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「自然」とは 身近だけど むずかしい言葉 その1「しぜん」と「じねん」


「しぜん」

 「自然」。

 大切にしなければならないもの。
 守らなければならないもの。

 地球史上最大の絶滅に匹敵する勢いで生物が絶滅していっていると言われているなかで、頻繁に耳にする言葉の一つでしょう。

 たとえば「自然保護」という言葉のように。

 ところが意外と「自然ってなに?」という具体的なことは意識していなかったりします。

 実際、人によって「自然」の範囲は様々なようです。



「じねん」

 「自然」という言葉は平安時代の「源氏物語」にも使われているほど古くからある言葉です。

 ただし読みは「じねん」となり、「あるがままの様子」という意味になります。
 今でも人に対して「自然な様子」という時の「自然」と同じでしょう。

 また「人の手が加わっていないこと」という今と同じような意味もあります。

 その後、室町時代頃には「しぜん」とも呼ぶようになり、「そのものの本質」という意味も持つようになります。



特別天然記念物の奈良の春日山原始林
特別天然記念物の奈良の春日山原始林
「原始林」といえども歴史の古い都市に隣接しているので人の手が入っています。
ということで世界遺産は「自然遺産」ではなく「文化遺産」。
日本人の感覚ではちょっと違和感を感じるかもしれません。




和製漢語

 「自然保護」などに使われる「しぜん」という言葉は、幕末から明治にかけて欧米から莫大な量の日本に無い考えを「輸入」したときの言葉の一つと言われています。

 今では外来語は音(おん)やスペルをカタカナに直した言葉が使われますが、当時は漢字に置き換えて和製漢語(わせいかんご)としていました。

 中国語の古典にあるよく似た意味の言葉を使ったり、漢語(中国語風日本語)の造語方法で新しく単語を作っていました。

 その数は膨大で、「文化」「社会」「科学」など普通に使われている言葉も多くあります。

 それどころか、中国に「逆輸出」されていたりします。



「nature」

 そのように欧米の考えを日本語に取り入れる中で誕生したのが「自然(しぜん)」。

 英語の「nature」などの訳語といわれています。

 意味は「ありのままの状態」など「じねん」とよく似ていて、「人の手が加わっていない」という意味もあります。
 そして「神」という意味も持つこともあるのが、「じねん」と大きくちがうところ。

 神の意味も持つことで、「じねん」よりも人間と人間以外を強く分けるように感じます。

 簡単に無理やりまとめるとこうなるでしょうか。

 人間と人間以外も一緒にまとめてしまうのが「じねん」。

 人間以外だけをまとめるのが「しぜん」。



人がつくった「自然」の下赤阪の棚田の6月の様子
人がつくった「自然」の下赤阪の棚田の6月の様子
人間が山を切り開いてつくったものが棚田。
人間が手を加えたという意味では「しぜん」ではありませんが、様々な生き物や気候の力を借りてはじめて実りが得られます。




自然と自然(しぜん と じねん)

 「自然」を考えるときに気をつけないといけないのが「しぜん」と「じねん」のちがいかもしれません。

 言葉の由来を考えると、「しぜん(nature)」という時は「人間の手が加わっていないものや環境」と考えるほうが合うでしょう。

 しかし普通、日本人は「人間の手が加わっていない」という部分は強く意識していないように感じます。
 つまり、「じねん」の意味に近いイメージで使っているようです。

 人間が作ったものであっても、たとえば里山のように緑がいっぱいあり生き物の多いところを「しぜん」といってもあまり違和感は感じないでしょう。



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「じねん」を意識して「しぜん」を考える

 このブログでは「自然」の意味は「人間の手が加わっていないものや環境」という意味で使うことを基本としたいと思います。

 ただこれは、原生林や人跡未踏の地のような人間の手が一度も加わったことがない場所のことだけではありません。

 たとえば耕作放棄地のように人間が管理をやめてしまって変化するままになっているところや、里山のように人間が管理していても直接管理されていない様々な生き物がいるような状況も「自然」です。

 つまり日本的な、人間を特別なものとしない「じねん」の意味も十分意識していきたいとも思います。



忘れてはならない「自然」

 人間も地球に生まれた命の一つ。

 人間も自然の一部として考えたほうが、いや考えるべきだと思うからです。

 田んぼも里山も人間がつくったという意味では人工の環境ですが、人間の力だけで成り立たない、目に見えない小さな生き物から地球全体の水や空気の動きがあってこそ成り立つ場所。
 そして人間の管理を直接受けないさまざまな生き物たちが集まってくる場所です。

 しかしそういった「じねん」の環境は、長い間続いてきた「しぜん」の環境を人間が作り変えたものだということは、忘れてはならないと思います、。



◆タグ 春日山原始林 下赤阪の棚田 ビオトープ ◆

■参考外部リンク■
奈良公園へようこそ - 奈良公園ガイド::春日山原始林(かすがやまげんしりん)
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


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タグ: 自然  春日原始林  下赤阪の棚田  ビオトープ 

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新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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