【 博物館・植物園・催事 等のはなし】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
紅葉・黄葉・褐葉
果物・実
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について


〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

大阪湾は「魚庭」だった! きしわだ自然資料館「となりの大阪湾」


 2013年は大阪湾の環境再生を目指す大阪湾再生行動計画が10年目を迎え、「大阪湾Years」がおこなわれています。

 その連携企画として大阪湾に面した地域の博物館などの施設が大阪湾をテーマとした企画展示を行っています。

 4月1日に大阪南港野鳥園で始まった企画展は、阪神間の博物館や水族館等で続々と開催されています。

 その一つがこのブログでも紹介した大阪市立自然史博物館の「いきもの いっぱい 大阪湾」

 そして一番最後となるのが、きしわだ自然資料館の「となりの大阪湾」です。



外壁工事中のきしわだ自然資料館
外壁工事中のきしわだ自然資料館




 きしわだ自然資料館は、名前にあるように自然や環境を広く扱う自然史系の博物館。

 大阪には大阪市立自然史博物館がありますが、ぐっとコンパクトにしたような感じです。

チリメンモンスターをさがせ!

新品価格
¥1,680から
(2014/2/12 21:52時点)

 友の会などの活動が盛んなところで、ちりめんじゃこの中に紛れている海の生き物「チリメンモンスター」、略して「チリモン」発祥の博物館として有名です。



 決して広くはない展示室ですが、ぎゅっとつめ込まれた展示は、じっくり見ると結構時間がかかる濃い内容になっています。

 展示の中心は生き物の標本と、生体(生きている状態)の展示。

 普通、博物館で目にする標本というと液体と一緒にビンに入った液浸標本(えきしんひょうほん)。
 内臓など体の部分が残るので後々の研究にも使うこともできる点がすぐれています。

 しかし博物館に訪れる多くの専門家でない人にとっては、色あせた標本はいくら実物だといっても、野山や海などで生きている姿を見てすぐわかるでしょうか。



ちょっとがっかりしてしまう液浸標本「クルマエビ」
ちょっとがっかりしてしまう液浸標本「クルマエビ」




 そこで、新しい「プラスティネーション」という保存法を施した標本も展示されています。

 プラスティネーションというのは、動物の体に含まれる血液などの液体を合成樹脂(プラスチック)に置き換えること。

 色も形も生きていた時の様子を残すことができ、もちろん腐ることもないので、博物館などの展示に適しています。

 生物の体に含まれる水分などを合成樹脂に置き換える方法は、1978年に大阪藤井寺市で見つかった古代の木製大型そり「修羅(しゅら)」の保存などのように、植物に使われることもあります。

修羅が展示されている 近つ飛鳥博物館




プラスティネーション標本のいろいろ


リアルな「マダコ」
リアルな「マダコ」

魚用には質感で課題がありそうな「マルアジ」
魚用には質感で課題がありそうな「マルアジ」

模様が消えてしまって甲殻類にはまだまだ課題がありそうな「クルマエビ」
模様が消えてしまって甲殻類にはまだまだ課題がありそうな「クルマエビ」

プラスティネーションではありませんが樹脂でパックしたチリモン
プラスティネーションではありませんが樹脂でパックしたチリモン
チリモンが取れる地域によって種類が変わり、それが見た目の色のちがいにもなっているのがおもしろい!


チリモン図鑑カード100 ([教育用品])

新品価格
¥1,260から
(2014/2/12 21:52時点)

 さすがに生きている時と同じ、鮮魚売り場で見るのと同じ、というわけにはいきませんが、液浸標本とは比べ物にならないほどのリアルな魚介類が並んでいます。

 それも聞いたことがある、食べたことがあるような魚も多く、大阪湾が豊かな海だったことがわかります。

 深海底が大きく入り込んでいるため生き物の種類が豊富な東京湾に対して50メートルあるかないかの浅い海底が広がる大阪湾ですが、けっして生き物の種類が少ないわけではないことがわかります。

 しかし、残念なことにここで紹介されている生き物たちが今もたくさん大阪湾に住んでいる、というわけではないようです。

 数が減ってきている絶滅危惧種もあれば、在来種から餌や住むところを奪っている外来種もいます。



大阪湾水槽で展示されている大阪湾の生きているもの


貝殻でフタをしている「マダコ」
貝殻でフタをしている「マダコ」

エントランスのマダコはたこつぼから出てきました
エントランスのマダコはたこつぼから出てきました

エビのようでエビでないシャコ
エビのようでエビでないシャコ

背びれに毒があるハオコゼ
背びれに毒があるハオコゼ




 大阪の別の呼び名の一つに「なにわ」があります。

 由来にはいろいろな説がありますがその一つに「魚がたくさんいる海」というような意味の「魚庭」があります。

 多くの場合「浪速」「難波」など海の潮の流れが速いことや船の航行が難しいことの意味が強調され、あまり目にすることはありませんが。

 ともあれ、きしわだ自然資料館をはじめ「大阪湾Years」の展示を見て思うのは、やっぱり「なにわ」は「魚庭」が一番。



天上にいたカニのゾエア(子供)と思われる模型
天上にいたカニのゾエア(子供)と思われる模型
実物はチリモンになるくらいの小さいプランクトンです。




 ただ太平洋とは紀淡海峡(きたんかいきょう)、瀬戸内海とは明石海峡(あかしかいきょう)という二つの狭い出入口しか持たず、淀川という人口密集地を通る河川が流れ込んでいる大阪湾は、汚れやすくきれいになりにくいつくりになっています。

 大阪湾が誰が見ても「魚庭」と納得できるよう、一人ひとりが考え、できることをしていかなければならい。

 展示されている標本たちは、そう訴えているようにも感じます。



 きしわだ自然資料館の「となりの大阪湾」は2014年3月2日まで開催中です。



◆タグ 大阪湾の生き物 大阪湾 いきもの いっぱい 大阪湾 ◆

■参考外部リンク■
きしわだ自然資料館 - 大阪府岸和田市公式ウェブサイト:祭都きしわだ
大阪湾Years2012-2013大阪湾再生推進協議会


関連記事
スポンサーサイト



››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 大阪湾の生き物大阪湾きしわだ自然資料館プラスティネーションクルマエビマダコチリモンシャコハオコゼゾエア

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

comment

管理者にだけメッセージを送る

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
05 | 2021/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
bk1
リンク
BLOG & NEWS | 動物プロダクション SCIENCE FACTORY ltd.
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる