雪の金剛山で出会った動物がつけた跡は、なに?
夏より登山者が増えると言われる冬の金剛山。
たくさんある登山道の中、1月から2月に登山者が増えるのがツツジ尾谷。
凍る滝を見に多くの人が来ます。
その道で出会いました。
動物がつけた跡、フィールドサインです。
この跡をつけたのはどんな動物?

積もった雪の上につけられた跡。
動物に詳しい人なら、どんな動物がつけたかすぐわかるでしょう。
山登りをよくする人ならもっと細かいことがわかると思います。
大きさはこれくらい

長さは全体で12センチくらい。
深さはこれくらい

5センチくらい。
川に張った氷の上に積もった雪ごと踏み抜いたように見えます。
ヒント
指のような小さく円い穴が3つと足の裏のような楕円形の跡。
穴の配列からすると、3本指で人間のように足の裏をベッタリとつける蹠行性(しょこうせい)の哺乳類のように見えます。
金剛山がある金剛山地と連なる生駒山脈和泉山脈は大阪と奈良の街や紀ノ川で他の山地などと隔てられているので、生息する中大型の哺乳類は限られます。
そして、この跡をつけたのは、おそらく、金剛山でもっとも目にする動物。
答えは、下に。

こたえ
この跡をつけたのは。
学名Homo sapiens sapiens。
和名はヒト。
国語的には、人類とか人間とか言われます。
解説
金剛山に生息する可能性がある3本指の哺乳類は、ありません。
また、蹠行性の哺乳類の種類は限られ、指の跡は4つか5つ。
この跡は狭い間隔でただ2つが並ぶだけで、その周囲にほかの足跡はありません。
歩いてきたのでも、歩いていったのでもありません。
ただいきなり現れて、いきなり消えてしまったかのようです。

氷の下は水が流れ、空間があります。
足の部分は抜けていますので、踏み抜いています。
指の跡が丸く残るはずがありません。
このように動物の足跡としては否定されることばかりです。
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どうやってつけたのか
「指」の跡の周りに同心円状の跡があります。
これに合うのが登山用具の一つ、トレッキングポール。
膝への負担を減らして転倒などを防ぎ、より安全に登山できるようにする杖です。
先は棒状になっていますが、雪など柔らかい場所では深く刺さってしまうので、それを避けるために円いバスケットと呼ばれるものをつけます。
おそらく、氷を突き抜けるように深く刺し「足裏」をつくり、ゆるく指して指の部分を作ったものと思われます。
ただ、この跡を作った人はあまり動物には詳しくなかったかもしれません
だから3本指にしてしまったのでしょう。
ちょっと残念です。
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タグ: フィールドサイン 冬の金剛山 金剛山 トレッキングポール ツツジ尾谷 二ノ滝 氷爆

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