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錦織公園で大阪の里山の樹木を考えてみました。[樹木編]


 錦織公園(にしこおりこうえん)は大阪の河内地方の丘陵地帯に残された里山を利用した府営の公園です。

 里山というのは、人間がつくりだした林のビオトープ
 自然の姿ではありません。

 「人間がつくりだした林」。
 気になります。

 そこで錦織公園の中でも河内地方の農家と里山をイメージした「河内の里」にある標高差10mもないような小さな丘のビオトープ、その中を通る山辺の道沿いに生えている樹木を調べてみました。




豆畑と河内の里の里山




 方法は、簡単でちょっといいかげん。

 出入口は2つ。
 「山頂」を通った1本道の山辺の道を歩きながら、遊歩道に近い木、手が届きそうな木の種類をチェックしていきます。

 また目立つ大きな木が生えている場合は少し離れていてもカウントしました。
 もちろん、その手前に木がない場合に限りますが。



 ちょっと耳慣れない単語が出てくるかもしれませんが、その説明はこの記事に。
【錦織公園で大阪の里山の樹木を考えてみました。[キーワード編]】



錦織公園河内の里の里山の樹木(IWO勝手調べ)

常緑樹 落葉樹
高木(5m以上) 低木(3m以下) 高木 低木
頂上 クスノキ 1

クサギ 1

ヒサカキ 1

コナラ 2

ヤマモモ 1

イヌブナ 1

途中上 クロガネモチ 3 イヌツゲ 1 コナラ 4

ヒサカキ 2

ネジキ 4

アカマツ 1

クサギ 1

ネズ 1





途中下

イヌツゲ 1 コナラ 8





ヤマザクラ 7

出入口 ヤブツバキ 1 イヌツゲ 3 コナラ 1

アカマツ 2 ホンシャクナゲ 1 ヤマザクラ 1


陽樹 半陰樹 陰樹

「陽樹」「半陰樹」「陰樹」の判別は下記のサイトを参考にさせていただきました。
雑木林の遊歩道~小さき者へ~
A Small Garden
「陽樹」「陰樹」の判別はまだ確定されていないようですので、資料によって変わります。

※これは「いきもの は おもしろい!」が勝手に調べたもので、錦織公園や関連機関等とは関係ありません。



 このように圧倒的にコナラが多いのは里山の証拠。

 樹高5mを超える高木ばかりになっていますが、林間を覆うほど茂っているのはコナラとヤマザクラくらい。
 ほかの陽樹は細く隙間に割り込んでいるようで、半陰樹や陰樹は低木状態のまま隙間があくのを虎視眈々と狙っているようでした。



植物の紹介

15本
コナラ(小楢)
被子植物門 双子葉植物綱 ブナ目 ブナ科 コナラ属
落葉高木
陽樹
別名:ホウソ

関東以西の里山ではクヌギと並んでポピュラーな樹木。
当然錦織公園でもいたるところに生えています。

クヌギ同様シイタケの榾木(ほだぎ)や木炭の原料、また薪にも使われていましたので、とても大切な樹木でした。

近くの金剛山や葛城山でもポピュラーな樹木のひとつです。
山ではミズナラやブナと一緒に生えていますが、標高の低いところに生えるのはコナラだけです。

ミズナラと同じようにコナラも陰樹とする資料もありましたが、今回は陽樹として扱いました。

錦織公園ではクヌギも少なくないのですが、ここではみかけませんでした。




8本
ヤマザクラ(山桜)
被子植物門 双子葉植物綱 バラ目 バラ科 サクラ属
落葉高木
陽樹

日本に自生する桜の一つ。
江戸後期にソメイヨシノが作られる前には「桜」といえはこのヤマザクラだったと考えられています。
錦織公園では里山部分の至る所に生えています。
この河内の里の山辺の道でもあちこちに生えていました。




5本
イヌツゲ(犬黄楊)
被子植物門 双子葉植物綱 ニシキギ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑低木~高木
陰樹

名前に「ツゲ」とありますが、ツゲはトウダイグサ目。
目(もく)からちがいますのでまったくちがう植物です。
ツゲに似ていてもツゲのように使えないから「“イヌ”ツゲ」なのでしょう。
低木が基本ですが、時折高く育つものもあります。




4本
ネジキ(捩木)
被子植物門 双子葉植物綱 ツツジ目 ツツジ科 ネジキ属
落葉小高木
陽樹

樹皮がねじれているように斜めに筋が入っているのが名前の由来。
ツツジ科らしく花は小さな壺状のものがたくさん並んでつきます。

山の木々の切れ目の日のあたりのいいところによく生えています。
ツツジ科らしく酸性土壌にも強いことが特徴です。




3本
アカマツ(赤松)
裸子植物門 マツ綱 マツ目 マツ科 マツ属
常緑高木
陽樹
別名:メマツ(雌松)

樹皮が赤味がかっているいことが名前の由来。
明るく乾燥して痩せた土地を好みますので、木の伐採が繰り返されて土地が乾燥して痩せてくるとアカマツが目立つようになります。
その後松葉が積もって肥沃になると広葉樹も育つようになり、アカマツは競争に負けて減っていきます。
里山でアカマツが多いというのは、激しく伐採された名残で、アカマツが少ないとあまり激しく伐採されていないことになります。

アカマツはマツタケが採れるので有名ですが、それは土が肥沃になり過ぎないように手入れをすることでアカマツ林が維持されているわけで、手入れをされないと次第に広葉樹林に変わっていき、マツタケも採れなくなってしまいます。


クロガネモチ(黒鉄黐)
被子植物門 双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
半陰樹

温かいところを好む樹木。
火災を防ぐために家の周りに植えられることもありました。
街路や公園に植えられることもあり、身近な樹木の一つです。


ヒサカキ(姫榊)
被子植物門 双子葉植物綱 ツバキ目 ツバキ科 ヒサカキ属
常緑小高木
半陰樹

山地に自生しますが、垣根などに使われることもあります。
神社の神事などに使われるサカキの仲間で、サカキよりも小さいことから「姫榊」が訛(なま)ってヒサカキになった、という説もあります。
乾燥に強く、里山から照葉樹の極相林まで幅広く生えます。




2本
クサギ(臭木)
被子植物門  双子葉植物綱 シソ目 シソ科 クサギ属
落葉小高木
陽樹

名前の由来は葉がくさい臭がするかららしいので、確認しなければ。

他の木が生えていないところにも生えるパイオニア植物の一つ。
ということは、この辺りは結構大きなコナラが生えている場所ですから、このクサギは消えていく運命なのかもしれません。




1本
ネズ(杜松)
裸子植物門 マツ綱 マツ目 ヒノキ科 ビャクシン属
常緑高木
陽樹

名前の由来は葉が固くネズミも避けて通ると言われることから。
針葉樹らしく痩せた乾燥地に生えます。
日当たりのいいところを好む陽樹ですが、コナラに負けているようです。

錦織公園の表示では「ネズミサシ」になっています。


クスノキ(樟,楠)
被子植物門 双子葉植物綱 クスノキ目 クスノキ科 ニッケイ属
常緑高木
半陰樹

関東以西では街路樹や神社など人の生活の範囲ではよく目にしますが、山の中ではみかけません。
そのため史前帰化植物ではと言われます。
虫よけになる樟脳の成分が含まれ、材木にも防虫作用があるということで、色々利用されていたようです。

クスノキがあるのは里山の証になるかもしれません。


ヤマモモ(山桃)
被子植物門 双子葉植物綱 ヤマモモ目 ヤマモモ科 ヤマモモ属
常緑高木
半陰樹

名前に「桃」がつきますが、モモはバラ目バラ科モモ属。

乾燥にはあまり強くありませんが、窒素固定菌と共生しているため栄養のすくいないところでも育ちます。
そのため里山はもちろん街路樹や庭木によく使われ、身近な樹木の一つです。

錦織公園でもあちこちで見かけます。


イヌブナ(犬※ぶな)?
被子植物門 双子葉植物綱 ブナ目 ブナ科 ブナ属
落葉高木
陰樹

ブナとよく似ていますが、ブナよりも低いところから生えます。
大阪では金剛山などの山の中腹くらいから生えますが、どうしてこのような低いところに生えているのかよくわかりません。
間違っている可能性のほうが高そうです。

※「ぶな」の漢字は手偏に「無」


ヤブツバキ(藪椿)
被子植物  双子葉類 ツツジ目 ツバキ科 ツバキ属
常緑高木
陰樹

いろいろ品種改良されているツバキですが、その元になった野生種のツバキがヤブツバキです。
照葉樹林を代表する樹木の一つです。


ホンシャクナゲ (本石楠花)
被子植物門 双子葉植物綱 ツツジ目 ツツジ科 ツツジ属
常緑低木
半陰樹


ツクシシャクナゲの一種で、外国に日本のシャクナゲとして最初に紹介されたので「ホンシャックナゲ」と呼ばれます。
日本は多くの種類のシャクナゲが自生していますが、ホンシャクナゲは中部地方以西の本州と四国の山地に自生します。

これは自生していたものか植えられたものかはわかりません。



 ちょっと耳慣れない単語が出てきたかもしれませんが、その説明はこの記事に。
【錦織公園で大阪の里山の樹木を考えてみました。[キーワード編]】



◆タグ 里山 錦織公園 ◆

■参考外部リンク■
大阪府営 錦織公園


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theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

comment

管理者にだけメッセージを送る

おいしいとはいいますが……

** チューリップ さん へ **
ヤマモモの実は食べられます。
道の駅なんかではジャムにして売ってたりします。

ただ、街路樹や公園の場合は消毒の農薬や排気ガスなどのホコリとかをかぶっていたりするかもしれませんので、おすすめはしません。
それに、必ずしも美味しいものばかりではないようです。

何度そう思って食べるのをやめたことか……

No title

 近所の街路樹に山桃が使われています.実もなるのが楽しいです.食べられますか?
二十四節気・七十二候
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都会の植え込みから自然あふれる山まで。
新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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