「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」恐竜の卵を産んだ場所がわかるかも!(恐竜が棲んでいた環境も?)〈大阪市立自然史博物館〉
大阪市立自然史博物館の「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」展。
恐竜の卵を一度にたくさん見られる貴重な機会。

そこで、名古屋大学と北海道大学が発表した『「恐竜が卵を暖める方法」を解明!』をもとに、卵の化石がどんな岩に入っているのか、見てみました。
恐竜の巣の化石(卵がいっぱいまとまって見つかった化石)がどんな岩から見つかるかで、恐竜がどんなところに巣を作ったのがわかり、さらに恐竜の卵の温め方もわかるのです。
岩の種類は泥が固まった泥岩(でいがん)と砂が固まった砂岩(さがん)。
砂岩は太陽熱や地熱で卵を温める恐竜。
泥岩は植物の発酵熱で卵を温める恐竜。
砂岩と泥岩の両方から見つかるのは、卵を大人が温める恐竜。

ところが。
展示されている化石には岩の種類は書かれていません。
さらに、地質のド素人なので、見ただけでは泥岩か砂岩かわかりません。
定義としては砂岩は固まっている粒の大きさが0.06~2ミリまで。
泥岩は0.06ミリ以下、そして2ミリ以上が礫岩(れきがん)。
しかし、展示物はケースの中でものさしを当てて測ることはできません。
ということで、画像を見てつるつるっぽいのを泥岩風。
ざらざらっぽいのを砂岩風。
ざらざらのところどころに形がわかるつぶが混じっているのを砂礫岩風としました。
それを卵化石の分類ごとに並べました。
恐竜の卵の化石は、多くの場合どの恐竜の卵かわかりません。
それで形や大きさ、呼吸のための気孔など殻の構造、そのほかいろいろな卵の特徴で分類されています。
研究の結果、どの恐竜の卵かわかってきているものもあります。
細かい説明や具体的な説明は、是非会場で。
気孔がやや少ない
スフェロウーリトゥス(球形の卵石)卵科
ハドロサウルス類
砂岩風
砂礫岩風




エロンガトウーリトゥス(長形の卵石)卵科
オヴィラプトロサウルス類
砂岩風
砂礫岩風






気孔が多い
ファヴェオロウーリトゥス(蜂の巣状の卵石)卵科
竜脚類?
ティタノサウルス形類?
砂礫岩風


ディクティオウーリトゥス(網状の卵石)卵科
メガロサウルス類?
原始的獣脚類?
砂礫岩風




デンドロウーリトゥス(樹状の卵石)卵科
メガロサウルス類 テリジノサウルス類
砂岩風




どれもあまりつぶは目立たずざらっとした感じに見えます。
ということは、砂岩でしょうか。
素人が見分けることは難しそうです。
砂岩だとすると、恐竜たちが卵を産んだのは陸地のちょっと乾燥したところかもしれません。
草食動物にとっては、食べ物が少ない場所のように思いますが、展示されている化石は白亜紀のものばかり。
後期には現在普通に見かける被子植物はすでに多様化していましたが、現在ほどあたりまえではなかったでしょう。
今とちがって森林のまわりでも、乾燥気味の地面が見える場所が多かったのかもしれません。
恐竜の卵の化石からもいろんなことが想像できます。
■参考外部リンク■
特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」‐ 大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
タグ: 恐竜の卵 dino-eggs スフェロウーリトゥス卵科 エロンガトウーリトゥス卵科 ファヴェオロウーリトゥス卵科 ディクティオウーリトゥス卵科 デンドロウーリトゥス卵科 恐竜 卵 大阪市立自然史博物館

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