秋の水辺でおぼれていた昆虫はなぜ
秋。
小さな池でカマキリが溺れていました。
というか、水面を泳いでいます。
ミズカマキリではありませんので、体は水中に対応していません。
このままでは呼吸ができず溺れてしまうでしょう。
網で救出してみると、なんかヘンです。
おしりから焦茶色の針金のようなものが飛び出しています。
ぐねぐねしています。

合点がいきました。
おしりから出ていたのは、カマキリに寄生していたハリガネムシ。
ハリガネムシが卵を生むのは水の中。
そのため寄生した昆虫を水辺に向かわせるのです。
たしかに昆虫を食べるカマキリが水に入る必要はありません。
前脚の腿節に黄色い点があるので在来種

カマキリを助けた池を見ると、すでに数匹のカマキリの遺体が浮かんでいたました。
きっとハリガネムシの被害虫でしょう。

ハリガネムシは水中で孵化し、水生昆虫の幼虫に寄生し、その幼虫が羽化して水から離れ、カマキリ食べられて再び水辺に戻るというサイクルで生きています。
ところが、この池は雨が降ると現れますが、晴天が続くと干上がってしまうようなところ。
池というより、大きな水たまりと言ったほうが近いかもしれません。
ですから水生昆虫は住み着きません。
せっかく水の中孵化しても、寄生のサイクルが途切れてしまいます。
寄生した虫を操るハリガネムシも、池と水たまりの区別をつけることはできないようです。

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