年代層序表〈顕生代〉β2 動物と植物
前回作ってから時間がたちましたので、新たに作りました。
今回は植物に関する時代区分も追加しています。
一般的な時代の大きな区切りは、動物の絶滅や発展と関係している事が多いのですが、実は植物の変化は動物とちょっとズレがあります。
大雑把ですが比べてみると、なかなおもしろいことが見えてきます。
前回とは参考にしている資料がちがいますので、年代などがかわっていることがあります。
今回も直感的に時代の長さがわかるように概ね時代の長さと同じ比率で表の高さを設定しています。
ただし一部の極端に短い時代については、最低限度幅に固定しています。
名称と年代は国際年代層序表を参考にしています。
万年前 | 累代 | 代 | 紀 | 世 | 植代 | 出来事・生物 | |
0 | 顕生代 | 新生代 | 第四紀 | 新植代 | 被子植物の時代 | 人類の出現 | |
250 | 新第三紀 | 鮮新世 | スミロドン | ||||
530 | 中新世 | デスモスチルス | |||||
2300 | 古第三紀 | 漸新世 | |||||
3390 | 始新世 | バシロサウルス | |||||
5600 | 暁新世 | 被子植物の繁栄 | |||||
6600 | 中生代 | 白亜紀 | 後期 | 白亜紀末の大量絶滅 | |||
ティラノサウルス プテラノドン |
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1億 50 | 前期 | 中植代 | 裸子植物の時代 | 被子植物の出現 ステゴサウルス 有胎盤類の出現 |
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1億4500 | ジュラ紀 | 後期 | アーケオプテリクス アロサウルス |
||||
1億6350 | 中期 | ||||||
1億7410 | 前期 | ||||||
2億 130 | 三畳紀 | 後期 | 三畳紀末の大量絶滅 | ||||
哺乳類の出現 | |||||||
2億3700 | 中期 | 恐竜の出現 | |||||
2億4720 | 前期 | ||||||
2億5220 | 古生代 | ペルム紀 | 後期 | ペルム紀末の大量絶滅 | |||
2億5980 | 中期 | 裸子植物の繁栄 | |||||
2億7230 | 前期 | 古植代 | シダとシダ種子植物の時代 | ||||
2億9890 | 石炭紀 | 後期 | 爬虫類の出現 メガネウラ |
||||
3億2320 | 前期 | 木性シダ類の繁栄 完全変態昆虫の出現 |
|||||
3億5890 | デボン紀 | 後期 | 原始陸上植物の時代 | デボン紀後期の大量絶滅 | |||
シダ種子植物の出現 | |||||||
3億8270 | 中期 | 両生類の出現 | |||||
3億9330 | 前期 | アンモナイトの出現 硬骨魚類の出現 昆虫の出現 |
|||||
4億1920 | シルル紀 | シダ植物の出現 | |||||
4億4340 | オルドビス紀 | 後期 | オルドビス紀末の大量絶滅 | ||||
4億5840 | 中期 | 地上植物の出現 | |||||
4億7000 | 前期 | 太古植代 | 海生藻類の時代 | ||||
4億8540 | カンブリア紀 | ||||||
4億9700 | |||||||
5億 900 | 節足動物の繁栄 | ||||||
5億2100 | バージェス・澄江動物群 カンブリア爆発 |
||||||
5億4100 | 先カンブリア時代 |
原生代 | エディアカラン紀 | エディアカラ動物群 | |||
万年前 | 累代 | 代 | 紀 | 世 | 植代 | 出来事・生物 |
タイトルにもある「顕生代(けんせいだい)」は、古生代から現在までを含み、地球の歴史の9分の1ほどの時代です。
複雑な生物が現れて、瞬く間に海に広がり、少し遅れて陸上にも広がり、地球環境を大きくつくりかえることになります。
顕生代は「古生代」「中生代」「新生代」の3つの時代に分かれます。
古生代は複雑な生物が現れて、地球上に広がっていった時代です。
中生代は爬虫類が多様化して、陸・海・空に広がっていった時代です。人気がある恐竜もその中の一つ。
新生代は恐竜をはじめ多様化した爬虫類の多くが絶滅し、かわりに鳥と哺乳類が多様化した時代です。

ちっちゃいアノマロカリス・ナトルスティ〈橿原市昆虫館〉
以上は動物を中心とした時代区分です。
植物も同じように「古植代」「中植代」「新植代」の3つに分けることができます。
古植代はコケのような原始的な植物が陸上に進出した時代と、シダ植物が繁栄した時代に分かれます。
水辺を植物が覆うことで、動物の陸上進出がはじまりました。
シダは巨大化し、地球上にはじめて森林を作りました。
そして腐ることもなく地中に埋もれ、大量の石炭を作り出すと同時に、大気中の二酸化炭素の量も減ることになります。
中植代は裸子植物が繁栄を始めた時代です。
裸子植物は種を作る植物で、シダ植物よりも乾燥に強くなります。
この時代に植物が内陸へ進出をはじめたのでしょう。
中生代の恐竜の繁栄の基礎がつくられたのかもしれません。
新植代は被子植物がシダ植物や裸子植物にかわって繁栄した時代です。
被子植物は、胚珠が外に出ていた裸子植物とちがい子房で胚珠をすっぽりと覆う植物です。
また受粉を風まかせにしていた裸子植物とちがい、動物を呼び寄せるための花を作り花粉を運ばせ、子房を食べられるようにして動物に種を運んでもらうという、繁殖に動物を利用するようになりました。
現在植物の多くは被子植物で、シダ植物で残ったものはほとんどが草。裸子植物に至っては、大きく種の数を減らしています。

この表に書かれていない20億年前のいきものの化石〈橿原市昆虫館〉
この植物の変化を動物の変化を比べてみると、動物の多様性が大きく変わる大絶滅の前に、すでに新しい植物の繁栄が始まっています。
植物が原因となって大絶滅が起きるわけではないと思いますが、植物によって作られた新しい環境に、新しい動物たちが多様化して対応していったかのようです。
植物は陸上の環境と大きく関係し、そして直接的・間接的に動物の食べ物になります。
植物の進化がわかると、陸上の動物の進化もわかりやすくなることもあります。
動物に興味がある人も、植物の進化を知ると絶滅した動物たちが生き生きと動き回る姿を想像できるようになるかもしれません。
タグ♦ 地質年代表
■参考外部リンク■
日本地質学会 - 地質系統・年代の日本語記述ガイドライン
橿原市/橿原市昆虫館
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