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公園ネコを考える7 餌付けってなにか考えてみることにしました。その2環境への影響を考える

 公園ネコ問題でおそらくもっとも中心になること、餌付け。
 一般的に「餌付けはダメ」といわれますが、どうしてか考えてみました。
 前回はまわりに住んでいる人への迷惑について。
 これはそもそも議論する必要のないことです。
 今回は自然環境への悪い影響について。
 こちらについては、ちょっとややこしそうです。

これまでの【公園ネコを考える】
【ノラネコについて考えてみることにしました。】
まとめ1【ネコの分類について】
まとめ2【ネコの生態について】
まとめ3【ネコと餌付について】

いきものが生きていける限界

 そもそも生き物は、その環境によって生きていける数というのは限りがあります。
 食べ物であったり、住むところであったり、動きまわるところ、同じ種類の生き物の数、そして種類の数。
 それらが複雑に関係し合って単純に表すことはできませんが、全体でその場所が支えることができる生き物の「量」には限界があります。


 もちろん、バランスは生き物の生きることすべてに関係します。
 生き物は例外なく、生まれて死んでいきます。
 その間に“食べ”、そして“排泄”します。
 遺体も排泄物もほかの生き物の糧になり、いずれなくなります。
 動物が増えすぎるるということは、たとえば糞が増えすぎ、糞を分解してできる成分が増えることになります。
 場合によっては分解されずに溜まっていくことにもなります。
 つまり、今まではなくなっていたものがどんどん溜まっていってしまうのです。 
 そうすると、環境が変わってしまい、今まで生活していた生き物が、生きられなくなります。

限界を超えてしまうと

 そうです。
 餌付けが行き過ぎると、限界を超える生き物が集まり、たとえば糞がおとされ、環境が変わってしまう(悪くなってしまう)のです。
 そうなれば、そこに住む生き物がいなくなり、今までいなかった別の生き物が住むようになります。
 冬にやってくる水鳥に餌付けをして増やしてしまった結果、その糞で水が富栄養化して環境が変化、もとからそこに住んでいた生き物が少なくなった池もあります。
 限度を超えた餌付けは、多くの生き物に、別の言葉を使えば環境にダメージを与えてしまうのです。

ネコと限界

 そして猫について。
 住宅街から離れた大きな自然公園で餌付けをしたとします。
 周りに人は住んでいませんので、周辺住民に対しての被害はないでしょう。 
 しかし、餌を求めて猫が集まり、またそういう場所なら捨てる人も少なくないでしょう。
 数が増えれば序列が下の猫は餌が足りなくなり、そこに住むトリやネズミやカエルなど小動物を食べます。
 過剰に猫が増えると、そういった小動物が減ってしまいます。
 そもそもネコの先祖となるヤマネコの行動範囲は、およそ2平方キロ。甲子園球場52個分、東京ドームなら43個分。
 餌付けでネコが集まった状態では、明らかに過密。
 環境の限界を超え、バランスが崩れて当然です。

イエネコと同じネコ属のボブキャット(神戸市立王子動物園)

見えなくてもたくさんいます

 目に見えないだけで、生き物はそこら中にたくさんいます。
 多種多様な無数の生き物たちが複雑に関係し合って生きているのが環境。
 見えない生き物たちのことも、考えなければなりません。
 視野が狭くなった蝶の保護をしている専門家の話をしました。
 餌付けをする人は、その専門家と同じかもしれません。
 その専門家は、自分が好きな蝶のことしか見えていません。
 同じように餌付けをしている人は、餌をあげたい生き物のことしか見えていないのでしょう。

ネコが入る余地は?

 ノラネコはそれほど環境に影響を与えないとする論文もあるそうです。
 しかし、現実問題として目に見えない無数の生き物が複雑に関係し合っている環境で、ネコがいいる時といない時の差を明確にすることは、事実上不可能でしょう。
 ただ、確実に言えることは、ネコは人間がつくりだした自然界に存在しなかった生き物だということ。
 仮に野生種のヤマネコとしたところで、日本のほとんどの地域では、日本に文明が現れるより昔に絶滅してしまった生き物です。
 つまり、日本の自然環境のほとんどはネコ無しで成立していました。
 ネコが入る余地は、本当はないのです。


自然保護・環境保護は人間の都合?

 猫好きの人にとっては悲しく、認めがたいことかもしれません。
 しかし、ネコは人間がつくりだした環境の中ではじめて居場所ができる特殊な動物(家畜)の一つなのが現実です。
 このブログでいつも書いているように、自然は人間の都合など一切関係ありません。
 感情で人間の都合を考えるとき、すでにそれば自然とは離れたことになってしまいます。
 もちろん、それは「自然保護」「環境保護」も同じ。
 どちらも「自然や環境にいいこと」ではなく、「特定の生き物にとっていいこと」、「人間からの見た目のいいこと」かもしれません。
 つまり「保護」が「人間の都合にいいこと」かもしれないことは、常に意識しなければならないでしょう。

餌付けは悪いこと?

 餌付けはいけないことなのでしょうか。
 「いい」「わるい」の単純な二元論で考えれば、「わるい」でしょう。
 環境を破壊してしまう可能性を含んでいますから。
 山で野鳥の写真を撮るため野鳥への餌付け行為を、環境を壊すと言って批判する登山者もいます。
 たしかに、餌付けは環境を壊す恐れがあります。
 しかし、登山という行為自体は言うまでもなく環境破壊行為です。
 人がめったに入らない山なら自然の回復力がまさり、野生のシカやクマの活動と同じように環境破壊には至らないでしょう。
 しかし、道ができ、多くの人が登り、山頂に売店があるような山では、明らかに登山は環境を破壊します。
 環境破壊を理由に餌付けを批判する登山者は、まず、自分の登山そのものをやめなければ、「目糞鼻糞を笑う」だけのことかもしれません。


 つまり、自然環境への影響を考えるとき、餌付けというのは、悪影響を与える要素の中の一つでしかないのです。
 餌付けを「環境の問題」とするとき、それは単純に餌付けだけを禁止すればいいだけの問題ではないのです。
 餌付を批判していいことをしたつもりになっていたら、もっとひどい環境破壊行為をしているかもしれません。
 ネコの餌付問題を環境の問題とするときは、餌付問題はゴールではなく、数多くある通過点のたった一つ、ということは意識しなければならないと思います。

 このように餌付けと自然環境の関係を考えるとき、個人が意図的に餌をあげることよりも大きな問題が見えてきますが、それはまた別の話に。

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タグ: 公園ネコを考える  ネコ  餌付  ネコの餌付 

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新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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