犬はどこからやってきたいきものなのかな?
2018年は戌年。
ということで、今年最初はイヌの話。
結論を先に言ってしまうと。
イヌは人間がつくりだした、自然界には存在しない生物。
つまり、人間の手から離れ、自然界に放たれたときは、バイオハザード(biohazard,生物災害)になってしまうのは、ネコと同じ。
国立環境研究所の侵入生物データベースにもネコと共に記載されています。
■外部リンク■
イヌ / 国立環境研究所 侵入生物DB
ネコ / 国立環境研究所 侵入生物DB
もちろん、ホムンクルスのように生物錬成されたわけではありません。
実在する生き物から品種改良されて作られました。
元になった生き物は、タイリクオオカミ。
Canis lupus chanco(天王寺動物園)

イヌとの関係は、学名を見ればわかります。
タイリクオオカミはCanis lupus。
イヌはCanis lupus familiaris。
動物の学名は、属の名前(属名)+種の名前(種小名)。
そして種の名前の後に続く名前がある場合は、亜種(地域性のあるちょっとしたちがいのあるグループ)ということになります。
イヌは分類学的にはタイリクオオカミの亜種。
ということは、イヌはオオカミ(タイリクオオカミ)と言ってもいいことになります。

イヌの登場は1万5千年前とも、もっと昔とも言われています。
最初のイヌは、東アジアで誕生し、東アジア亜種のチュウゴクオオカミが祖先とする説もあります。
オオカミをどのようにしてイヌにしたのかはよくわかりませんが、人間に慣れやすいオオカミを選んで飼っていき、代を重ねるうちにイヌに変わっていったとする説もあります。
その後、世界に広がっていき、品種改良されたり、その場所のオオカミと交雑したりと、地域性ができていったようです。
■参考外部リンク■
イヌ家畜化の起源は中国、初の全ゲノム比較より | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

ちなみに十二支の戌(じゅつ)に動物のイヌが当てられたのは、十二支の考えができて何百年もあとのことで、本来はイヌとは何も関係はないのですが、それはそれ。
■参考外部リンク■
天王寺動物園
タグ: 干支 戌 オオカミ タイリクオオカミ チュウゴクオオカミ チベットオオカミ 犬

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