小さい小さい白い花は腐生菌寄生植物 雛錫杖
杉が植林された山道を歩いていると、足下に白い花が落ちていました。
まわりは杉ばかりで一体どこから飛んできたのだろう?
よく見てみると、地面から生えています。

茎も小さな葉のようなものも真っ白。
緑色の葉や茎のようなものは見えません。
ということは、光合成をしないということ。
しかし花があるのでキノコではないようです。

花は同じ形の繰り返しの放射相称なので、ランではありません。
なんとなく、ソクシンランに似ているような気がします。
ソクシンランは「ラン」となっていますが、ランではありません。
ソクシンランはヤマノイモ目キンコウカ科。
ランはキジカクシ目ラン科。

それでこの花は。
ヒナノシャクジョウ。
漢字では「雛錫杖」。
ヤマノイモ目ヒナノシャクジョウ科。
多年草で林床に生える、いわゆる「腐生植物」。

「腐生」は、動植物の遺体を分解して栄養とすること。
真っ白な植物はよく落葉のたまるところに育つことから落葉を分解して栄養にしていると思われ、「腐生植物」と呼ばれました。
ところが、植物は落葉を分解することはできません。
実は、落葉を分解する菌類から栄養をもらっていたのです。
それも一方的に栄養をもらうだけ。
ですから、「腐生」ではなく「寄生」。
でも「腐生植物」といわれています。
ということで、「腐生植物」という言葉にはご注意ください。

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