【 恐竜と化石爬虫類のはなし】

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「恐竜博2016」最大の肉食恐竜スピノサウルスの姿をいろいろ想像してみるとおもしろい!〈大阪文化館・天保山〉

 「恐竜博2016」でびっくりしたのが、スピノサウルスの復元された姿。
 足より手が大きく、水かきを持った足で泳ぐスピノサウルス。
 水中で魚を食べることは知っていましたが、ここまで水中に適応した姿だったとは思ってもいませんでした。


 ただ、いろいろな動物とくらべてみて不思議に思うところもあります。
 後脚の水かき。
 恐竜に水かきがあるのは水中生活しているのなら不思議ではありません。
 恐竜から進化した鳥にもありますから。
 ただ、小さな後脚にあることが気になります。
 巨体を抵抗の多い水中で動かすためには強い力が必要。
 にも関わらず、手よりも小さな足、ひかえめに言っても手とたいしてかわらない大きさの足。
 なんかしっくりしません。

手と足どちらが大きいでしょうか
※画像スライドできます ⇒⇒

 スピノサウルスを含む獣脚類の恐竜は二足歩行で、手(前脚)は全体重を支える足(後脚)より小さくなります。
 それが逆になったスピノサウルスは、足の負担が減る水中で生活していたからだと言われます。
 確かに納得できそうですが、手が大きくなった理由にはなりません。
 スピノサウルスの細い口は、水中でも抵抗が少なく動かしやすいため、と考えられてます。
 つまり、魚を捕まえるのは手でなく口。
 手が大きくなる理由は、泳ぐ以外に想像できません。
 手を水をかいていたと考えると、足が小さいことも手が大きいこともうなづけます。


 一旦陸上に適応してから水中に適応した四肢動物の多くが泳ぐため使うのは、尾(+胴)か手(前脚)。
 鳥も水中に適応したペンギンは、手(翼)を使います。
 首長竜も主に前脚を使っていたとする研究もあります。
 クジラやイルカは足が退化してなくなっています。
 意外と泳ぎに足(後脚)は使われないことが多いのです。
 こういうところからも、スピノサウルスは泳ぐのに使っていたのは足ではなく手かもしれません。
 もし水かきが付いているのなら、手のほうがはるかにしっくりくると思います。

 また、鳥の水かきには指の間に広がる膜の「蹼足(ぼくそく)」と、「弁足(べんそく)」と呼ばれるものがあります。
 蹼足はカモや白鳥の足にある普通イメージする水かき。
 弁足は指のところの皮膚が左右に広がったもので、蹼足のようにつながらず、水をかくときに広がり、ます。
 鳥の蹼足は「目」のような大きなグループに共通して現れる特徴ですが、弁足は種類も少なく「属」のような小さなグループに現れます。
 ということは、スピノサウルス類の多くに蹼足がないのなら、弁足の可能性があるかもしれません。


 まだまだスピノサウルスの泳ぎ方には気になるところがあります。
 それは長い尾。
 獣脚類は尾が長いのが特徴です。
 それは二本脚で歩くので大きな筋肉をつけるためと、上半身の重さと釣り合わせるため。
 ですから、獣脚類は腰のあたりに重心がきます。
 ところが、スピノサウルスの重心は腰よりも前。
 水中で生活し、陸上では前足も使って四足歩行するスピノサウルスにとっては、あんな長い尾は必要でしょうか。
 もしかしたら、スピノサウルスは、足でも手でもなく、尾を使って泳いでいたのかもしれません。

 想像していなかった新しい姿でびっくりさせてくれたスピノサウルス。
 でも、その姿を見ていると新しい疑問がいくつも湧いてきました。
 これからの研究がたのしみです。
 ただ、スピノサウルスの全身骨格の前に化石の展示ケースが置かれ、横から見ると手足が隠れてしまいます。
 天井が低くて展示しにくいのはわかりますが、一番の見所なのですから、もう少し展示に工夫をしてほしかったと思います。
 残念です。

■参考外部リンク■
恐竜博2016

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タグ: スピノサウルス  恐竜博2016  大阪文化館・天保山  恐竜  化石 

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