七十二候第二十一候「竹笋生」ってタケノコが生える季節ってこと?
夏が始まる二十四節気(にじゅうしせっき)の立夏(りっか)を迎えて3つ目の七十二候(しちじゅうにこう)、「竹笋生」。
読みは「たけのこ しょうず」。
意味は「タケノコが生えてくる時期」。
あれ?
タケノコは一般的に春が旬とされます。
よく食べられるモウソウチクの旬は3月から5月上旬まで。
5月中頃に「タケノコがはえている」というのは、ちょっと違和感があります。
七十二候は二十四節気と同じように古代の中国で考えだされたもの。
当時の中国の中心地は高緯度地域にありました。
ということで、それが原因?

「竹笋生」のころのタケノコ(錦織公園のモウソウチク)
もう食べられないほど伸びてます。
と思ったら、中国の第二十一候は「王瓜生(おうか しょうず)」。
「王瓜」はカラスウリのこと。
ちょうど今頃が発芽の時期。
ということで、日本でも「竹笋生」よりも「王瓜生」のほうが違和感が少なかったりします。

カラスウリ属カラスウリの花(10月の下赤阪の棚田)
ところがモウソウチクは中国原産。
日本に広まったと言われるのは江戸時代中期以降。
七十二候の日本風の変更が行われたよりも後のこと。

「竹笋生」のタケノコその2(錦織公園のモウソウチク)
こんなタケノコもあります。食べるのには向きませんが。
モウソウチク以外の食用タケノコの一つにマダケがあります。
こちらの旬は5月から6月。
七十二候と合います。
「竹笋生」の竹がマダケなのかどうかはわかりませんが、とりあえずマダケとすれば辻褄も合う七十二候になります。

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