【 2017年03月】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

祝「ムラサキ目」新設記念(ちょっと遅れたけど) ムラサキ目ムラサキ科キュウリグサ属 キュウリグサ

 現在、植物の分類に使われているルールのAPG体系。
 遺伝子の情報から被子植物の系統を調べて分類をしています。
 ところが、どこに属すのかわからないグループがあります。
 そのひとつがムラサキ科。
 どこの「目」に属すのがわかりませんでした。

 APG体系は改訂を続け、2016年に最新のAPGIVを公表。
 そこでムラサキ科1科だけが属する「ムラサキ目」が新しく作られました。
 これでムラサキ科も、ほかの植物同様「目」を持つことができました。
 めでたい!

 ムラサキ科には多くの植物がありますが、身近な植物の一つが、キュウリグサ。
 春に水色の小さな花を咲かせる野草です。




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タグ: APG_IVAPGキュウリグサ春の花青い花小さい花

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genre : 学問・文化・芸術

見た目は草本、本当は木本 富貴草が満開です! 錦織公園

 春、まだ寒さが残る草の蕾がまだ固そうなころ、樹木の花がいろいろ咲きます。
 梅や桜もそうです。
 そして、フッキソウも。


 ツゲ科の常緑樹。
 漢字で書くと「富貴草」。
 おめでたい名前です。

 ただ草よりも低く、高さは30センチほど。
 どう見ても草。
 でも茎のかなりの部分は地面の下に伸び、見た目よりも「大きい」樹木ですが、やっぱり見た目は草。


 花は白いのですが、これはオシベの色。
 花弁はありません。
 オシベだけの雄花がたくさん並んでいるのです。


 それではメシベがどこかというと、オシベだけの花の下。
 なんか羊の角のような花があります。
 それがメシベだけの雌花。


 錦織公園では、やんちゃの里の入り口からちょっと坂を下りたせせらぎの小径のせせらぎのところに群生しています。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: フッキソウ春の花白い花錦織公園

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巨樹・古樹・老樹 その52 安倍晴明神社の大阪市指定の保存樹林第15号の泰名稲荷神社の楠

 説明の必要が無いほど有名な陰陽師(おんみょうじ)、安倍晴明(あべのせいめい)。
 SFやファンタジー系のマンガやアニメやラノベではもはや定番のキャラクター。
 その晴明を祀った神社として有名なのは、京都の晴明神社。
 陰陽寮(おんみょうりょう)の官僚だったときの屋敷跡に造営されたもの。
 しかし、ここは大阪市の阿倍野区(あべのく)にある晴明生誕の地とされる場所。

住宅街の中の安倍晴明神社

 小さな神社で、近くにある阿倍王子神社(あべおうじじんじゃ)の境外の末社なっています。
 駅からも離れ住宅街の中にあるので、昔はお参りする人もいませんでしたが、今は参拝者が跡を絶たないようです。
 境内にある晴明の父、安倍保名(あべのやすな)を祀った泰名稲荷神社(やすないなりじなじゃ)の横に立っているクスノキ。
 一定の基準を満たした木が選ばれる大阪市の保存樹林に指定されています。

安倍晴明神社の大阪市指定の保存樹林第15号の泰名稲荷神社の楠
(2016年12月)

 まわりを建物に囲まれ、クスノキも少し、いやかなり窮屈そうです。
 クスノキは成長が早いですが、長寿の木。
 時には樹齢千年をこえることもあるので、晴明と同時代の木もありえます。
 が、さすがにこの木はもっとずっと年下のようです。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

■参考外部リンク■
安倍晴明神社
大阪市市政 保存樹・保存樹林等、貴重な緑の保全・育成への助成について

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タグ: クスノキ安倍晴明神社巨樹・古樹・老樹大阪市指定保存樹

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genre : 趣味・実用

里山は春の びみょ~な においでいっぱい!  姫榊

 3月も半ばを過ぎて、春分です。

 里山も春を迎え、いろいろな花が咲きはじめています。
 といっても、咲いているのはまだまだごく一部。
 仲春の里山でにおいを放つ花。
 ヒサカキ。

ヒサカキの花

 日光が当たらないところでも何十年も育つことができる陰樹。
 枝に下向きでクリーム色の小さな花が並んでいます。


 ただこのにおい。
 人によって捉え方は様々。
 都市ガスのようなにおい。
 たくあんのようなにおい。
 インスタントラーメンのにおい。
 公衆トイレのにおい。


 知らない人には想像しにくいでしょう。
 ただひとつ言えることは、多くの人にとっては「いいにおい」ではないということ。
 たしかに、びみょうなにおいだと思います。

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タグ: ヒサカキ春の花黄色い花臭う花陰樹

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下赤阪の棚田の3月の白~緑色の花

 3月になってくると、急に花が増えてきます!

3月の白い花 タグ:下赤阪の棚田の白い花3月の花

タネツケバナ(種漬花)Cardamine scutata

被子植物門 双子葉類
フウチョウソウ目 アブラナ科 タネツケバナ属
越年草
タグ:タネツケバナ


2014年下旬

水が染み出しているようなところや、水分の多いところに生えます。

ミチタネツケバナ(道種漬花)Cardamine hirsuta

被子植物門 双子葉類
フウチョウソウ目 アブラナ科 タネツケバナ属
越年草
ヨーロッパ原産
タグ:ミチタネツケバナ


2015年下旬

水気の多いところには生えず、乾燥気味のところでも生えます。

ナズナ(薺)Capsella bursa-pastoris

被子植物門 双子葉類
フウチョウソウ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草
別名:ペンペングサ
タグ:ナズナ


2015年下旬

オランダガラシ(和蘭芥子)Nasturtium officinale

被子植物門 双子葉類
フウチョウソウ目 アブラナ科 オランダガラシ属
多年草
ヨーロッパ~中央アジア原産
別名:クレソン
タグ:オランダガラシ


2015年下旬

コハコベ (小繁縷) Stellaria media

被子植物門 双子葉類
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
史前帰化植物
タグ:コハコベ


2015年下旬

茎が赤いとコハコベ

ミドリハコベ(緑繁縷)Stellaria neglecta

被子植物門 双子葉類
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
タグ:ミドリハコベ


2014年下旬

茎が緑なのでミドリハコベ。

オランダミミナグサ(和蘭耳菜草)Cerastium glomeratum

被子植物門 双子葉類
ナデシコ目 ナデシコ科 ミミナグサ属
一年草
タグ:オランダミミナグサ


2017年下旬

ヒメウズ(姫烏頭)Semiaquilegia adoxoides

被子植物門 単子葉類
キンポウゲ目 キンポウゲ科 ヒメウズ属
多年草
タグ:ヒメウズ


2015年下旬

ユキヤナギ(雪柳)Spiraea thunbergii

被子植物門 双子葉類
バラ目 バラ科 シモツケ属
落葉低木
別名:コゴメヤナギ
タグ:ユキヤナギ


2015年下旬

ウメ(梅)Prunus mume の白梅

被子植物門 双子葉類
バラ目 バラ科 サクラ属
落葉高木
タグ:ウメ


2013年下旬

2017年上旬

花を見ると、白梅だけでも数種類あるようです。

スモモ(酢桃,李)Prunus salicina

被子植物門 双子葉類
バラ目 バラ科 サクラ属
落葉小高木
中国原産
花期:3~4月
果期:6~8月
タグ:スモモ


2014年下旬

ニホンズイセン(日本水仙)Narcissus tazetta var. chinensis

被子植物門 単子葉類
クサスギカズラ目
ヒガンバナ科
スイセン属
多年草
タグ:ニホンズイセン


2017年上旬

スイセンにはたくさんの品種がありますので、ニホンズイセンに似た品種かもしれません。
また、ニホンズイセンも古い園芸品種のひとつです。

スイセン(水仙)Narcissus

被子植物門 単子葉類
クサスギカズラ目
ヒガンバナ科
スイセン属
多年草
タグ:スイセン


2017年上旬

2017年上旬

たくさんの園芸品種がありますが、下赤阪の棚田でも3種ありました。

白い花
3月の緑色の花 タグ:下赤阪の棚田の緑色の花3月の花

ヤマネコノメソウ(山猫の目草)Chrysosplenium japonicum

被子植物門 双子葉類
ユキノシタ目 ユキノシタ科 ネコノメソウ属
多年草
タグ:ヤマネコノメソウ


2015年下旬

オシベが残っていますが、実が成長しはじめてるようです。
ですので、見た目は花っぽいですが、どちらかというと、実です。
花は黄色っぽく見えます。

緑色の花

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会

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ニホンアカガエル 絶滅危惧種、絶滅を免れる! VU→CR→EN?

 お馴染みの錦織公園。
 赤松に覆われたところに植樹して作られた人工の公園。
 ですが、少ないですが、貴重ないきものもいます。
 その一つが、ニホンアカガエル。

この記事にはカエルの画像があります。


 アカガエル科アカガエル属の日本の固有種。
 環境省のレッドリストには記載されていませんが、多くの都府県で記載されています。
 もちろん大阪でも。
 絶滅危惧II類、VU。「絶滅の危険が増大している種」。

2016年10月に出会った大人のニホンアカガエル

 ニホンアカガエルはおもしろいところがあります。
 変温動物ですので、冬になると冬ごもりをします。
 ところが、12月から2月の一番寒い時期に出てきて、産卵します。
 もちろん、そのあとはまた冬ごもりに戻ります。

 ところが。
 2月初旬。
 毎年卵を産む水車の前の淀みの水がなくなっていました。
 きれいに底のコンクリートが見えています。
 2016年に続いて2年連続。

2月初旬の水のない水車前の淀み

 2016年は、その後カエルが卵を産むこともなく、オタマジャクシはもちろん、小さなカエルをみることもありませんでした。
 もうだめです。
 ニホンアカガエルの寿命は数年。  すぐ絶滅することはないでしょうが、2年連続は絶滅への大きな一歩になってしまうでしょう。

 またまたところが。
 2月下旬に行くと、水車池には水がたまり、卵塊がたくさんありました。

水が戻った2月下旬の水車前の淀み

 数えてみると25個。
 上の池にもいくつかありました。

卵塊がありました!

 ちょっと遅いですが、この時期に塊になる卵を水中に産む両生類は限られます。
 そもそも、水辺が多いのにカエルの種類が極端に少ない錦織公園。
 河内の里ではニホンアカガエルしか見たことがありません。
 きっとそうでしょう。

卵の中では着実に成長しています

 ニホンアカガエルのオタマジャクシはより目で背中に2つの斑点があります。
 もう少し大きくなったら、はっきりするでしょう。
 絶滅は、なんとか免れたようです。
 おそらく。

その一週間後には孵化していました

 ところで、なぜ、淀みを掃除したのでしょうか。
 本当のことはわかりませんが、底には落葉がたまり、藻類が繁殖していたので、見た目は悪くなっていました。
 ここは府営の公園。
 「みばえ」は大切。
 絶滅危惧種がいることを知らない市民の苦情があれば、すぐ対処しなければならないでしょう。

 そこれに、ここは自然を守ることを目的とした自然公園ではなく、地域住民が利用できるように整えられた緑地の都市公園。
 公園の管理者も絶滅危惧種が住んでいることに気付いていなかったのかもしれません。
 もしかしたら、今年は気づいて卵を別の場所で保管し、掃除が終わってから戻したのかもしれません。
 そうだったら、これから先は安心なのですが。

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タグ: ニホンアカガエルカエル産卵絶滅危惧種大阪VU錦織公園都市公園

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巨樹・古樹・老樹 その51 住吉大社の神館前庭の大阪市指定保存樹第22号の椋木

 創建がほとんど神話の時代になるほど古い住吉大社。
 境内には大きな木がいくつもあり、いくつも大阪市の保存樹に指定されています。
 その一つが神館前庭のムクノキ。

住吉大社の神館前庭の大阪市指定保存樹第22号の椋木(2015年9月)

 2本の木があり、右側のみ注連縄(しめなわ)がついていますが、保存樹には2本一緒で指定されています。
 曲がりくねった幹から伸びた太い枝は間隔があり、どことなく松の盆栽のようです。
 近くから幹を見てみると、浅い縦の筋がたくさん入り、ちょっとささくれているのはムクノキらしいところ。
 盆栽の「シャリ」のように幹が白くなったところは、相当の年月を経ているように感じます。


 しかし、ムクノキはクスノキ同様成長が早い高木。
 この木は何歳か。
 気になります。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

■参考外部リンク■
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大阪市市政 保存樹・保存樹林等、貴重な緑の保全・育成への助成について

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タグ: 巨樹・古樹・老樹ムクノキ住吉大社大阪市指定保存樹

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コナラ(小楢)-公園を象徴する木〈錦織公園の樹木〉

 錦織公園の樹木紹介の一番目は、やっぱりコナラ。
 公園を象徴する樹木です。
 数も一番! と言いたいところですが、意外とアラカシも多そうです。

落葉樹 どんぐりの木

コナラ(小楢)Quercus serrata

被子植物門 双子葉類
ブナ目 ブナ科 コナラ亜科 コナラ属 コナラ亜属 コナラ節
タグ:コナラ

見上げたコナラの木

落葉高木 陽樹 どんぐりの木
花期:4~5月 雌雄同株異花 ♂尾状花序 風媒花
果熟期:9~11月 堅果 1年成
葉:単葉 互生 倒披針鋭頭形 単鋸歯
樹皮:縦裂 裂け目は長く深い
自生地域:北海道~九州
成長適地:丘陵~低山
レッドリスト:大阪府2014-記載なし/環境省2015-記載なし
錦織公園内分布:園内林各所(一部を除きほぼ全域)

コナラに覆われた山辺の道

錦織公園を代表する樹木で、一部を除き、園内林のほぼ全域に生えています。

里山によく植えられる樹木の一つ。

利用方法は、落葉を肥料、枝や幹を木炭やシイタケのホダ木など。
枝や幹が使われる木は、太い幹が伐られ、そのまわりから細い枝が沢山伸びる「台場伐り(だいばぎり)」と呼ばれる独特の姿になります。

ただ錦織公園には台場伐りされたコナラはありません。
ですから、多くのコナラは植えられたものと思われます。

コナラの葉は、先のほうがふくらんだ倒披針形で、先端は尖っている鋭頭。
ただ変異が多く、「典型的」な葉が見つからないこともあります。

葛飾北斎の神奈川沖浪裏の白波のような粗い鋸歯(きょし/葉の縁のギザギザ)が特徴。

右は葉の裏。
ちょっと白っぽい緑色。
日本の色名で「裏葉色」がありますが、ちょうどそんな色。
裏葉色
参考:#94B090 裏葉色 うらはいろ | Web Color カラー辞典 色辞典 | FKBLOGNET FKブログネット

いろいろなコナラのドングリ

どんぐりは、ラグビーボールを引き伸ばしたような形で、ウロコ模様の殻斗(かくと/どんぐりの帽子)が特徴。
大きさも長さもいろいろですが、概ね細長め。

錦織公園では、アラカシと並んで生えていることもありますので、アラカシとのちがいを覚えると見分けやすくなります。

左が雄花で右が雌花。

雄花はたくさんの花が房状について垂れ下がります(尾状花序)。
雌花は新しい枝の先につき、小さいので目立ちません。

花は初夏に咲き、初冬には果実が熟す一年成。

樹皮は縦に深い溝が走ります。

若い幹は溝も少なく、あっても浅いので、ちがう種類のように見えます。

右は、中に虫が入った虫こぶ(虫嬰)。

虫が寄生すると植物がコブのようなものを作ることがあり、それが虫こぶ。
寄生する虫によって形や色は変わってきます。

コナラにできる虫こぶはいろいろありますが、これはナラメリンゴタマバチの幼虫がコナラに寄生したもので、ナラメリンゴフシと呼ばれます。

ナラメリンゴフシ
枝葉を伸ばした様

コナラは芽生えの時から日光が必要な陽樹。
そのため、樹木が茂ったところでは、芽生えても枯れてしまいます。

現在の錦織公園のように安定した樹林では、新しいコナラが生える可能性があるのは芝地などとの林縁ですが、そういったところは下草刈りなどが行われるので、園内でコナラが更新されるのは困難でしょう。

コナラと数を競うアラカシは、芽生えから数年は日光が少なくても成長することができる半陰樹なので、手を入れなければ自然とコナラと入れ替わってしまいます。

展望台から見た落葉して寒々としたコナラ林

開園30年を過ぎ、コナラも老樹となり、コナラを中心とした里山を維持するのであれば、樹木を皆伐(かいばつ/一定範囲の樹木をすべて伐採すること)した後に、コナラの苗木を植えるか、どんぐりから自然と芽生えが育つようにするなど、大掛かりな手入れが必要になります。

コナラを主体とした里山公園を維持するのならば、コナラの更新が今後の課題になると思います。

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タグ: コナラ錦織公園の樹木錦織公園樹木/Nishikoori-park陽樹/Nishikoori-park落葉樹/Nishikoori-park高木/Nishikoori-parkブナ科/Nishikoori-parkナラメリンゴフシ虫嬰

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春一番は葉っぱが長い?スミレです。 錦織公園

 春です。
 タンポポが咲きはじめました。
 そして、スミレも咲きはじめました。


 いろいろな種類のスミレがある錦織公園。
 最初に咲くのは、多分、ナガバノタチツボスミレ。
 茎を持ち、そこから花も葉も出る有茎種。


 小苞葉が花柄の上の方についているのがタチツボスミレの仲間。
 そうでないのもありますが。


 名前のように咲き終わると葉が長くなるタチツボスミレの仲間。
 咲いているときもちょっと長めの心形。


 葉脈が赤紫色になり、裏も赤紫がかることが多いことが特徴ですが、アカフタチツボスミレも同じような特徴を持ちます。


 ただ、葉の根元の托葉が櫛の歯のように細かく裂けるのがナガバノタチツボスミレ。


 これから5月のツボスミレまでいろいろなスミレが咲きます。
 たのしみです。

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タグ: ナガバノタチツボスミレスミレ錦織公園春の花紫色の花

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きれいな虫には毒がある。(毒のないきれいな虫もいっぱいいるけど)ツチハンミョウ

 梅が咲く3月の低山をトレッキングしていると、スズシロソウと思えるロゼットがありました。
 大阪には絶滅危惧種のカワチスズシロソウがあります。
 違うだろうと思いつつ、確認のために写真を撮ろうと思うと……
 あれ?

この記事にはの画像があります。


 瑠璃色に輝く虫が。
 しかし、ルリセンチコガネではありません。
 なんというか、アリを大きくして太らせたような姿。
 これは!
 ツチハンミョウ。

枯れ草の中のツチハンミョウは意外と目立たない?

 「ハンミョウ」といいますが、ハンミョウとはちがう科の甲虫。
 さわると黄色い毒を出す!と言われます。
 どうなったら、どこから、どのように、どの程度の毒を出すのか忘れましたが、とりあえず。
 注意!

 しかし、寒いのか、死んでいるようにほとんど動きません。
 写しやすい!
 刺激しないように、接写。

よく見ると小さな凸凹だらけ

 色はルリセンチコガネよりも瑠璃色。
 でも、光沢のある体には小さな凸凹が。
 そして甲虫なのに小さすぎる翅。
 ふくらんだお腹。
 よく見ると格好いいというより、愛嬌があります。

 ツチハンミョウにはいろいろは種類があり、大阪にいる瑠璃色のツチハンミョウは、ヒメツチハンミョウとキュウシュウツチハンミョウ。
 この2つはよく似ていて、簡単に見分けはつかないそうです。
 ただ、触角にこぶがないのでメスなのはわかります。


 ツチハンミョウの幼虫は、ハナバチの幼虫が育つ巣にもぐりこみ、食べ物を盗み食いしたり、卵を食べたります。
 どうやってハナバチの巣にいくかというと、これがものすごい方法です。
 それは、いきあたりばったり!

 土の中で孵化したツチハンミョウの幼虫は草を上って花のところまで行き、やってきたハチにとりつき、巣穴に戻ったところで降ります。
 もちろん、ハナバチでなかった時には、それまで。
 というわけで、1匹のメスが産む卵は千を超えるとか。
 本当に行き当たりばったりなんですね。

ツチハンミョウ

 調べてみると、ツチハンミョウの毒は足のところから出る黄色い液体。
 触れると水ぶくれができるとか言われますが、なんともなかったという話もあり、よくわかりません。
 また、幼虫の時に蛹のように動かなくなる時期があり、過変態と呼ばれます。
 その様子は、ファーブルさんの『昆虫記』の3巻目に別のツチハンミョウの成長の様子が書かれています。
 なかなかおもしろいいきものです。

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