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フィールドワーク 専門家にならない理由のふたつめは、標本

 IWOでは、専門家にならないことをテーマにしています。
 もちろん専門家を否定しているわけではありません。
 専門家のおかげで、さまざまな不思議な事がわかってくるのですから。
 それでも専門家にならない理由の一つは、すでに書いたように偏らない広い視野と知識を持つため
 心構えのような話でしたが、今回は現実的な話です。

 専門家にならないもう一つのことは、標本。

ノラネコ
身近なノラネコもすぐ逃げていってしまいます

標本と専門家

 生き物の専門家になると避けて通れないのは、標本。
 生き物の種類を決めるために必要なのは、標本。
 標本があれば、何よりの証拠。
 そして標本があれば後に様々な研究に使うことができます。
 写真も決して不必要なわけではありませんが、多くの場合決定的なのは、標本です。
 もちろん、大きすぎたり組織が保存に適してなかったりと、標本にできないものもありますが、基本的に生き物の専門家は、その生き物の標本つくりの専門家でもあります。

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標本と保管

 標本はつくるだけでなく、保管や管理も大切です。
 標本を作っていくと、保管するスペースも必要となります。
 たとえばこのブログで追いかけている下赤阪の棚田で出会った生き物をみんな標本にするとなると。
 保管するための場所がいったいどれだけ必要になるのでしょうか。
 そして標本を作る時間、さらに標本作りのために必要な道具や薬品をそろえるとなると……

ツバメ
高速で飛び回るツバメを写すのはたいへんです

画像標本

 ということで、標本をつくらない、つまり専門家にならないのです。
 その分、生き物たちの区別をするポイントを知り、写真を写すときはその特徴が写るようにします。
 画像標本です。

 しかし、子供の頃に夏休みに出会った生き物の写真を博物館に持って行って専門家に見てもらったら、「標本でないとはっきりとした種類はわからない」と言われたことがあるかもしれません。
 それは、写真に必要な情報が写ってなかったから。
 いいかえれば、生き物の区別をすめるための必要な情報が写っていれば、写真でも役に立つことがあるというわけです。

ブルーギル
魚も泳ぎまわってもぐってじっとしていません

生き物の特徴

 生き物の特徴がわかる部分というのは、たくさんあります。
 そして種類によって変わります。
 その知識がなければ、いくら生き物の写真を写しても、種類はわからないかもしれません。

 そして動物の場合、たとえば昆虫などはすぐ逃げて近寄れなかったり、すばやく動きまわったりします。
 つかまえて動かなくしないかぎり特徴を写すことができないことは、当たり前のようにあります。
 また、その特徴が体内など見えないところにあったら。
 このように動物を傷つけず特徴を写すことは、結構限界が低いところにあります。残念ながら。

セイヨウミツバチ
ミツバチは花から花へと飛び回っています

大切なこと

 そんな困難を乗り越え、写真を標本のかわりにするためには、見分けるポイントなど生き物の専門的な知識が必要です。
 もちろん、そういった部分を綺麗に写すための様々な写真の道具や技術や経験も必要になってきます。
 まるで、専門家のようです。
 そう、専門家にならないと言いつつ、専門家に近づかなければならないのです。

 実は専門家になることは、とても大切なことなのです。
 言っていることが大きく矛盾してきました!
 それはどういうこと!?
 この矛盾については、またの機会に。

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タグ: フィールドワーク標本画像標本専門家

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わかれみち

** あばーさ加納 さん へ **
子供向けの昆虫標本セットは買ってもらったことがあります。

でも虫とはいえ、生きている動物に注射をして殺すことには抵抗がありました。
結局、買ってもらったのはこの1度だけ。

といっても、むちゃくちゃな飼い方で死なせてしまったり、捕まえたバッタをカマキリに食べさせたりしていましたから、子供とはいえぜんぜん筋が通ってないな、と思います。


生き物の専門家への道筋はいろいろあると思いますが、子供の頃に標本つくるかどうかが最初の分かれ道かもしれませんね。

私は、まずこの段階で生き物の専門家の道を選べませんでした。

標本

おはよう御座います。

私事で恐縮ですが、標本は自分にとって昆虫達と接する方向性を決定付けるきっかけとなったと思っています。

小学校低学年児、自分は好きな昆虫達を図鑑でトレースして絵を書き、名前や特徴も入れて自分の好きな昆虫だけの図鑑を作るような子でした。

当時、親はそんな子を見て無理して”標本セット”を揃えてくれる訳ですが、結局最後まで”標本セット”は使えませんでした。

生きている虫に注射をして動けなくする。
その行為が出来なかった。

捕まえるのも好き、飼うのも好き、当然飼っていれば死ぬ事もあるのですが、死んで関節等がだらんとした昆虫からはもう自分の目を引き付ける魅力を感じなかった。

なんとなくですが、今目の前で生きていて魅力的な昆虫を自分の興味の無いものにする事が嫌だったのかも知れません。

博物館等に行って標本を見るのは好きなんですよ、本当はただ自分で手を下すのが嫌だっただけかも知れません。

なんとなくそれらに気付いた小学校時代を経て、結局自分はその道へ進む事は無かったけれど、標本を作る自分が居たなら『今の自分はどうだったかなぁ?』なんてちょっと考えてしまいました(^^;)
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