生態系の入門書『生態系のふしぎ 失われた環境はどこまで再生できる? 生態系でいちばん弱い立場の生き物は?』 児玉浩憲 著 ソフトバンク クリエイティブ Si新書 刊
「生態系」というものが地球の環境に大きな影響を与え、わたしたちの生活にも深く関係してくることは、マスコミなどでよく大きく取り上げられます。
しかし、それが具体的にイメージできるかというと、なかなか難しいと思います。
それをわかりやすく説明してくれるのが、この本。
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生態系のふしぎ 失われた環境はどこまで再生できる? 生態系でいちばん弱い立場の生き物は? (サイエンス・アイ新書) 中古価格 |

「生態系」というと、なんだかとても難しそうで、どんなものかも想像できないかもしれません。
生き物は、いろんなところにいます。
そしてほとんどの場合、生き物の種類や役割が多種多様で、みんなが複雑に関係しあっています。
生き物はもちろん生活する場所が必要です。
水も空気も必要です。
そういった生き物と生き物がいる場所などをひとまとめにしたものが「生態系」です。
そういった生態系について、地球全体の話から、身近な生態系の話など簡単にまとめられています。
生態系に関する有名な言葉の「食物連鎖」についてもわかりやすく解説。
開発などで食物連鎖の「鎖」が切れるとどうなるかについても、具体的に書かれています。
世界中の様々な環境の話から、日本の身近な環境まで、見えていないだけで、いろいろな生き物たちが複雑に関係しあって絶妙なバランスを保っていることに気付きます。
そしていつまでも永遠に同じ姿が続くのではなく、移り変わっていくことにも。
さらに絶滅危惧種や京都議定書などの決め事や国際的な約束事など、生態系に関するさまざまなことがわかります。

「生態系」に興味がある人はもちろん、自然や環境に興味がある人の入門書にいいかもしれません。
ただ、地球温暖化に深く関係する炭素循環については、「炭素循環」という言葉も使われず、ちょっと説明が大雑把なのが残念。
木を植えれば大量の二酸化炭素を吸収して、化石燃料を燃やして発生した二酸化炭素を減らしてくれるように感じます。
実際は植物が吸収できる二酸化炭素の量には限界があり、多くはその場所に木が生えていた元の状態に戻るだけの話。
化石燃料を燃やして増えた分の二酸化炭素は、減りません。
ご注意ください。
■参考外部リンク■
Si新書『生態系のふしぎ』概要児玉浩憲 著 (サイエンス・アイWeb)
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