴史の古い都市の間を流れつつも、ほかの川にはない固有種が多いというのが特徴です。

 また一つの水系に流れ込む川の数では日本一というほんとうにすごい川なのです。
 そのわりにはいまひとつそのすごさが伝わらないのですが……

琵琶湖の固有種のセタシジミ[みんなでつくる淀川大図鑑(大阪市立自然史博物館)]
琵琶湖の固有種のセタシジミ
[みんなでつくる淀川大図鑑(大阪市立自然史博物館)]




淀川水系の中の淀川


 展示を見て感じることは、京都と大阪の境で宇治川・・木津川(きづがわ)三川合流(さんせんごうりゅう)してから大阪湾に流れ込む「淀川」と呼ばれる部分だけでも結構豊かな自然があるということです。

 その豊かな自然を維持してきたのがわんど(湾処)になります。
 見た目は河原にできた大きな水たまり。
 川につながっているので水の出入りはありますが、流れから切り離され、まるで池のように淀みになっています。

 淀川に今も残る、そして残っていた貴重な生き物たちの多くが住んでいるのが、このわんどです。

淀川水系の中流から上流にかけてにすんでいるカワヨシノボリ[みんなでつくる淀川大図鑑(大阪市立自然史博物館)]
淀川水系の中流から上流にかけてにすんでいるカワヨシノボリ
[みんなでつくる淀川大図鑑(大阪市立自然史博物館)]




「わんど」


 わんどのおもしろいところは、自然にできた地形ではなく、ほんの100年ちょっと前に人間が作った地形ということです。

 上流の鴨川(かもがわ)がそうだったように淀川も氾濫川だったようです。
 淀川くらいの川になると氾濫をしたときの被害も想像を絶するものがあったと思います。

 江戸時代に上町台地を切り裂くという大改修を行った大和川に対して、淀川は明治になってから近代的な改修を受けることになりました。

 貨物船の航行を考慮して掘削され、また流れを緩やかにするために川幅を狭めました。その過程で出来上がったのがわんどです。

 意図せずして、人間の都合のための工事がビオトープを作り出すことになったのです。


わんどの今


 そのわんども現代的な治水工事などで埋め立てられたり、水位が下がって干上がったりと数が減ってしまいました。

 しかしビオトープとしてのわんどが広く知られるようになり、今では従来のわんどの整備と同時に新たにわんどをつくり、生き物を呼び戻す試みが行われています。

 このような思いがけないわんどの効用が認められ、東京の隅田川(すみだがわ)などでも参考にしてわんどが作られ、効果を上げているようです。


淀川の固有種と外来種


 淀川というと大阪でも人口の多いところを流れる川できれいとは言いにくいイメージがあります。
 しかし固有種の存在という貴重な自然がまだ残っているのは驚きました。

 淀川の生き物たちは決して見た人が驚くような奇妙な生き物でも、誰でも知っているような希少種でもありません。
 むしろそういうのは淀川に割り込んできた外来生物の方が多いかもしれません。

 しかし有名無名にかかわらず、身近な生き物たちの小さな声に耳を傾けることが大切ではないか、と思います。

淀川流域に生息している外来種のヌートリア(画像は大阪城北外濠のもの)
淀川流域に生息している外来種のヌートリア(画像は大阪城北外濠のもの)
会場では剥製が展示されています




淀川から自然を考える


 今回の展示は、淀川の地理や歴史を含めて、広い視野で淀川水系の生き物たちのことを知ることができるようになっています。

 淀川水系の観察ポイントもおしえてくれます。
 海に接した干潟から上流の清流まで、公共交通機関で行きやすいところも多々あります。

 自然観察の参考になるでしょうし、都市にある淀川を通して日本の自然について考えるきっかけになるかもしれません。

 さすが大阪市立自然史博物館。


■外部リンク■
 大阪市立自然史博物館 みんなでつくる淀川大図鑑
 ようこそ大阪市立自然史博物館へ



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タグ: 淀川淀川大図鑑わんど大阪市立自然史博物館淀川水系


2011年6月25日 追記
 「みんなでつくる淀川大図鑑」展は終了してしまいましたが、資料として十分活用できる図録があります。
 在庫があれば博物館のミュージアムショップで販売しています。
 また通販もできるようです。

 淀川水系の自然観察によく利用しています。

■外部リンク■
 大阪市立自然史博物館ミュージアムショップ
 ようこそ大阪市立自然史博物館へ



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genre : 学問・文化・芸術

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