台湾のフルーチェ? オーギョーチと言われアイギョクシと言われたカンテンイタビ(牧野富太郎さん)
植物学者の牧野富太郎さんを主人公のモデルにした朝ドラのらんまん。
第22週のタイトル「オーギョーチ」。
和名はカンテンイタビ。
小さな種のような実を水の中で揉むと、ゼリーのように固まる性質があり、和名の由来です。
今はスイーツとして食べられますが、ドラマでは病気のときに食べて回復しました。

固まるのは植物に含まれるペクチンという成分のためで、そのためにはカルシウムが必要。
牛乳で作るフルーチェと同じです。
台湾の水は日本とちがいカルシウムが含まれている硬水。
日本で固めるには牛乳が必要かもしれません。
カンテンイタビはイチジクの仲間。
日本でイチジクというと木ですが、熱帯や亜熱帯ではツル状で、ほかの木に取りついて上へ上へと伸びるタイプがあります。
オーギョーチもそのタイプ。

大阪市の植物園、咲くやこの花館の熱帯コーナーに展示されていました。
ただ鉢植えで2メートルもなく、花も実もないのでちょっと地味ですが。
蔓性イチジクの禍々しさはまだ感じられませんが、これから年数を重ねて風格が増していくのでしょう。
台湾固有で北部山岳地帯に自生するそうです。
とするとこの果実の利用を始めたのは山岳に住む人々だと思うのですが、名前は平地に住む大陸からやってきた人々の言葉。
由来も平地の人が見つけたことになっているようです。
ドラマではそのあたりは描かれず、なんかもやもやしました。

誰が見つけようと、どんな名前をつけようと、人間とは関係なく、昔から生えていたことはかわりないでしょう。
きっと。
カンテンイタビ
寒天以多比
Ficus pumila var. awkeotsang
バラ目 クワ科 イチジク属 種オオイタビ 変種カンテンイタビ
別名:オーギョーチ,アイギョクシ

タグ: カンテンイタビ オーギョーチ アイギョクシ イチジク属 台湾の植物

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