古い写真の中からみつけたいきもの そんなに珍しくなさそうなのに最近「見つかった」新種のタマバチ
去年の4月。
アラカシの花が咲く時期。
どんぐりの仲間の雌花の写真を集めていたので、新しい枝の葉の付け根にできる雌花をさがしてると。
小さな雌花に小さな虫がとまっていました。
おそらく、植物に虫こぶを作らせる寄生昆虫。
ハチのタマバチの仲間か、ハエのタマバエの仲間でしょう。
その時はどんぐり類の雌花が目的でしたのでそのまま忘れてしまっていました。

一年近くたって画像を見直していると、思い出しました。
画像を拡大してみると、ちょっと大きめの頭部と丸い腹部。そして重ねた翅は4枚?
ハチのタマバチの仲間のようです。

アラカシに虫こぶをつくるタマバチを調べてみると。
意外と種類が少ないようで、マスダアラカシタマバチばかり。
それに似ています。

マスダアラカシタマバチは、なんと2010年に九州大学の伊都キャンパスで見つかったばかりの新種だったのです!
21世紀の日本の大学のキャンパスで新種が見つかるなんて!
しかもそれと同じ種が数百キロ離れた大阪で見つかるとは!
これは奇跡だ!

と思ったのですが、少し誤解していたようです。
どうやら新種が見つかったというより、だれも種として発表していなかっただけのようです。

まず、アラカシなどの常緑のコナラ属アカガシ亜属はアジアのみに分布、つまりヨーロッパやアメリカにはないのです。
だから、ヨーロッパ人にもアメリカ人にも見つけられなかっただけ。
そして、どうも日本にはタマバチの仲間を調べる人は少なく、存在が知られていても論文が発表されていないものもあるようなのです。
そのひとつが、マスダアラカシタマバチ。
ということは、新種発見のチャンスが雑木林にころがっている! かもしれません?

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