特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」で恐竜にも肉球があるのか見てみました!〈大阪市立自然史博物館〉
初公開の化石が多い「スペイン 奇跡の恐竜たち」。
2015年3月21日から大阪市立自然史博物館ではじまりました。
◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の記事をまとめてみる

矢印のとおりに歩いていきましょう。
たくさんある見どころのひとつが、チラシやポスターに登場しているコンカベナトール。
カルカロドントサウルスの仲間の獣脚類の肉食恐竜で、福井県で見つかったフクイサウルスに近い種類です。
コンカベナトールの特徴は腰のところのひれのような突起。
キャラが立っています。

コンカベナトールが見つかったラス・オヤスの地層は、湖の湿地帯にできた石灰岩でできています。
おそらく、時間をかけて炭酸カルシウム(石灰岩の主な材料)でパックされるようにできた化石なのでしょう。
ほぼ全身がつながった状態の化石が見つかり、それが展示されています。
炭酸カルシウムに覆われるのは大変時間がかかったと思いますが、大きな肉食動物だけでなく、虫や細菌など小さな生き物にもあまり食べられなかったようです。
ただ、ラス・オヤスからは様々な水生動物、魚やザリガニなどが見つかっています。
どうしてコンカベナトールが食べられなかったのか。
大量に炭酸カルシウムが溶けた水はアルカリ性になりますので、化石ができた場所は生き物がいない環境だったのかもしれません。

なんでも食べるザリガニの仲間のアウストロポタモビウス・ルロピシ
理由はどうであれ、大型肉食恐竜はもちろん、眼に見えないような微生物にも食べられなかったというのは、とても重要です。
食べられないで埋もれると、さすがに細胞などは時間がたつうちに分解されて無くなってしまいますが、その跡は残ります。
このコンカベナトールの化石がそうなのです。

コンカベナトール・コルコヴァトゥスのホロタイプとなる産状化石の実物
鱗(うろこ)の跡など珍しいものがたくさん残っています。
もちろん、話題になっている「肉球」も。
イヌやネコの足の裏のぷにぷにで大人気のあれです。
獣脚類恐竜の「肉球」の跡はいくつか見つかっているようですが、やっぱり珍しいようです。

「肉球」の跡が残った化石
日本初公開(先に福井で公開済みですが)の恐竜の「肉球」は、ぜひ実物をご覧ください。
ただし、実物でコンカベナトールの基準となる化石(ホロタイプ)なので、“ぷにぷに”の確認はできません……
さわっても“ぷにぷに”じゃないと思いますが。

- 関連記事
-
- 特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」ででっかい恐竜が歩く姿を想像してみました!〈大阪市立自然史博物館〉 (2015/04/10)
- 特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」で恐竜にも肉球があるのか見てみました!〈大阪市立自然史博物館〉 (2015/03/29)
- 特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」で ケラトプシアを並べてみる! (2014/05/10)
スポンサーサイト
タグ: スペイン奇跡の恐竜たち コンカベナトール アウストロポタモビウス 肉球 恐竜 大阪市立自然史博物館 spaindino-osaka 白亜紀

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術