水清ければ魚棲まず まさにそのとおり
水清ければ魚棲まず
【読み】みずきよければうおすまず
【意味】あまりに清廉すぎる人は、かえって人に親しまれず孤立してしまうこと。
きれいすぎる水には生き物が少なく魚も住まないことからのたとえ。

緑に覆われていますがほとんどがスギやヒノキの植林
いつもそうだなぁ、と思う故事成語です。
ただし、本来の意味ではなく、由来となったほうの意味で。
意外に思うかもしれませんが、きれいに澄んだ水には生き物が少ないのです。
水が澄んできれいということは、プランクトンなど小さな生き物の食べ物がないということ。
ということは、小さい生き物たちはいないということ。
ということは、それを食べる中くらいの生き物がいないということ。
中くらいの生き物がいないということは、それを食べる大きな生き物がいないということ。
ですから、きれいすぎる水には魚は住まないのです。

水が澄んでいてもこんな大きな魚がいます
もちろん、山の清流には大きなアマゴなどが住むことがあります。
しかし、こういった魚は水の中の生き物食べるのではなく、水に落ちた昆虫などを食べているのです。
他にも、カワセミやホタルなど「清流の生き物」と思われている生き物も、住んでいるところは意外と「清流」ではありません。

冬には水鳥がたくさん来ます
街はもちろん、人間がつくった庭、農地、公園など、植物がたくさんあっても整った「きれい」な場所を見ると、いつもこの故事成語を思い出します。
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