特別展「たまごとたね」は空を飛んで旅するタネがたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉
タマゴとタネが対決形式で展示されている大阪市立自然史博物館の特別展「たまごとたね」。
22のラウンド(テーマ)で対決しています。
でも、なんか、タマゴとその親達ばかりに注目しがちになってしまいます。
でもタネだって負けていません。
◆「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」の記事をまとめてみる
【知っているのに知らないタマゴとタネがいっぱい!】
【鳥の卵がものすご~くいっぱい!】
【タマゴとタネのちがいは?!】
【何回も行ってたくさんタマゴとタネを見よう!】
タネについての説明で印象に残ったのは、解説書の「普段は動けない植物が、動いて分布を広げることができる数少ないチャンス」。
動けない植物が分布を広げることは重要です。
たとえば、人類が登場してからのわずかな間だけでも地球は暖かくなったい寒くなったりを繰り返しています。
そのとき、分布を広げることができていなければ、激しい環境の変化を乗り越えることができず、絶滅してしまいます。

会場までまだまだ500mの案内板
ということで、会場では旅するタネがろいろ展示されています。
自分の力で動くことができないタネの移動方法には、動物に運んでもらう方法と、空気や水の動きを利用する方法などがあります。
空気を利用するタネは、タネらしくないおもしろい形をしているものがいろいろあります。

写真で残念な全翼機型タネのハネフクベ
この形は空気抵抗が少なくなるので長距離や長時間飛びやすくなります

実の中に円盤グライダー型のタネがつまったジャカランダ

2枚羽のヘリコプター型のタネのフタバガキ類
このタイプは遠くへ飛ぶよりも落下の衝撃を和らげるためとも言われます

いろいろなふわふわ系タネ
どれも種子の部分は小さい
そして、標本の展示だけでなく、実際にタネが飛ぶ様子を見ることができます。
まずアメリカオニアザミ。
名前のようにキク科の植物。
キク科で飛ぶタネというと、タンポポ。
アメリカオニアザミもタンポポのようにタネに綿毛がついています。
大きなケースについたボタンを押すと、中に風が巻き起こって綿毛が舞います。
綿毛に風を受けてふわりと舞い上がり、ふわふわと落ちていきます。

ふわふわ舞ってるアメリカオニアザミ
「ふわふわ」と飛ぶには軽いほうが有利。
つまりタネは小さいほうがよくなります。
しかし、タネが小さいとためておける栄養が少ないので、芽を出して育つためには不利。
そのため、ふわふわ型のタネは、小さいタネをたくさん作るものが多いそうです。
そして会場終盤には大きな空飛ぶタネが登場。
天井から下がっているひもを引くと、かごが上へ上へと上って行きます。
天井にとどくと中からたくさんのタネが出てきて、ひらひらと会場を舞います。
グライダーのような大きな翼がついたタネ。
会場の最初のほうに展示されていたハネフクベのタネのようです。

会場を舞う全翼機型のタネモドキ
ハネフクベはウリ科の蔓植物で、木を使って高いところまで上って行き、タネを飛ばします。
タネはグライダーのように飛びますので、できるだけ高い位置に実がなるほうが得です。
そして綿毛型よりも大きなタネをつくるります。
大きなタネのほうが成長するための栄養も多いわけですから、小さい種よりも有利です。

床に降りたタネモドキ
「飛ぶ」と言っても方法や形は様々。
紹介できたのその一部だけ。
残りはぜひ会場で見てください!

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