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コールド・ケース 跡は語る 数多くの足跡と羽毛から

 山を歩いていると、時折事件と出会ってしまいます。
 その日もそうでした。
 3年前の12月。
 その日は雪が薄く積もっていた金剛山。

現場近く

 谷筋を詰め、山頂を目指して斜面を登ったところで、出会ってしまいました。
 たくさんの、異常なつき方をした足跡。
 普通、山で出会う足跡は、山から登山道を横切って、また山に消えます。
 ところが、踏み荒らすようについています。

踏み荒らされたような足跡

 そして、幾つもの遺留品。
 事件です。
 しかも雪が積もっていない足跡。
 それほど時間がたっていないようです。

羽毛の上に残る謎の遺留品

 現場に出会った時にすること。
 情報収集と、プロファイリング。
 現場に残されたものなどから、行動を推定し、犯人を特定します。

 まず、被害者。
 遺体は見当たりません。
 遺留品は、羽毛。

様々な羽毛が飛び散る

 被害者は鳥です。
 しかも、赤褐色の長い羽根。
 まちがいありません。
 ヤマドリです。

長いヤマドリの雄の尾羽根

 ここで、ヤマドリが何者かに襲われ、羽根がむしり取られたのです。
 そして、別の場所に持って行って、食べられたのでしょう。

 そして、犯人は。
 金剛山は大阪平野と奈良盆地と紀の川に挟まれた衝立のような山地の山。
 住んでいる中型以上の脊椎動物の種類は限られます。
 ヤマドリを襲うような動物は、食肉目の哺乳類か、猛禽類。

 犯人特定の有力な証拠となるものの一つは、残された足跡。
 まだ雪が少なかったので、足跡は雪を踏み抜き落葉が見え、指や肉球の跡がわかりません。
 雪が残っている足跡も、不明瞭。

足痕がが重なっているのか不鮮明

 しかし、ただ通り過ぎただけかもしれません。
 羽毛のまわりに執拗についている足跡は、その主が犯人であることを示唆していますが、もっと証拠が必要です。

 食肉目と猛禽類では鳥を食べる時のちがいがあります。
 それは羽毛のむしり方。
 ワシタカ類の大型猛禽は、羽毛をクチバシでくわえて引き抜きます。
 それに対して、食肉目のイタチやキツネなどは口で噛みむしりとります。
 そのちがいがわかるのが、羽毛の付け根の羽根の部分。

 猛禽類が引き抜いた羽根はそのまま残ります。
 食肉目が噛みちぎった羽根は途中でちぎれます。
 そこで、このヤマドリの羽根は。


 

 羽毛の毛が終わるところで軸が終わっています。
 そこはギザギザ。
 見るからに噛みちぎったよう。
 猛禽類ではなく、食肉目です。

 ヤマドリはキジの仲間で、ニワトリくらいの大きさの鳥。
 日本にいる鳥としては、大きい方。
 ヤマドリを襲うだけの大きさの食肉目。
 ネコ、イタチ、キツネ、テンでしょうか。

金剛山のヤマドリの雄

 山なので、ネコではないでしょう。
 イタチは平野部の里山周辺の水辺を好みます。
 キツネは、金剛山地と周辺にはいないことになっています。
目撃情報がないわけではありませんが、いたとしてもかなり数が少ないでしょう。
 最後に残ったのは、テン。
 山に住むイタチの仲間で、山頂のライブカメラにもよく映っています。
 そして、足跡の大きさとも合います。

 見つけたすべての証拠や情報がテンに集約しています。
 犯人は、テンの可能性が極めて高そうです。
 ただ、金剛山に住むどのテンか、特定は極めて困難。
 迷宮入りせざるを得ないようです。

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新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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