《ビオトープとは? その3》川の水はいつもそこにあるように見えて、流れ続けて入れ替わっています。
ビオトープをIWO(いきもの は おもしろい!)では、「生き物が生きていく上で直接関係していくひとまとまりの環境」としました。
でも、実際はそんな小さな空間だけでは生き物は生きていけないのです。
わかりやすいのは川。
川の水は流れ続けています。
つまり、常に他の場所から来て他の場所へ去っていきます。
食べ物が流れてきて、排泄物が流れていくのです。
ということは、川というのは水を送り出すところと受け取るところがあってはじめ手成り立つ環境。
川のビオトープは、上流と下流と密接につながって成り立っているのです。

比叡山山上から見た都市の中のビオトープの淀川
例えば都市の中の公園のビオトープ。
そこに鳥がやってきて糞をして、他の場所で食べた植物の種が芽を出すかもしれません。
冬になると渡り鳥のツグミがやってきて住みつくかもしれませんが、ずっとそこで生活することはありません。
春には北の方へ行ってしまいます。
そして糞をすると、公園の植物が遠くへ移動することになるかもしれません。

都市の中の大きなビオトープの長居植物園
実は、ビオトープは、広くて大きな世界の小さな一部だったのです。
というとは、ビオトープ単独ではビオトープを維持することはできないということ。
例えば、ビオトープの木を切ってしまうと隣のビオトープに日が当たるようになり、土が乾いて今いる生き物が生きていけなくなるかもしれません。
ビオトープを切り開いて沢の水が枯れたり汚れたりすると、下流のビオトープの生き物が生きていけなくなるかもしれません。

水の流れはほとんど見えない金剛山山頂直下の水越川源流部
ビオトープが集まった自然の中でもそうなのですから、都市の中にビオトープを作ろうとした場合、都市の周りにある自然から遠く離れて孤立してしまうと、うまくいかないかもしれません。
水も肥料もやらなくて野山では植物が育ちますが、鉢植えの植物は水や肥料をやらなければうまく育たないことと同じかもしれません。
ビオトープは小さな部分を指しますが、大きな環境があってこそ成り立っているということを、忘れないようにしなければなりません。

- 関連記事
-
- 登山もいいけど、ビオトープ・トレッキングもいいよ (2013/08/17)
- 《ビオトープとは? その3》川の水はいつもそこにあるように見えて、流れ続けて入れ替わっています。 (2013/07/16)
- バケツ稲・プランター稲で小さなビオトープ (2013/06/28)
スポンサーサイト
