梅雨の金剛山のたのしみ。まっしろな銀竜草
梅雨に入って金剛山もギンリョウソウの時期になりました。
ギンリョウソウはツツジ科ギンリョウソウ属、山の日の当たらない林床などでひっそりと咲く小さく真っ白な植物です。
葉は小さく茎と同じように真っ白。
つまり、葉緑体を持たない腐生植物(ふせいしょくぶつ)です。

腐生植物のギンリョウソウ
「腐生植物」は、積もった落ち葉が菌類(きんるい)などに分解された腐葉土などから栄養をもらう植物。
と思われてきました。
現在は、地面の下に広がる樹木と共生関係にある菌類のネットワークから栄養をもらっている、寄生植物であることがわかってきました。
葉緑体を持たずほかから栄養をもらっているので、緑色の元になる葉緑体がいらないから真っ白な姿なのです。

真っ白なギンリョウソウ
「腐生植物」という文字のイメージからか、ギンリョウソウは広葉樹林内に生えると思われることもあるようです。
ところがギンリョウソウが寄生する菌類は松や杉のような針葉樹とも共生しますので、必ずしも広葉樹林にだけ生えるわけではありません。
実際金剛山でもギンリョウソウは広葉樹林から針葉樹林までいろいろなところにはえています。

落ち葉を見ればわかるように針葉樹林のギンリョウソウ
ギンリョウソウは多年草なので毎年同じ所で咲きます。
金剛山でギンリョウソウが咲く場所はいくつもありますが、見やすく安全なところというと、やはりメジャールートの千早本道。
三合目あたりから山頂までところどこで生えていましたが、最近の大規模な改修のためすっかり見かけなくなってしまいました。

登山道でも咲いているのでよく踏まれます
改修から外れてギンリョウソウが残り、ほかのルートからでも見に行きやすいところが八合目から山頂まで。
杉林の中をまっすぐ登っていく近道も笹薮の中に生えていますが、ちょっと見にくいのが欠点。
八合目からの山腹ブナ林ルートの方は山側の切り崩した所で咲いています。

千早本道ブナ林ルートのギンリョウソウ
花が咲いて実がなったらあっといまに枯れてしまうギンリョウソウ。
1年のうちほんのわずかの間しか地面の上に現れない真っ白なギンリョウソウ。
梅雨の金剛山の楽しみの一つです。
金剛山のギンリョウソウの画像は別館【いきもの を ぱちり!】の
【梅雨に出会える真っ白なギンリョウソウ】にもあります。
タグ♦ ギンリョウソウ 梅雨の花 金剛山の植物

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