水面直下のマツモムシの謎の毛
池でニホンアカガエルの観察をしているとき、マツモムシを捕まえました。
マツモムシは水面の下をお腹を上にして背泳ぎをするカメムシの仲間の水生昆虫。
いろいろ種類がありますが、捕まえたのは多分マツモムシという名前のマツモムシ。
捕まえたついでに逃がす前に色々写真を撮りました。
パソコンの大きな画面で拡大してみると。
おしりの方に毛が何本も飛び出しています。
それよりもびっくりしたのか、お腹側にびっしりと細かい毛が並んで生えています。
まるで鎧のようにぴっちり並んでいるので、拡大しなければ毛には見えません。

この毛はなにのためにあるのか?
ちょっと調べてみると、でてきたのが「プラストロン呼吸」。
水中に住むカメムシの仲間などの呼吸法。
短い毛で体を覆い、そこに空気を取り込み、その空気を呼吸します。
もちろん空気の中の酸素は減り、二酸化炭素が増えていきます。
すると空気と水の境界がエラのような働きをして増えた二酸化炭素を水中へ、減った酸素を水中から交換するのです。
そのためプラストロン呼吸をする昆虫は水面で空気を交換しなくてもいいのです。

ただ、マツモムシは水面直下にいる虫。
そんなことしなくても空気は取り込めます。
それに、プラストロン呼吸で調べてみても、マツモムシは含まれていません。
おなじマツモムシの仲間のコマツモムシはプラストロン呼吸ですが、それはいつも水面からずっと下にいるから。

じゃあマツモムシのお腹の毛はなにのために?
よくはわかりませんが、マツモムシは気門で空気呼吸します。
それはプラストロン呼吸をする昆虫も同じです。
ですから気門のまわりに水があると空気を吸えないので窒息します。
気門が濡れないように、空気の膜で覆っているのでしょうか。
そうすればお尻から取り込んだ空気もお腹の気門に自然と行き渡るでしょう。
ホントのことはわかりませんが、なにか水中で空気呼吸をするための仕組みがかくれているにちがいありません。
昆虫の呼吸の工夫は、ほんとおもしろい!

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