古い写真の中からみつけたいきもの こいつもやけど虫だよ青擬天牛
昔の写真を見ていると、思わぬ出会いがあります。
このブログをはじめるまえの写真はすっかり忘れているものばかり、思いがけない発見もあります。
写したこともまったく覚えていない虫。
壁の雰囲気からヒメクロゴキブリと同じ場所?
やたらと目がでかいカミキリムシ?
ところが、カミキリムシではありません。
カミキリムシはカミキリムシ科。
こちらはカミキリモドキ科のアオカミキリモドキ(青擬天牛)。

カミキリモドキ科は
甲虫目>カブトムシ亜目>ゴミムシダマシ上科>カミキリモドキ科
カミキリムシ科は
甲虫目>カブトムシ亜目>ハムシ上科>カミキリムシ科
近い親戚ですが、ちがう種類です。
カミキリモドキ科の仲間は、柔らかい体をしています。
甲虫なのに、ヘンな虫。
甲虫は体を硬くすることで防御していると考えられています。
にもかかわらず、柔らかく進化したのは、他に防御策をもっているからかもしれません。。
それがカンタリジン。
触れると水ぶくれができる毒です。
体液に含まれています。

カンタリジンは、柔らかい系の甲虫がよく持つ毒。
柔らかいのでうっかり潰してしまったら、水ぶくれができていまします。
そういう甲虫は「やけど虫」と呼ばれることもあります。
昔、やけど虫をわざと腕で潰す度胸試しが、子供の間で行われていたそうです。
しかし、柔らかい甲虫がカンタリジンで一矢報いたときは、おそらくそのまま命が尽きるような状態でしょう。
毒は自分を守ることも救うこともできません。
しかし、死なない程度の苦しい毒なら、もう二度と同じ虫を襲おうとは思わなくなるでしょう。
見た目が同じ仲間を救うことはできるかもしれません。
それが世代越えて「食べてはだめな虫」の情報が伝わるような動物なら、なおさら。
体が硬い甲虫は相手が昆虫なら防御できることも多いと思いますが、鳥や爬虫類、哺乳類には役に立たないことも多いでしょう。
実際、イタチやそれよりも大きい哺乳類の糞にコガネムシの破片が混ざっているの時折見かけます。
そういう相手には、硬い体よりも毒のほうが効果が高いような気がします。
タグ: アオカミキリモドキ カミキリモドキ科 毒虫 毒 やけど虫

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