【 恐竜と化石爬虫類のはなし】

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毛があるの、毛が無いの、どっちがいい?京セラドーム大阪の「世界大恐竜展」とATCホールの「大恐竜帝国2013」


 まったく同じ時期に二つの恐竜展。

  京セラドーム大阪の「世界大恐竜展」とATCホールの「大恐竜帝国2013」。

 どちらも入場料が1000円を超え、交通費や食事を考えると親子で両方に行くというのは、ちょっとたいへん。

 そこでどちらにしようか悩んでいる人も少なくないようです。




京セラドーム大阪の「世界大恐竜展」

ATCホールの「大恐竜帝国2013」



 立地や周辺の店舗などいろいろなちがいはあるものの、IWO(いきもの は おもしろい!)的視点では、これ。



 毛があるか毛がないか



 恐竜は爬虫類(はちゅうるい)の一種で鱗(うろこ)に覆われているから毛がなくて当然!

 というのは昔の話。

 今は羽毛が生えていた跡や、毛そのものの化石が残っているものが見つかって、毛が生えていた恐竜がいたことは当然のことになっています。

 そもそも恐竜から進化した鳥がみんな毛を持っているのですから、恐竜に毛があるのは不思議なことではありません。



オビラプトルの仲間


「世界大恐竜展」のカウディプテリクス


「大恐竜帝国2013」のシチパチ


オビラプトルの仲間はどちらも毛がある復元。
シチパチは「大恐竜帝国2013」唯一の羽毛復元恐竜になります。



 ということで、毛がある恐竜がたくさんいるのが京セラドーム大阪の「世界大恐竜展」

 毛が無い恐竜ばかりなのがATCホールの「大恐竜帝国2013」



 ということは、毛が無い「大恐竜帝国2013」は古い考え?

 というわけではありません。

 「大恐竜帝国2013」で展示されているのはまだ毛の跡が見つかっていない恐竜ばかり。

 逆に「世界大恐竜展」は毛の跡が見つかっていない恐竜にも毛があったりします。



ドロマエオサウルスの仲間


「世界大恐竜展」のミクロラプトル


「大恐竜帝国2013」のディノニクス


ドロマエオサウルスの仲間は“毛がある”と“毛が無い”にわかれました。
まったくちがう種類の恐竜に見えます。



 「ある」ことを証明するのはできますが、「ない」ことを証明するのはとてもむずかしいことです。

 毛の跡が見つかった恐竜に毛があるのははっきりしますが、毛の跡が見つかっていない恐竜に毛が無いかというと、それはわかりません。

 毛は跡が残りにくいので見つかっていないだけかもしれません。



竜脚類ブラキオサウルス


「世界大恐竜展」では化石の頭部

「大恐竜帝国2013」ではロボット

頭部化石だけとロボットとまったくちがう展示になっています。
「世界大恐竜展」ではディプロドクスの全身骨格と、パラリティタンの頭と首の生態モデルがあります。
「大恐竜帝国2013」ではカマラサウルスやアマルガサウルスのロボットがあります。


 そもそも毛だけでなく、鱗(うろこ)だってすべての恐竜の化石で見つかっているわけではありません。

 今いる生き物との進化のつながりで言えば、特にティラノサウルスなどの獣脚類の恐竜に一番近いのは毛のある鳥。

 毛の無い鱗のワニよりもずっと近いのです。

 恐竜に鱗があったというのは、毛があったというのと変わらないことかもしれません。



アロサウルス骨格


「世界大恐竜展」のアロサウルス


「大恐竜帝国2013」アロサウルス・フラギリス


「大恐竜帝国2013」では全方向から見れますが、人が多い時に写真を写すと常に人が入ることになります。


 ということで、「毛がある」「毛が無い」のどちらが本当の恐竜に近いかということは、簡単に言えません。

 最後は見に行く人の好みになってしまうでしょう。

 ただ、毛の無い恐竜よりも毛がある恐竜のほうが斬新で、見ているとどんどん想像がふくらむような気がします。

 反面、今までの恐竜を見慣れた人は違和感を感じるかもしれません。



やっぱり最後はティラノサウルス


「世界大恐竜展」の大人になってない
ふさふさティラノサウルス

「大恐竜帝国2013」の大人の
つるつる?ざらざら?
ティラノサウルス

ティラノサウルスが羽毛を持っていた証拠は見つかっていないようですが、近い種類の恐竜には見つかっているので羽毛を持っていたとする考えもあります。
ただおとなになって大きくなると、羽毛で保温する必要がなくなるのでなくなったという考えもあります。
とすると、どちらの復元もお互い矛盾しないことになります。
面白いですね。


 ここで展示以外の状況も含めてIWO的視点で比べてみましょう。



  京セラドーム大阪の
「世界大恐竜展」
ATCホールの
「大恐竜帝国2013」
IWO的
一言コピー
毛がある! 毛が無い!
みどころ 大阪初公開の亜成体ティラノサウルスのジェーンの骨格とジェーンをモデルにした動くロボット(毛がある)
IWO的には入口前にある17mのスピノサウルス骨格モデル
日本初上陸の13mの動くティラノサウルス(毛が無い)を含む、18頭の動く恐竜ロボット
売店 小さくて商品も少ないけどその分選びやすい
きれい
広くて商品も多いけどなにがあるのかわかりにくくて見にくい
展示場の外(会場内)には小さな売店やザリガニ釣りや昆虫販売など子供が喜びそうなお店あり
飲食販売 会場内には無し 展示場の外(会場内)に飲食コーナー
そのほか となりで別料金のトリックアート展開催中 会場内にふわふわ遊具
会場付近の
飲食店
ドーム2階に多数の飲食店あり
向かいにはイオンモールあり
ATC・WTCに多数の飲食店あり
アクセス 梅田(大阪)から乗換無し(JR「大正」徒歩7分)
難波から乗換1回(地下鉄「ドーム前千代崎」徒歩すぐ)
梅田から乗換2回(地下鉄「トレードセンター前」徒歩5分)
難波から乗換2回(地下鉄「トレードセンター前」徒歩5分)
総合して
みると
化石などの展示数が多く種類の幅も広いので恐竜好きにはいいかも 遊具やいろいろな企画など小さな子供が喜びそうなものがたくさん



 これはあくまでIWOの独自な判断。

 実際に行った人のブログなども参考にしてください。



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タグ: 世界大恐竜展大恐竜帝国2013大恐竜帝国恐竜ティラノサウルスカウディプテリクスシチパチミクロラプトルディノニクスブラキオサウルス

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