地方の小さな水族館が閉館しました。
最近話題になっていたので、一度行ってみたいと思っていた水族館です。
水族館があるのは、沖縄県南城市。
沖縄本島とも呼ばれる沖縄島の南部の東、太平洋側で、世界遺産の斎場御嶽(せーふぁーうたき)や、鍾乳洞の玉泉洞があります。
水族館の名前は「がまがま水族館」。
「がま」は沖縄で洞窟を意味します。
石灰岩の地面が多い沖縄では、自然にできた洞窟がたくさんあります。
その洞窟を探検するワクワク感をイメージされたようです。
実際、外観も風化した石灰岩のように見えます。
ホームページによると開館は1973年5月。
沖縄県が日本に復帰したのは1972年5月。
その1年後です。
ほぼ半世紀の歴史があります。
旅行などでどこかへ行くときは、その土地の博物館、植物園、動物園、そして水族館などの施設はチェックするのですが、前回沖縄に行ったときには気づきませんでした。
それだけ地域密着型の小さな水族館のようです。
ホームページの館内案内を見ると、屋内の魚類展示と、屋外のペンギンペン展示の2つに別れ、それぞれが円形なので8のようになっています。
魚類コーナーのほうが種類も数も多く全体のスペースは広いのですが、館内の映像を見てるとケープペンギンがいるペンギンコーナーが広く感じます。
ペンギン展示館です。
魚類は沖縄の沿岸の魚が中心のようで、地域密着型なのがわかります。
種類は豊富ですが、おそらくその時時で大きく変わるのでは、と思います。
漁師さんがめずらしい魚を捕まえたら持ってくるとか、職員さん自ら魚を捕まえに行くとか。
ドキュメンタリー風の番組でも来館者には地元の人が多く、愛されていることがわかります。
入館料も高校生以上が500円。
公立博物館並の値段です。
城南市私立とも沖縄県立とも書かれていないので私立だと思いますが、どうしてこのような値段で今まで維持できるのか不思議なくらいです。
閉館の理由が設備の老朽化なのも、地元の人が来館しやすいような入館料にしたためかもしれません。
確かに円形の建物はデッドスペースだらけでしょうし、石灰岩を模したような外壁の維持は普通の建物よりたいへんでしょう。
それに館内もバックヤードも番組で見る限りきれいに整えられ、半世紀という時間を感じさせません。
来館者が気持ちよく訪れることができるようにという心遣いなのでしょう。
それは展示にも反映しているように感じます。
一般に沖縄の水の生き物というと、海をイメージすることが多いと思います。
でも実は、沖縄には絶滅危惧種や希少野生動植物種などに指定されている淡水の生き物がとてもが多いのです。
カエルの仲間には沖縄島固有種など沖縄にしか住んでいない種類がたくさんいます。
サワガニにいたってはは小さな沖縄島にもかかわらずいくつもの種類がいます。
そういった淡水の生き物をほとんど展示せず、海の魚類に絞ったところも、ビーチに行けば会えるような身近な魚がたくさんいる憩いの場を目指していたから感じます。
きれいな館内を見ればまだまだ水族館を続けることはできたように思います。
でも、魚たちを優先するのは当然として、その分館内や外壁が汚れ、養生できず、来館者が気持ちよく見て回ることができなくなることを避けたかったのでは、と思います。
ジンベイザメやイルカなど人気が高い魚がいるわけではありませんが、このようなほっこりする水族館が閉館するのは残念です。
沖縄に行ったときに訪れなかったのが悔やまれます。
がまがま水族館と入れ替わるように新しい水族館が開館されました。
がまがま水族館の飼育員さんも移られた聞きました。
がまがま水族館のこころはまだ消えないようです。
■参考外部リンク■
がまがま水族館
おしらせ
このがまがま水族館は、アニメ作品『白い砂のアクアトープ』に登場する架空の水族館です。
実在するホームページも作品の一部となっています。
今回の記事はそれをテーマにした二次創作としてお読みください。
■参考外部リンク■
TVアニメ『白い砂のアクアトープ』
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