雑草だって立派な蘭のネジバナは右巻きと左巻きのどっちが普通?
美しく、人気がある花。蘭(らん)。
19世紀には世界中の野生蘭が集められ、さかんに品種改良が行われていました。
現在でも野生の蘭の盗採は行われ、環境の変化もあり絶滅に瀕しているところもあると聞きます。
しかしそんな中で、盗採者に見向きもされないような蘭があります。
それがネジバナ。

雑草に混じってしまうネジバナの花
蘭としては珍しく芝生などの草地にはえます。
つまり、野山に生える野草ではなく、人の生活圏に生える雑草です。
花軸(かじく)に花がいくつも螺旋状(らせんじょう)に並ぶ姿が名前の由来でといわれています。
螺旋というと、避けて通れないのが右巻、左巻の問題。
螺旋ですから必ず巻く方向があります。
それがどちらかというのは、気になります。
ネジバナ(捩花)被子植物門 単子葉植物綱 ラン目 ラン科 ネジバナ属多年草 葉序:互生 花序:穂状花序 生育環境:日当たりの良い野原,芝生地, 日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄, 別名:モジズリ(綟摺), |
![]() |
|
その前に、この「右巻」と「左巻」はちょっとややこしいところがあります。
右から巻くのが右巻か、右へ巻いていくのが右巻か……
考えれば考える程ややこしくなってしまいます?
「S巻」「Z巻」という言葉もありますが、これもちょっと見た目とちがっていてわかりにくい。
ということでIWO(いきもの は おもしろい!)では「ミ巻(みまき)」「彡巻(さんまき)」を採用しています。
巻いていく方向を上にして横から見た時「ミ」に見えるか「彡(さん)」に見えるかで区別します。
「ミ巻」は「S巻」、「彡巻」は「Z巻」に相当します。

近づいてみると蘭の仲間とわかるネジバナの花
さっそく近くの住宅街の公園にあるネジバナスポットへ行ってネジバナの「ミ巻」「彡巻」を調べてみました。
このネジバナスポットは公園の端にあるおよそ12m四方くらいの芝生のスペース。
中央よりにネジバナは集まっていますが、周囲にも少し散っています。
ネジバナは地面からでる茎は1本。その先に穂状花序〈すいじょうかじょ)の花軸がひとつ。
ということで、これがのそのままネジバナの本数になります。
そして結果。
巻き方 | ミ巻(S巻) | 彡巻(Z巻) |
---|---|---|
画像 |
![]() |
![]() |
本数 | 8本 | 7本 |
ネジバナの巻き方向は「ミ巻」「彡巻」ほぼ1対1。
この15本のネジバナは遺伝的にどれだけ近いのかわかりませんが、1対1になるのですから、遺伝的に巻く方向が決まってしまうのではないのかもしれません。
ただいろいろ見ていると、なんとなくミ巻は巻きも詰まっていていかにも「普通に巻いてます」という感じに見えます。
しかし彡巻は巻きの間隔が開いているのが多く、まるで「がんばって巻いてみました」ようです。
ということは、出現割合は1対1でも、ネジバナの基本はミ巻なのでしょうか?

- 関連記事
-
- 花の文化園に危険物?「鉄砲」と「爆弾」……………………の瓜 (2013/07/12)
- 雑草だって立派な蘭のネジバナは右巻きと左巻きのどっちが普通? (2013/07/08)
- 二上山の凝灰岩地帯の初夏の花 (2013/07/07)
スポンサーサイト
