晩春に咲いた白くて丸い花 ギンラン
晩春のあまり大きくない花。
林床に咲く小さな白い花。
ギンランです。
漢字では「銀蘭」。
しかし丸くて小さい花。
先端が尖った長楕円形の平行脈の葉。
互いちがいに葉が生える互生。
ランの花というと、特殊化した6枚の花弁が左右対称の形を作るのが特徴です。
丸くすぼまったような花は、ランというよりスズランのようなクサスギカズラ科のようです。
しかしギンランは、ラン科キンラン属。
ランの花に見えないのは、花弁が開ききらないからだそうです。
受粉のために目立つように花を変化させたランですが、それに逆行したかのような花。

ギンランは35都府県でレッドリストに掲載されています。
過半数で絶滅危惧II類(VU/絶滅の危険が増大している種)以上のランクに。
絶滅危惧種に指定されるのは、開発などによる環境の変化の影響があるのはもちろんですが、それ以外にも勝手に持ち去ってしまう盗採、つまり泥棒されることも影響しています。
このようなラン科は野生種でも観賞価値が高いとされるものが少なくなく、ひどい場合になると、大切に保護していた場所から盗まれることがあります。
ギンランも含めて、特定の場所にしか生えないような植物は、気温や日照、土質や地中に棲む様々な生物との複雑な関係の上で生きているものも少なくありません。
そういった生き物は、仮に持ち帰ったとしても育てることは困難。
目に見えない生き物を含めた様々な条件を人間が満たすことは、不可能といってもいいほどのことですから。
希少な植物を持ち帰ることは、犯罪で、さらに貴重な植物を絶滅へ追いやる行為です。

植物に限らず、生き物はその生き物だけで生きているわけではありません。
目に見ないものも含めて様々な生き物たちが相互に影響しあう環境、つまりビオトープがあることで生きることができます。
そこから切り離されれば、その生き物はどうなってしまうのかは、簡単に想像できることでしょう。
タグ♦ 蘭 絶滅危惧種
■参考外部リンク■
日本のレッドデータ検索システム
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