古い写真の中からみつけたいきもの まるで獲物をつかめそうな先がたくさん分かれた触角を持った虫
枯れかけた落ち葉の写真を見つけました。
去年の4月に写したもの。
わざわざ残すような写真には見えません。
こういうときはきっと何か小さな生き物が写っているにちがいありません。
拡大してみると、虫が写っていました。
アブ? ハチ?
獲物を捕まえられそうな触角の虫。
この虫が目的だったようです。

さて、この虫。
いったいなんでしょうか。
ハエ、アブ、ハチでしょうか。
じっくり見ると、翅は片側2枚で4枚あるようです。
ハエでもアブでもありません。
ハチのよう。

スズメバチのように胸や腹がくびれていないので、原始的なハチ、ハバチの仲間のような気がします。
たしかにハバチのルリチュウレンジに雰囲気が似ています。
そこで調べてみました。
が、身近にいてもとんでもない種類がいる昆虫。
一般向け卓上版図鑑に載ってなくても不思議ではありません。
運良く兵庫県立人と自然の博物館の出版物『兵庫県におけるハバチ類の種多様性』を見つけ、早速参考にしました。
結果。
ネズハバチ。
そのオス。

ハバチは幼虫が植物の葉を食べるハチの仲間で、スズメバチやミツバチはハバチから進化したと言われています。
ネズハバチは、名前のようにネズ(ネズミサシ)の葉を食べるハバチ。
ネズミサシは針葉樹。
この場所ではあちこちに生えていますので、不思議はありません。

なんか、かっこういい触角です。
ネズハバチ
杜松葉蜂
Monoctenus nipponicus
ハチ目 ハバチ亜目 マツハバチ科 ネズハバチ亜科 ネズハバチ属
ネズミサシ
杜松
Juniperus rigida
裸子植物門 マツ綱 マツ目 ヒノキ科 ビャクシン属の常緑小高木の針葉樹
■参考外部リンク■
自然環境モノグラフ - 兵庫県立 人と自然の博物館(ひとはく)

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