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プランター稲ビオトープ2019 カブトエビは侵略的外来種?

 田んぼの生き物、カブトエビ。
 数年間、プランターで稲と一緒に育ててみて感じたこと。

20リットル程度のプランターで稲を育てるための肥料だけでは、カブトエビ1匹すらまともに育てるのは難しい。
そんな状態だからカブトエビがほかの生き物(カイエビ、ホウネンエビ、そのほか多数のミジンコ類)はほぼ食べつくされる?
言い換えれば、餌をやれば数多く育てることは可能。

この記事にはの画像があります。


 しかし、田んぼに行ってみると、なんかちがいます。
 カブトエビがいる田んぼは、カブトエビ密度が異常に高いことがよくあります。
 それくらいの密度なら、プランターでも可能のはず。

エビ伝説でおなじみアメリカカブトエビ

 でも、カブトエビの田んぼの周りを歩いてみると、まったくいないところもあることに気づきます。
 というか、いるところのほうが圧倒的に少ないように感じます。
 つまり田んぼ全体で見ると、カブトエビの密度はかなりまばら。
 まるで集団で食べ物のある場所を移動しているようです。
 それならば狭いプランターではなかなか成長できないのも納得できます。

 そこで気になるのは、カブトエビに食べつくされる様々な甲殻類。
 まるで、カブトエビは田んぼの中の生態系の頂点というより、もはやブラックバスやウシガエルのような食べ尽くす型の外来種のようです。
 実際、カブトエビは外来種と考えられています。

いつもお腹を上にしているホウネンエビ

 日本にいるカブトエビは大きく分けると3タイプ。
 アメリカカブトエビ、ヨーロッパカブトエビ、そしてアジアカブトエビ。
 名前が原産地を表しています。
 日本はアジアですから、アジアカブトエビは在来種のようですが、日本にはいなかったといわれています。

■参考外部リンク■
カブトエビ類 / 国立環境研究所 侵入生物DB

 在来種の可能性も捨てきれないような気がしますが、カブトエビがみつかるのは、人工的に作られた田んぼとその周辺の用水路くらい。
 田んぼから離れた自然にできた湿地などでカブトエビが見つかったという話を聞かないので、外来種のほうが納得できます。

二枚貝みたいなカイエビ

 カブトエビがいるだけでほかの甲殻類がいなくなってしまうほどの大食いは、カブトエビが外来種とすると、とても深刻な問題のような気がします。
 実は、田んぼではカブトエビによって様々な甲殻類が絶滅にひんしているのかもしれません。
 食べられるのが見えるか見えないかという小さな生き物ばかりなので気付かれていないだけなんでしょうか。
 カブトエビが田んぼという人工の場所だけにとどまっていればまだしも、そこから外に飛び出したら、特定外来生物並みに暴れるような気もします。
 しかし、今のところそのような外来種には指定されていません。

カイエビみたいですがずっと小さいカイミジンコ

 幸いにも、水が流れるような川が苦手なのでしょう。
 池の水を抜く番組でも今のところ一度も登場していませんので、池も苦手なのでしょう。
 田んぼから離れたところで見ることはありません。
 それとも、ただ、小さい生き物なので見過ごされているだけなのでしょうか。

 気になります。

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タグ: プランター稲ビオトープ2019プランター稲ビオトープカブトエビホウネンエビカイエビカイミジンコビオトープ

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「特別展 昆虫」〈大阪市立自然史博物館〉にで、で、で、で、でっかい虫っ!

 大阪市立自然史博物館で開催中の「特別展 昆虫」。
 タイトルのように「昆虫」という大きなくくりの展示がいっぱい。

全体について書いたのはこちら
「特別展 昆虫」〈大阪市立自然史博物館〉は、む、む、む、む、むしだらけっ!

この記事にはの画像があります。


あと650m

 専門的な展示ばかりでなく、小さな子供も楽しめる展示もあります。
 そのひとつが、でっかい昆虫。
 大きさは2メートルくらい。
 日本の昆虫を30~200倍に拡大した模型です。
 記念写真ポイントにもなっています。

 最初は200倍のニホンミツバチ。
 日本在来種のミツバチです。
 普通、はちみつとして売られているものは日本では外来種となるセイヨウミツバチが集めたもの。
 どちらもよくにていますが、野原で見かけるのは、セイヨウミツバチのほうが多いような気がします。


 ミツバチは後脚に花粉を串団子みたいにしてつけるのですが、左右で花粉の有りバージョンと無しバージョンに分けられています。

ニホンミツバチ

 そして30倍のオオムラサキ。
 日本の国蝶とされています。
 にもかかわらず、いまだ野原で見たことはありません。
 見るのは昆虫館だけ。

オオムラサキ

 オオムラサキなどタテハチョウ科の特徴は前脚が折りたたまれ、胸にピタリとひっついて、4本脚のように見えること。
 この超巨大オオムラサキは前脚がちょっと浮いていて、ちょっとヘンに感じます。
 ただ、ピタリとひっついていると本当に4本脚に見えてしまうので、あえて浮かして6本脚ですと、とわかるようにしているのかもしれません。


 45倍のミンミンゼミ。
 東京の博物館ではじまったからでしょう。
 最初からここでやっていたならクマゼミになったかも?


 セミの仲間は背中にかっこいい模様がよくあります。
 クマゼミは翅の筋が黄緑色できれいなのですが、背中はちょっと地味。
 ミンミンゼミのほうが背中の模様はかっこいいので、よかったかな?

ミンミンゼミ

 最後は30倍のオオクワガタ。
 ノコギリでもミヤマでもなくオオクワガタ。
 日本最大のクワガタムシなので、2メートルの大きさも違和感がない?

オオクワガタ

 大顎の先トンガリと内側のトンガリ(内歯)がかっこいい。


 超巨大昆虫はこれで終わりですが、いろんな虫の本物の昆虫標本がたくさんあります。
 これだけたくさんの昆虫を一度に見られる機会はそんなにないと思います!

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タグ: 特別展昆虫大阪市立自然史博物館ニホンミツバチオオムラサキミンミンゼミオオクワガタ

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genre : 学問・文化・芸術

大阪でモササウルスというとやっぱりこことここ(一つは和歌山だけど) きしわだ自然資料館と和歌山県立自然博物館

 またモササウルスが話題になっているようです。
 大阪でモササウルスと聞くと、大阪府岸和田市のきしわだ自然資料館と、和歌山県海南市の和歌山県立自然博物館。
 どちらも日本のモササウルスが展示されています。

 きしわだ自然資料館は大阪府貝塚市(かいづかし)で見つかったもの。
 和歌山県立自然博物館は和歌山県有田郡(ありだぐん)有田川町(ありだがわちょう)でみつかったもの。
 どちらも日本のモササウルス。

 きしわだ自然資料館では2階にモササウルスコーナーがあります。
 真ん中に全身骨骼が。


 ただ残念ながらこちらはアメリカ産のモササウルス。
 日本産は展示ケースの中に。


 和歌山県立自然博物館は、水族展示が終わった後にモササウルスコーナーがあります。
 展示は体が結構残っている日本最大級のモササウルス。
 その化石が見つかった状態の産状化石。


 展示はレプリカ。
 まだ見つかったところで研究途中。
 常設展示をするわけにはいきません。


 実物の展示は、研究を止めることにもなります。
 ですからレプリカを作るということは、とても大切なことです。
 とはいえ質の高いレプリカは決して安くありませんので、簡単に作ろうというわけにはいきません。
 掘り出されてすぐ大きなレプリカは作られたのは、それだけこのモササウルがすごいということでしょう。

 ただ、現在は東京の国立科学博物館の「恐竜博2019」に出張中のようです。
 2019年11月28日から企画展「モササウルス復元プロジェクト」があるので、それをたのしみにしています。

■参考外部リンク■
きしわだ自然資料館 - 岸和田市公式ウェブサイト
和歌山県立自然博物館公式ホームページ

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タグ: モササウルスきしわだ自然資料館和歌山県立自然博物館化石古生物博物館

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「特別展 昆虫」〈大阪市立自然史博物館〉は、む、む、む、む、むしだらけっ!

 大阪にやってきました、昆虫展。
 去年、夏はいつも恐竜か絶滅動物をやっているイメージがある東京の国立科学博物館で意表をついて開催された「特別展 昆虫」です。

この記事にはの画像があります。


 大阪市立自然史博物館の夏の特別展です。
 今回もブロガー招待に当選できました。
 大阪市の南部にある長居公園内の博物館から棟続きのいつもの会場です。

地下鉄で来きたときのたぶん最初の看板
長居公園

 科学博物館のときから、なんとひねりもなにもないつかみどころのないタイトルだと思っていました。
 しかし。
 もう「昆虫」としか言い表せないほど、多岐にわたる切り口で無数の「昆虫」が展示されています。

入口にはでかいロゴ
昆虫展

1.昆虫とは

 会場に入ってすぐ目につくのが、2メートルの巨大昆虫。
 もちろん、今も昔もこんなでかい昆虫はいません。
 30倍から200倍に拡大された昆虫の模型がドン、ドン、ドン、ドンと置かれています。

超巨大昆虫がいくつも!

 大きくなって見やすいだけでなく、気がつかなかった発見があります。
 ニホンミツバチの200倍模型を見ていた子供さんが、「ハチはこんなに毛がはえてるの!」と驚いていました。
 そう、実は昆虫はけっこうけむくじゃらなのです。
 そうでないのもいますが。

200倍のニホンミツバチ
ニホンミツバチ

 ただ、こんなに大きな模型を見てしまうと、奥にある2億年以上昔の最大の昆虫と言われる超巨大トンボのメガネウラの復元模型がなんか小さく感じてしまうのが、ちょっと残念。

拡大しなくてもでかい!メガネウラ
メガネウラ

 展示は昆虫の模型や化石、標本だけではありません。
 昆虫の出現時期の巨大年表や昆虫の分類表なども見ることができます。

恐竜が絶滅するころには昆虫の目(もく)が出揃っていました

恐竜出現より前に完全変態の昆虫は出現していました

2.昆虫の多様性

 科学博物館では展示されていなかった、自然史博物館所蔵の大阪の昆虫が展示されています。

大阪の昆虫が環境ごとに並んでいます

 今話題の「赤いクワガタ」という不本意な名前で呼ばれているツチハンミョウの仲間のヒラズゲンセイも見られます。
 クワガタの仲間でないのはもちろん、ハンミョウの仲間でもないというややこしい昆虫です。

最近話題の平頭芫青(ヒラズゲンセイ)
ヒラズゲンセイ

 長期間の開催のためか、生きているものはほとんどなく、標本が基本。
 でも、そのためいろいろな展示が可能になっています。
 たとえば世界のカブトムシを大きさの順に丸く並べたもの。

大きいカブトはよく見ますが小さいカブトは珍しいかも
カブトムシ

 世界のクワガタムシ版も。

ギラファは長い!
クワガタムシ

 ほかにチョウもあります。

 日本にいるのはちょっと地味なのばかりですが、外国では名前以上のわけのわからない形をしたものがたくさんいるツノゼミ。
 アブラムシのようにとても小さいので、みんな拡大された写真がついています。
 ブログやツイッターで書かれているように、虫メガネが必要かも。

小さすぎて虫メガネがあったほうがいいかものツノゼミ
ツノゼミ

3.昆虫の生態

 怒涛のような展示の3分の2ほど過ぎたころにあるのが、2017年の生物学賞を受賞することになった昆虫標本。
 その賞は、あのイグノーベル賞。
 そう、雌雄の生殖器が逆転したというものすごく変わった昆虫、トリカヘチャタテ。

ちいさなトリカヘチャタテ

 そしてイグノーベル賞の賞状レプリカ。


 アリやシロアリの巣に入り込む昆虫がいるのですが、そんな変わった昆虫がマンガで紹介されています。
 アリは仲間以外を巣に入れません。
 ちがう種類の昆虫はもちろん、同じ種類でもちがうファミリーのアリなら攻撃します。
 なのに、ちゃっかり巣に入り込むアリでない昆虫たち。
 その方法も様々。

マンガでわかりやすく解説

4.昆虫の能力

 ここはパネル展示が中心ですが、昆虫の飛ぶための筋肉のちがいや足の構造などがわかります。

昆虫の飛ぶ筋肉の付き方

5.昆虫研究室

 となりには採集や標本作成などの研究コーナー。


 続いて標本壁。
 壁が様々なコレクションの標本で埋め尽くされています。


 いろいろな昆虫標本を間近でたくさん見ることができます。
 ここにも小さな昆虫がありますので、やっぱり虫メガネはあったほうがいいかも。
 ただ上の方は見上げるばかりでよく見えませんし、小さいのはあるのか無いのかわかりません。
 もはや斬新なデザインの壁。
 ここは標本をアートとしても楽しむ場なのかもしれません。

 最後はモルフォ蝶などの構造色を応用した様々な商品の展示など。

 そして、あえて飛ばしていましたが、途中には科学博物館でも話題になった「Gの部屋」も。


 もちろん「ゴキブリ」です。
 よく見ると形はゴキブリですが、「思っていたのとちがう」ゴキブリがいろいろ展示されています。
 そしてなにより、ここでは生体展示がされています!
 「G」が苦手な方は素通りしましょう。

 会場入口の前には、いつもと同じようにオリジナルグッズコーナー。
 おすすめは、図録。
 展示のカタログ的な意味もありますが、なにより昆虫の出現時期に分類、体の作りや機能に飛び方など、展示されているさまざなま昆虫学の情報が詰まっています。
 これだけの内容が2000円で1冊にまとまっているなんて、ほかにはないのでは?


 ただただ展示されているのが小さな昆虫。
 全体ではとんでもない数になります。
 一度と言わず二度三度と足を運びたくなる昆虫展。
 いや、何度も行かなければ見られないほどすごい量の昆虫がいます。

■参考外部リンク■
特別展 昆虫 | イベント | 関西テレビ放送 カンテレ
大阪市立自然史博物館

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タグ: 特別展昆虫大阪市立自然史博物館ニホンミツバチメガネウラヒラズゲンセイカブトムシクワガタムシツノゼミトリカヘチャタテイグノーベル賞

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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

でっかいハネカクシは、ちょっと強そう?

 まだカブトムシは来ていないクヌギの樹液に集まる虫。
 おおきなハネカクシ。
 背中を硬い翅で覆う甲虫なのに、その羽根が半分くらいしかないので翅隠し。


 ハネカクシは種類が多く、ふつうは1センチもないようなものばかりのちっちゃい虫。
 ところが大きなハネカクシ。
 触角がクシのようになっているので、多分ナミクシヒゲハネカクシ。

カナブンとハネカクシ
ナミクシヒゲハネカクシ

 拡大してみると、なんか黒地に少し緑色の輝きが。
 なんか、きれい。

コガタスズメバチとハネカクシ

 ハネカクシはだいたい肉食。
 ということは、樹液を食べに来ているんじゃなくて、樹液に集まってきた虫を狙ってる?

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タグ: ナミクシヒゲハネカクシハネカクシ甲虫昆虫錦織公園の昆虫錦織公園

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theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

とんがってちょっと痛そうなのが格好いい! ムネアカオオアリの腹柄節

 最近、ヒアリのせいでアリの画像を目にする機会が増えたように思います。
 ヒアリの特徴とされる腰の2つのコブ、腹柄節。
 ただ、2つの腹柄節という特徴を持ったアリたくさんいて、それだけでヒアリと決めることはできません。
 しかし、腹柄節というアリだけが持つ特徴がこれだけ注目されたことははじめて?

 ムネアカオオアリ。
 ハチ目 スズメバチ上科 アリ科 オオアリ属。
 日本で一番大きいアリと言われます。
 山や丘陵地の林などでは普通のアリ。

ムネアカオオアリ

 その腹柄節。

胸赤大蟻

 ムネアカオオアリはヒアリとちがってコブは一つ。
 武器に使えそうなくらいとんがっています。

腹柄節

 なかなか格好いい。

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タグ: ムネアカオオアリオオアリアリ腹柄節

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theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

ちょっと忙しそうな、またはちょっと悩みが多そうな ネジバナ

 ちょっとおもしろいネジバナがさきました。

 あちこちに生え、雑草扱いされているのがめずらしいネジバナ 。
 毎年無造作に草刈りされても、翌年花を咲かせるツワモノです。

捩花

 下から見ていくと。
 まず右側からはじまり、左側からぐるりと後ろに回る「右回り」。
 横から見ると「ミ」に見えます。

Spiranthes sinensis var. amoena

 とろこが、1回まわったところでちょっと悩むようにほとんどまっすぐになってしまいます。


 そのあと思い直して右巻きに戻ったと見せかけ、意表をついて反対の左巻きに。


 そのままいくと見せかけ、上に伸びていき。
 さいごにこそっと右巻きでしめくくり。


 なかなか忙しそうなネジバナです。
 それとも、悩みが多いのでしょうか。

 そんなネジバナは小さい花ですが、よく見ると、とてもきれいです。

ネジバナ
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タグ: ネジバナ梅雨の花夏の花赤い花

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genre : 趣味・実用

たった3つでもものすごい個性!『三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち』藤岡換太郎 著 講談社ブルーバックス 刊

 タイトルから分かるように石の本です。
 どうして生き物ブロクで生物ですらない石のことを?
 それは、生き物に石が深く関係しているからです。
 というのはちょっと無理矢理すぎるかもしれませんが。

 陸上の生き物にとって大切なのは植物。
 植物の大きな特徴は、自分で栄養を作り出せること。
 もちろん、そうでない植物もありますが。
 動物は食べ物で肉食と草食に分けられますが、肉食動物が食べる草食動物が食べるのは植物。
 肉食動物も間接的に植物を食べているのです。

 その植物が育つのは土。
 土の基本は、小さく砕かれた石に植物の遺体など有機物や小さな生き物たちが混じったもの。
 石が変化したものなのです!

 ただ、石に興味を持ったことがある人なら実感できると思いますが、石はものすごく、とんでもないほどの種類があります。
 そこで、この本では、地球に多い石トップ3にしぼっています。
 橄欖岩、玄武岩、花崗岩。
 日常では使わない漢字が多いのですが、読みは「かんらんがん」「げんぶがん」「かこうがん」。

 「かこうがん」は最近土石流災害関係で耳にすることが増えたと思いますが、その「かこうがん」。
 陸地を支える地殻を作ります。

花崗岩
〈大阪市立自然史博物館 花と緑と自然のセンターネイチャースクエア〉

 「げんぶがん」は宮崎県の高千穂峡や、兵庫県の玄武洞のような景勝地などの説明にでてくることがある「げんぶがん」。
 海の底を支える地殻を作ります。

玄武岩
〈大阪市立自然史博物館 花と緑と自然のセンターネイチャースクエア〉

 「かんらんがん」はあまり地面の上に出ることがないので、聞いたことがないかもしれません。
 地殻の下のマントルにあります。

カンラン岩が砕けたカンラン石がとりこまれた岩
〈大阪市立自然史博物館 本館2階ギャラリー〉

 時折地面の上に出てくることもありますが、そのときは性質が変わって名前も変わり「じゃもんがん(蛇紋岩)」となることがあります。
 「じゃもんがん」は生き物好きなら聞いたことがあるかもしれません。その「じゃもんがん」の元の石が「かんらんがん」です。

カンラン岩などが水と反応してできた蛇紋岩
〈大阪市立自然史博物館 花と緑と自然のセンターネイチャースクエア〉

 地面の変化はとてもゆっくりで、人間が見て実感できるようなものではありません。
 それでも、今いる生き物たちが住む世界、環境の成り立ちを知るための基本的な情報。
 もちろん、世界はこんなに単純にできているわけではありませんが。

 命を育む大地と海を支える地殻とマントルをつくる3つの石で紡ぐ46億年の地球の歴史。
 生物の本ではないので、生物の歴史はほとんどありません。
 でも、生き物が住む環境の地球レベルの壮大な歴史について基本的なことを知ることができます。

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タグ: 三つの石で地球がわかる橄欖岩玄武岩花崗岩蛇紋岩大阪市立自然史博物館

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genre : 本・雑誌

蛾だってきれいなものもいる! と個人的には思ってる。 クロモンアオシャク

 白い壁の上にきれいな緑色の、ガ。

この記事にはの画像があります。


 アオシャクの仲間。
 多分、クロモンアオシャク。

 きれいなチョウに対して、きたないガ。
 というイメージですが、きれいなガも少なくありません。
 アオシャクの仲間もきれいなガ。

頭を下にしてとまっています

 模様こそ地味ですが、薄緑色の翅。
 白い筋や黒い点、翅の縁取りなどが少しずつちがいます。

上下を反転してみると

 もちろん、きれいかどうかは主観的なこと。
 ひとによって変わり、きっと人の数だけあるでしょう。

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タグ: クロモンアオシャクアオシャク錦織公園の虫錦織公園

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genre : 趣味・実用

梅雨の晴れ間に咲いていたトケイソウ 何時何分何秒?

 トケイソウ。
 時計草。
 キントラノオ目 トケイソウ科 トケイソウ属のつる性多年草。
 中央アメリカから南アメリカの熱帯原産の園芸植物。
 3つに分かれたメシベを時計の針に見立てたのが、和名の由来。

 咲いていました。

7時8分45秒?

7時12分44秒?

9時28分15秒?

 なぜかよくにた時間ばかり。
 きっちり120度ずつでないのもふしぎです。

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タグ: トケイソウ夏の花梅雨の花白い花青紫色の花

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