ひなは勉強して大人になるのです『とりぱん』第14巻
ちょっと遅れましたが『とりぱん』も第14巻が発売です。
マンガ雑誌「モーニング」に掲載されていつのまにか8年。
それだけ長く続いたのも、「きれい!」「かわいい!」と人間の好みを勝手に動物に投影したペットマンガではなく、あえて自然の状態の鳥達の姿を人間のような意思を持つように描いた、ファーブル的視点でシートン的描写のマンガだからだと思います。
もちろん、「きれい」「かわいい」もありますが、その陰に自然の厳しさ(カッコ悪さ)もあります。
登場鳥も多い14巻は、「ひな話」が目立ちました。
すずめひな、かるがもひな(カルガモヒナーズ)、からすひな(ハシボソガラス?)、こむくひな(寸づまリーズ)、ひよひな、きじひな。
「ひな話」はとりぱんの定番ネタですが、今回は結構いろいろ鳥のひな話を見ることができました。

第351羽などに登場のすずめひな(左)とすずめおや(右)
動物は本能で生きていて、人間とちがって生まれた時から何をするのかわかっているように思う人も少なくないかもしれません。
確かに昆虫などはそうですが、哺乳類は生きて行くために必要な技術は教わらなければなりません。
ラッコだってアザラシだってはじめは泳ぐこともできません。
鳥も同じように親から教わることがいくつもあることがわかります。
「とりぱん」の特徴は、タイトルとちがって鳥だけにこだわらず、自然の生き物や様子も描くこと。
特に虫話は、定番になっています。
中には自然が大嫌なようで虫話に拒絶反応を示す人もいますが、著者の日常で出会う生き物を描いているのですから、虫だって差別はしません。
が、14巻ではとうとう登場しました!
第358羽のヤマナメクジ!!
このブログでも取り上げていないと言うのに、先を越されてしまいました。
ヤマナメクジは主に山に住むナメクジで、その大きさは10センチ以上。
著者のなん子さんが出会ったのは18センチ級!
単行本では7割ほど縮小されていますが、それでも迫力十分。
これだけの大物はめったに出会えないでしょう。
![]() 第370羽に登場のシジュウカラ
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![]() と似ているヒガラ
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さて、毎巻選んでいる14巻の鳥です。
14巻も魅力的な鳥がいっぱい。
日本の国鳥のキジも夫婦親子で出番いっぱい。
そんな中で14巻の鳥に選んだのは。
市内某公園のカワセミ。
カワセミというと、青く輝く構造色の体から「清流の宝石」とも呼ばれる人気のある鳥です。

第360羽などに登場のカワセミ
カワセミがいるとなれば望遠鏡カメラおやじが集まってくるのはお約束。
しかし流れの強くない水場なら選ばないのがカワセミ。
「けっこう人出はあるのに 誰も気がつかないの!?」
「とにかくいろんなことに気づかない」
とあるように、近所の小さい川や公園の池が人知れずカワセミ川や池だったりします。
そういうカワセミに気づくことができるかどうかも、「とりぱん流」自然観察の極意なのかもしれません。

第376羽登場のみそちー(ミソサザイ)
「とりぱん」はまだまだ続きます。
15巻は2013年秋発売予定。
今度はどんな鳥が活躍するのか? 待ち遠しい!

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