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海遊館の巨大生物 高脚蟹


 今では当たり前になってしまった水族館のアクリル大水槽。

 その始まりが、大阪の天保山(てんぽうざん)の海遊館。

 水槽の大きさでこそ一番ではなくなりましたが、360°上から下から真ん中から眺めることができる回遊式のデザインは、最新の大型水槽に負けない魅力があります。



この記事にはカニのアップの画像があります。





お食事中の海遊館の大水槽のジンベイザメ
お食事中の海遊館の大水槽のジンベイザメ



 海遊館といえば、大水槽で泳ぐ魚類最大のジンベイザメが有名ですが、そのとなりの日本海のコーナーにも最大の生き物がいます。

 タカアシガニ。

 冬の味覚として有名なズワイガニと同じ日本近海の深海に住む甲殻類(こうかくるい)のカニです。

 ただ日本海と茨城県より北の太平洋に住むズワイガニに対して、タカアシガニは岩手県から南の太平洋ですので、生息域はほとんどかぶりません。



 脚がやたらと長く、広げると3mを超えるものもいます。

 これは今いる甲殻類、そして節足動物(せっそくどうぶつ)で最大の大きさ。

 もちろん胴体も大きく、甲羅の幅が30cm、長さが40cmもあります。

 体だけでも比べらられるのはダイオウグソクムシくらいという巨大節足動物です。



ナガアシガニのほうがよく似合うかも?海遊館のタカアシガニ
ナガアシガニのほうがよく似合うかも?海遊館のタカアシガニ




 カニを含む節足動物には、巨大化するためにはいくつかのハードルがあります。

 そのひとつは節足動物の特徴である外骨格(がいこっかく)。
 人間のように内部の骨で体を支えるのではなく、硬い殻で体を覆って支える仕組みです。

 体が2倍の長さになると縦横の広さは4倍、重さは8倍になります。
 ということは、体を支える部分も8倍の大きさが必要になります。

 つまり単純に言えば体が倍の大きさになると外骨格は8倍の厚さが必要になり、筋肉や内蔵などが入るスペースが無くなってしまいます。

 水中では、体重を支える外骨格は陸上ほど厚くしなくてもいいのですが、それでも大きさには限りがあります。

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 そしてもう一つが呼吸。

 人間は横隔膜(おうかくまく)を使って強制的に肺の空気を入れ替え、心臓というポンプで体中に張り巡らせた血管をつかって酸素を送り出します。

 ところが節足動物には強力な心臓も、体中に張り巡らせた血管もありません。

 「開放血管系」と言って、体の真ん中にだけある血管から送り出された血液が、そのまま体中を流れるのです。

 ムカデやヤスリなどの多足類や昆虫は、気管という管を使って体の中に直接空気を取り入れるのですが、強制的に空気を入れ替える機能が未熟で、体が大きくなりすぎると空気が行き渡らなくなってしまいます。

 そのため人間より大きい昆虫や多足類がいたのは、今よりもはるかに酸素が多かった時代に限られます。



海遊館のタカアシガニの体のアップ
海遊館のタカアシガニの体のアップ




 エラに向かって水の流れをつくり水中の酸素を取り込んでいる甲殻類も血管がほとんどない開放血管系ですから、体の隅々にまで血液を流しにくいはずです。

 さらに海水中に含まれる酸素の量は空気中よりも少ないので、たくさんの酸素が必要になる大きな体になるのはたいへんです。

 そのため大きさが3mと言われるタカアシガニも、内蔵など重要な部分は40cm四方くらいの部分にまとめています。

 同じ甲殻類のダイオウグソクムシくらいの大きさです。



 とはいえ内蔵が入っていなくても脚も必要なもの。

 一体1mを超える長い脚にどのように血液を流しているのか、不思議です。

 身には水分が多いそうなので、とにかく血液を多くして無理やり流れをつくってしまうしまう作戦なのかもしれません。

 または脚を動かすときに何か血液が入れ替わるようなシステムがひっそりとあるのかも。



 恐竜もそうですが、大きすぎる生き物はいろいろと工夫された体をしています。

 きっとタカアシガニにもなにかあるにちがいありません。

 ダイオウグソクムシほど珍しくはありませんが、今いる最大の節足動物のタカアシガニにはダイオウグソクムシも驚くような珍しい仕組みを持っているかもしれません。



◆タグ タカアシガニ 節足動物 ダイオウグソクムシ 海遊館 ◆

■参考外部リンク■
世界最大級の水族館 海遊館


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タグ: タカアシガニ  海遊館  水族館  カニ  節足動物  甲殻類 

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