地を這う大顎を持った黒くて細長い虫は一体?
おなじみの錦織公園。
大阪府の都市公園ですが、緑が多く、一度行けばブログのネタはいくつもみつかります。
ふと足元を見ると、黒いヤスデが。
実はここではほとんどヤスデを見ていません。
ムカデのほうが何倍も見てます。
最大の理由は、落ち葉の下を見ていないから。
なぜなら、ヤスデは枯れた植物を食べますから。
ところが、ヤスデと言うにはちょっと動きが早いような。
あわてて写真を数枚撮ったところで石垣の隙間に入っていってしまいました。

そして家に帰ってパソコンで見てみると。
体が平たくて尾に向かって細くなっていきます。
どちらもヤスデらしくありません。
そして足がたくさんではありません。
ヤスデではなく、昆虫のようです。

拡大してみると頭とかわらないくらいの大きな顎。
昆虫でこんな細長くて大きな顎をもっているのは、動物食(肉食)甲虫の幼虫。
ということで調べてみると。
マイマイカブリの幼虫のようです。

マイマイカブリは名前のようにカタツムリ(マイマイ)にかぶりつく(食べる)昆虫。
正しくは、カタツムリの殻に頭を突っ込んで被っているよう見えることからですが。
大きな顎でカタツムリを噛み切るのかと思ったら、消化液を出して溶かして飲み込むという体外消化。
大顎は、カタツムリを食べるためではなく、仕留めるためのようです。
マイマイカブリは、オサムシの仲間では最大級の日本固有種。
成虫の大きさは5センチ前後。
この幼虫は2センチあるかないか。
ですから、きっと1齢の幼虫でしょう。
1齢幼虫というのは、卵から生まれて一度も脱皮をしていない幼虫のこと。
2センチで1齢幼虫というのは間違いのようですが、マイマイカブリは卵自体が1センチ位という、昆虫としてはとんでもない大きさ。
さらに1齢幼虫から脱皮して2齢幼虫になったら、次はサナギという、これもとんでもなく少ない回数。
普通は何度も何度も脱皮と成長を繰り返して成虫になります。
それがたった2回。
すごい昆虫です。

マイマイカブリはほかのオサムシ同様後翅が退化して飛ぶことができません。
つまり、錦織公園のような孤立したところで一度絶滅してしまうと、二度と戻ってくることはありません。
もちろんマイマイカブリを守るのは、マイマイカブリただ1種だけのことを考えてもだめです。
公園の環境が大きく変わらないよう、願っています。
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タグ: マイマイカブリ 肉食昆虫 甲虫 幼虫 飛べない虫 オサムシ 錦織公園
