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第47回特別展「氷河時代」寒いときは日本にトラだっていました!?〈大阪市立自然史博物館〉

 どうも日本にトラがいたことにこだわる方が多いようです。
 日本のトラについて書いたページによくメッセージがあります。
 日本にもいろいろな動物たちがいて、絶滅してしまった動物も少なくありません。
 日本だけでなく地球上から絶滅してしまった動物もいますが、日本で絶滅しても、ほかの地域に生き残っている動物もいます。
 トラはそんな動物の一つ。

●今までの「氷河時代展」の記事
【気候変動はなにも今にはじまったことではありません?!】
【大きな動物は日本中しかも大阪にもいました!?】
【気候変動の証拠はいつの時代にだってあります!?】

センター南門の看板

 そう、日本にトラはいたのです。
 それを実感できるのが、自然史博物館の「氷河時代展」。
 もちろん、今の日本に野生のトラはいません。
 そして、少なくとも文書(もんじょ)には日本にトラがいたことは残っていないようです。
 つまり、日本で歴史が始まったころには、トラはもういなくなっていた、ということです。

トラ左第5中手骨 後期更新世 岐阜県郡上市

トラ下顎骨 トラ上顎骨・関顎骨 中期更新世 山口県美祢市

 トラが見つかった時代の様子を年表風にまとめてみました。
 いつものように直感的に時代の長さがわかるように、基本的に表の縦の高さは時代の長さに比例するようになっています。
 ただし、完新世はものすごーく短く文字が見えなくなるので、かなり高くしています。

年前
新生代第四紀完新世後氷期↑ 0(現在)縄文時代
更新世後期最終氷期↑ 1万1700トラ(岐阜県郡上市)
最終間氷期↑ 7万最古の石器(島根県出雲市)
中期↑ 12万6000
ヴルム氷期↑ 15万トラ(山口県美祢市)
間氷期↑ 70万
カラブリアン↑ 78万1000
リス氷期↑ 130万
ジェラシアン間氷期↑ 180万
ミンデル氷期↑ 230万
新第三紀↑ 258万
「氷河時代展」解説書と展示を元に「日本地質学会-地質系統・年代の日本語記述ガイドライン」と「氷河期 - Wikipedia」も参考にしました。

 日本は骨が残りにくい地質になっています。
 もともと化石自体が残りにくいものなのに、日本で化石が見つかるとは、当時は普通にトラがいたのかもしれません。
 ただ、それは寒かった氷期(ひょうき)に限られるようです。
 化石がないから暖かい間氷期(かんぴょうき)にいなかったとはいえませんが。

 なぜ寒い時期にしかいなかったのか。
 考えれる理由はいくつかあります。
 まず、寒いと氷が増えて海水面が下がり、日本が大陸と陸続きになったり、海峡が狭くなって、どんどん日本に動物がやってきます。
 トラも、トラが食べる動物も。
 そして寒いと草原が増え、大型草食動物も生きていくことができるようになります。
 大型草食動物がたくさんいるので、大型肉食獣のトラも生きていけるのです。

 最終氷期のトラと同じ岐阜県の郡上市(ぐじょうし)の熊石洞(くまいしどう)で見つかった日本では絶滅した動物たちです。

ヤベツノオオジカの角 更新世後期 岐阜県郡上市(地球上から絶滅)


ニホンムカシジカの角と下顎骨 更新世後期 岐阜県郡上市
(地球上から絶滅)


ヘラジカの下顎骨 更新世後期 岐阜県郡上市


ナウマンゾウの下顎骨 更新世後期 岐阜県郡上市(地球上から絶滅)


ヒグマの椎骨 更新世後期 岐阜県郡上市(北海道では絶滅していません)


 考古学的な証拠から現在日本と呼ばれる地域の中で、ホモ・サピエンスとトラが同じ時代に住んでいたことはまちがいないようです。
 ただ、家や土器をつくりだすようになり現在の日本人につながる縄文時代は、最後の氷期が終わって地球が暖かくなってから。
 そのころには日本のトラは全滅していたかもしれません。

本館のヤベツノオオジカとナウマンゾウ

 また、最終氷期とその前の氷期にトラの化石が見つかっていますが、その間の間氷期がどうだったのかわかりません。
 現在いないことを考えると、暖かかった最終間氷期には日本のトラは絶滅していた可能性が高そうです。
 このように生き物の絶滅と進出は、地質学的な尺度で見ると日本のような島では頻繁に起こっていたようです。
 つまり、生き物の生息について考えるとき、人間の極端に狭い尺度で考えるのではなく、もっと広い尺度で考え、想像することが大切なようです。
 そんな証拠がたくさんあるのが、「氷河時代展」です。

■参考外部リンク■
第47回特別展 氷河時代|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ

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タグ: 47th-hyougajidai  氷河時代展  大阪市立自然史博物館  トラ  ニホンムカシジカ  ヘラジカ  ヒグマ  更新世  氷河時代  気候変動 

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