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『恐竜の骨をよむ 古脊椎動物学の世界』犬塚則久 著 講談社学術文庫 刊 この本を読めば恐竜展でつっこめるようになる、かもしれません

 タイトル通り骨(化石)から恐竜が生きていた姿を再現していく本。
 と言っても、特定の恐竜を復元するのではありません。
 復元していくための「骨のよみかた」を教えてくれます。
 まず最初に、博物館の復元骨格の見方が描かれていて、読めば恐竜展でツッコミができるようになるかもしれません。

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 言うまでもなく、恐竜は今はいません。
 地面の下から掘り出される化石から、大昔に存在していたことがわかるだけ。
 警察関係のドラマなどで、被害者の骨から事件の様子などを解き明かし、そこから犯人逮捕につなげていくことがあります。
 それができるのは、本人を含めて多くの生きている人間のことがわかっているから。
 しかし生きている恐竜を見たことがある人は、一人もいません。
 ですからドラマのようにはいきません。

タルボサウルスとティラノサウルスの復元骨格〈福井県立恐竜博物館〉

 今はいない恐竜と言っても、近い仲間の爬虫類や鳥はいます。
 そして体のバランスや力の出し方、筋肉のつき方などは今の動物と共通するところも多いはず。
 ですから今いる動物からわかったことを元にして、恐竜を復活させます。
 そのための古脊椎動物学の教科書として書かれた本です。
 わかるようでちょっと想像しにくい「古脊椎動物学」については、まえがきにこのように書かれています。

古脊椎動物学の真髄は復元結果の見本市ではなくて、脊椎動物の骨学や筋学、歯学、それに比較解剖学、機能形態学、生体力学などを手がかりに恐竜など絶滅動物の真の姿を探る謎解き、推理の面白さにある。

 確かにこの本を読むと、骨だけからでも読み取れる情報が多いことがわかります。
 今まで幾つもの骨格標本を見てきました。
 中には二度と見ることができないものもあったかもしれません。
 もっと早くこの本と出会っていれば、見え方も変わったでしょう。

同じデスモスチルスでも復元でこんなにちがって見えます
〈大阪市立自然史博物館常設展示〉

四肢を広げて泳ぐのが得意そう
指も大型動物らしく立て気味の新しい復元


四肢を真下に伸ばした牛のような格好ですが
指を開いてぺたりとつけるのが違和感を感じる古い復元


著者が絶滅動物の科学的復元をはじめるようになったきっかけが
デスモスチルスなどの束柱類だそうです

 ただ、ちょっと、いやかなり残念なことは、骨の図説が少ないこと。
 巻頭に恐竜の骨の説明がありますが、ほとんどそれだけ。
 ところが、そこに名前が示されていない骨や、哺乳類などの骨の名前ががどんどん出てきます。
 研究者を目指すのなら基礎的な知識は持っているものというのはわかります。
 しかし、講談社学術文庫というシリーズの性質からすると、知識を深めたいけど専門家でない読者も少なくないと思います。
 やはり、もう少し本文に出てくる骨の説明をする図版がある方がいいと思います。
 いや、必要だと思います。

 もちろん、図版が少なくても、恐竜の生きていた姿に興味がある人は、読むべき本の一つなのはまちがいないと思います。

■参考外部リンク■
『恐竜の骨をよむ 古脊椎動物学の世界』(犬塚則久):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部

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恐怖、多頭飼育崩壊! ツマグロヒョウモン

 10月に鉢植えのスミレに産み付けられたツマグロヒョウモンの卵のその後。
 10日ほどで孵化しましたが、もうすぐ11月。
 夏でも蛹までは1ヶ月は必要です。
 幼虫のまま冬を越すようです。

この記事にはイモムシの画像があります。


 幼虫はみるみる育っていきます。
 そして、次々と生まれてきます。
 大きいのから小さいのまで、冬を迎えます。

黒くなっているので孵化直前の卵?

 もちろん、冬になると虫たちは活発に動くことはできません。
 命を終える種類も少なくありません。
 大阪なら真冬でも活動する虫もいますが、大抵は命を終えるか、じっとして冬の寒さを耐えるかのどちらか。
 ツマグロヒョウモンの幼虫は、冬でも動く派でした。
 気温が10℃を下回っても、お日様があたり暖かかったら、もそもそ動いて、スミレの葉を食べます。

黒くないので一齢幼虫?

 もちろん、暖かい時に比べてかなりのんびりですが、確実に食べています。
 そして、脱皮もして、大きくなります。
 冬の間にスミレを養生しようと思っていたのですが、それどころではありません。

樹脂製植木鉢の縁の裏で寒さをしのいでいます

 しかし、冬には強い味方があります。
 ビオラとパンジー。
 どちらもスミレの仲間ですので、大丈夫。
 ホームセンター行けば買えます。
 しかし、幼虫の数は結構多そう。
 一体いくつビオラを買えばいいのか。
 このままでは、多頭飼育崩壊していまします。

冬の間でも成長します

 「多頭飼育崩壊」は、複数のペットを無計画に飼い、繁殖を繰り返した結果、異様な数にふくれあがり、飼育環境が悪化する状況です。
 飼い主の生活空間を圧迫することも少なくありません。
 時折ニュースなどで報道される、ネコに占領された家や、無数のイヌが劣悪な環境に押し込められたブリーダーなどのこと。
 同じようにイモムシの多頭飼育崩壊しつつあります?

クスノキの落葉を置いたら裏にびっしり

 といっても、“駆除”もしたくありません。
 とりあえず、食べ物だけは用意しますが、特に寒さ対策やスズメ対策もせず、自然の流れに任せることにしました。
 あとは、多頭飼育崩壊に怯えながら? 春を待ちます。

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タグ: ツマグロヒョウモン幼虫イモムシ冬越多頭飼育崩壊

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アトリと迷子のカワラヒワ?

 数日前。
 草が刈られた地面の上でカワラヒワがなにかついばんでいました。
 こちらに気づいてみんな近くの木へ飛び移っていきます。
 その鳥たちをよく見たら、明らかにカワラヒワでない鳥が。

左がカワラヒワで右の2羽がカワラヒワでない鳥

 カワラヒワは暗い緑色で「きれい」とは言いがたい色をしていますが、羽を広げると鮮やかな黄色が見えます。
 たしかにカワラヒワはいます。
 ところが白いお腹、黒い羽には赤い線、肩は赤く頭が黒い鳥がいます。
 アトリのようです。

冬鳥のアトリ

 アトリ(獦子鳥,花鶏)はスズメ目 アトリ科 アトリ属のスズメくらいの大きさの鳥。
 カワラヒワ(河原鶸)はスズメ目 アトリ科 ヒワ属。
 ちょっと遠い親戚くらいの関係。
 ちがう種類の鳥たちが一緒に群れをつくることを混群といいますが、アトリとカワラヒワも混群になっているようです。

しばらくするとまた降りてきてついばみはじめました

 カワラヒワはいつも大勢で群れていますので、この混群はそこにアトリが混ざったもの。
 と思ったのですが、よく見るとアトリばかり。
 アトリの中にちょっとだけカワラヒワが混ざったようです。
 迷子のカワラヒワ?

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タグ: アトリ冬鳥冬の鳥スズメくらいの鳥

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じつはもふもふ? のウラギンシジミ

 去年の写真を見ていると、ウラギンシジミがいました。
 めずらしい蝶ではないのですが、翅を広げてとまっていたので写したのを思い出しました。


 ウラギンシジミは名前のように翅の裏が銀色に見えます。
 シジミチョウは翅の長さが1センチ前後の小さい蝶ばかりなのですが、2センチを超えるシロチョウクラスの大きさ。
 知らなければ、シジミチョウとは思わないでしょう。


 そして、銀色の裏に対して表はオレンジと濃い褐色。
 なんかタテハチョウのようです。


 大きさといい、模様といい、シジミチョウらしからぬウラギンシジミ。
 拡大してみると、大きな黒い目にもふもふの結構かわいい顔をしています。
 本当にもふもふなのかは、触ってないのでわかりませんが。

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タグ: ウラギンシジミシジミチョウチョウ

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パンダのかわいさは草食系肉食動物だから? 王子動物園

 パンダ。
 説明の必要がないほど人気がある動物。
 上野動物園ではいなくても話題になるほどの人気動物です。
 そしてかわいいだけでなくおもしろい動物です。

王子動物園のパンダ

 「パンダ」というのは、ジャイアントパンダとレッサーパンダを合わせた名称ですが、普通はジャイアントパンダのことを指します。
 ジャイアントパンダは、哺乳綱 食肉目 クマ科 ジャイアントパンダ属。
 食肉目。別名ネコ目。
 つまり、肉食動物ばかり集まったグループです。
 もちろん、パンダは笹を食べます。
 草食動物です。

丸顔は草食のおかげ

 実は動物は植物を消化できません。
 植物が生まれるよりずっと昔からいるからでしょう。
 でも草食動物はいます。
 それは、植物を分解できる生き物(細菌)の力を借りているから。
 内臓の中にたくさん細菌を住まわせて、分解してもらっているのです。
 ですから、体が大きかったり、常に食べていたり、いつものんびりしていたりします。
 体の中に細菌をいっぱいにして、それでもなかなか分解できないので、たくさん食べたり、のんびりして細菌を活発にしたりしなければならないのです。

ぐでパンダ

 パンダがいつも笹を食べてて、ゴロゴロしているのもきっとそうにちがいありません。
 そしてクマらしからぬ丸い顔も固い笹をかみつぶすために太い筋肉をつけたためだとか。
 パンダのかわいさは、草食動物だから。
 でも、同じ草食動物の牛や馬や羊にはパンダのようなかわいさは感じられません。
 別のかわいさです。

 それは、パンダは体が柔らかい肉食動物の仲間だったからかもしれません。
 牛も馬も羊もパンダのようにおしりをついて座れませんから。
 それにパンダは元が肉食のクマ。
 まだ体が草食に適応しきれてなく、腸に十分な長さがありません。
 それもほかの草食動物には見られないパンダらしさの理由なのかもしれません。

■参考外部リンク■
神戸市立王子動物園【公式】

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タグ: パンダジャイアントパンダ王子動物園動物園クマ

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炭素は地球の上をぐるぐるまわってる!『大気の進化46億年 O2とCO2 ―酸素と二酸化炭素の不思議な関係―』田近英一 著 技術評論社 刊

 今、人類の大きな課題になっている二酸化炭素による地球温暖化と深く関係している「炭素循環」の本です。
 著者は東京大学大学院の教授で、ほかにも地球環境史の本を出版しています。

 地球温暖化は知っていても、「炭素循環」は聞いたことがないかもしれません。
 でも、二酸化炭素による地球温暖化を理解するためには、「炭素循環」はとても重要な事。
 それを説明してくれるのがこの本です。

 「炭素循環」について強引に短い説明をしてみると。
 炭素は地球にある元素の一つ。
 それが形を変えて、地球の上を、空から海から地面の下の深くまでぐるぐる長い時間をかけて循環しています。
 それが「炭素循環」。
 その途中の姿が植物であり、動物であり、石油や石炭であり、空気の中の二酸化炭素でもあります。
 つまり、地球温暖化の元凶と言われる二酸化炭素も、いずれ地面の下へと姿を変えていくものです。

ドライアイスにすると二酸化炭素も見えます

 実は、地球ができたときはもっとたくさんの、もしかしたら空気のほぼ100%が二酸化炭素だったともいわれます。
 それが現在のほぼ0%(0.04%)まで減ったのは、二酸化炭素が炭素循環で地球の色んな所に溜まっていったから。
 その仕組を地球の成立から解説してくれるのが、この本。

 あれ、世間で言われることとちがう!
 と思うかもしれません。
 ただ、炭素循環にかかる時間はとても長く、およそ50万年ともいわれ、場合によってはもっとかかります。
 人間からすると永遠にも思えますが、地質の時間ではほんの一瞬。
 しかし地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の増加は、この200年ほどのこと。
 炭素循環の2500分の1の時間。
 時間のスケールがぜんぜんちがうのです。

石炭は地面の下に閉じ込められた炭素(大阪市立自然史博物館)

 ですから馴染みのないことばかりで、ちょっと難しく感じるかもしれません。
 そういうときは、とりあえずややこしい途中の部分はおいといて、「これがこうなる」と原因と結果だけを覚えておいて、ややこしい部分はあとまわしに。
 そして大切なことは、頭を柔らかくすること。
 地球規模の出来事は、日常の中で感じる自然現象とはちがいます。
 「常識」にとらわれず、柔軟さが必要です。

 この本に書かれていることから考えてみると。
 二酸化炭素の元になる炭素。
 それが地球レベルでぐるぐる回っているのですが、現在の地球で炭素があるところは、空気中、海中、そして地面の下。
 植物がありませんが、植物が取り込んだ二酸化炭素は、植物が死ぬとまた二酸化炭素になって空気中に戻っていきます。
 もちろん、それには何十年、何百年かかりますが、炭素循環の50万年に比べればほんの一瞬。
 そのため空気中にあるのと同じとして考えられています。

大きな木が蓄えた二酸化炭素もいずれは空気の中に戻ります

 それぞれの場所にどのくらいの炭素の量があるかというと、海に溶けている炭素は空気の50倍の量。
 そして地面の下には空気の17万倍の量。
 今、問題になっている二酸化炭素は植物を燃やしてできものではなく、地面の下の化石燃料を燃やしてできたもの。
 つまり、空気の17万倍の炭素です。
 単純に考えれば、木を育てるのではなく、地面の下に二酸化炭素の中の炭素を戻さなければならないはず。
 本当に、木を植えれば化石燃料を燃やした分の二酸化炭素を空気から取り除くことはできるのでしょうか。

 地球温暖化と増える二酸化炭素の問題は、思っていたよりも複雑です。

■参考外部リンク■
田近研究室
大気の進化46億年 O2とCO2 ―酸素と二酸化炭素の不思議な関係―:書籍案内|技術評論社

大気の進化46億年O2とCO2 [ 田近英一 ]

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巨樹・古樹・老樹 その49 金剛山遊歩道の寺谷出会い東の山道覆い山毛欅

 日本でも千葉県、沖縄県に次いで最高峰が低い大阪のすぐそばにある大きなブナ林。
 金剛山のブナ林。
 金剛山は大阪と奈良の境にある山。
 大阪と奈良・和歌山の府県境は、金剛山地や紀伊山脈の府県分水嶺となる稜線ですが、なぜか金剛山山頂付近は八合目あたりをぐるりとまわって、ブナ林がある山頂付近はほとんど奈良県。

 数カ所あるブナ林。
 その中の金剛山遊歩道の文殊岩近くの寺谷出会い東の谷張り出しブナ。
 その近くの山側に枝を遊歩道を覆うように広げたブナがあります。

金剛山遊歩道の寺谷出会い東の山道覆い山毛欅(2016年11月)

 山側斜面に生えているので、近づくと見上げなければ見えません。
 地衣類が着いた樹皮、四方に伸ばした枝がいかにもブナ。
 ただ、黄葉も終わりかけ、葉が散りかけなのが残念。


 歴史の古い神社に守られた金剛山のブナは、大きな木がたくさんあります。
 新緑の初夏、黄葉の初冬、樹氷の冬。
 それぞれ季節の顔があります。
 お気に入りのブナを見つけ季節のうつりかわりを感じるのもいいかもしれません。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

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ぬいぐるみみたいなウォンバットと出会える五月山動物園

 大阪府池田市の五月山動物園。
 日本で二番目に小さいと言われる動物園ですが、無料。
 そして、日本では数少ないウォンバットを見ることができる場所。
 五月山動物園にいるのは、ヒメウォンバット。

小さいけど無料でウォンバットが見られる五月山動物園

 ウォンバットはオーストラリアに住む哺乳類。
 オーストラリア大陸は恐竜がいた中生代白亜紀末にほかの大陸と別れ、恐竜絶滅後独自の進化をしました。
 そのため、有袋類という、人間を含む有胎盤類とはちがう哺乳類が繁栄しています。
 白亜紀後期に現れた有袋類はほかの大陸にも広く分布していましたが、恐竜絶滅後に現れた新しい哺乳類の有胎盤類との競争に負け、各地で絶滅。
 オーストラリアは有胎盤類が誕生した大陸から遠くはなれていたので、有袋類は多様化しました。
 その一つがウォンバット。

ぬいぐるみみたいなヒメウォンバットのフク

ヒメウォンバットの分類の位置
動物界
脊索動物門
脊椎動物亜門
哺乳綱
後獣下綱真獣下綱
有袋上目有胎盤類
双前歯目ウマ
ヒツジ
ウサギ
トラ
 カンガルー科
ウォンバット科コアラ科カンガルー
ワラビー
ヒメウォンバット属ケバナウォンバット属コアラ

 ヒメウォンバットは草食で、室内犬くらいの大きさ。
 全体がころころしていて、まるでくまのぬいぐるみが動いているよう。

顔もかわいい

 五月山動物園は、オーストラリア以外で最初にウォンバットの繁殖に成功した動物園。
 展示場の近くの五月山ギャラリーではヒメウォンバットについての展示があります。
 そこにはヒメウォンバットの骨格標本や剥製もあります。

五月山ギャラリーでは標本を展示

 五月山動物園、大阪府池田市にある日本で2番めに小さいと言われる、ヒメウォンバット以外にもワラビーやエミューなどオーストラリア率が高い動物園です。

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公園ネコを考える6 餌付けってなにか考えてみることにしました。その1まわりに住む人への影響

 野良猫の問題で、最も取り上げられるのが、「餌付け」かもしれません。
 ただ、「餌付け」そのものではなく、餌付けの結果の方がそもそもの問題なのですが。

これまでの【公園ネコを考える】
【1 ノラネコについて考えてみることにしました。】
【2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。】
【3 人間との関係でネコを分類してみることにしました。】
【4 ヤマネコの生態について考えてみることにしました。】
【5 ノラネコの生態について考えてみることにしました。】

「餌付け」とは?

 それを考える前に、まずは、「餌付け」とはなんでしょうか。
 簡単に言うと、動物に餌をやって人間に慣れさせること。
 普通、動物は人間を避けます。
 その警戒心を和らげ、人間が用意した食べ物を食べるようにさせること。
  その結果、よく観察できたり、ペット化したり、捕まえたりすることができます。
 ですから、目的はいろいろあります。


 「餌付け」とは「人間が動物に餌をやること」。
 あまりにも漠然としすぎてしまい、今ひとつわかりにくそうです。
 実際は餌付けをする動物が、人間が管理している動物(ペットや家畜)か、管理していない動物(野生動物)のちがいがあり、このちがいが餌付けの意味に大きく関わってきます。
 普通、動物の餌付けの問題について語るときは、人間が管理していない動物への餌付けになります。
 この場合の「管理している動物」とは、目が行き届く限られた範囲内にいる動物のこと。
 ふらふらと自由に動き回る「野良猫」などは毎日餌をやっていたとしても含まれません。

「餌付け」の影響

 動物に対して餌付けをする人がいる一方、餌付けを否定する人もいます。
 餌付けをする人は、「かわいそう」とシンプルな理由だったりしますが、生き物を「かわいそう」と思う気持ちの一体何が悪いのでしょうか。
 餌付け問題に関しては、大きく分けると2つありそうです。
 一つは、餌付け場所の近隣住民の日常生活に支障がでること。
 もう一つは、環境に影響があること。


 どうして餌付けが近隣住民の生活に支障が出るのでしょうか。
 単純な話ですが、動物は食べて出すのが自然の成り行き。
 餌を食べようとして動物が集まると、もちろん、糞がたくさん落ちます。おしっこも。
 糞はもちろん不衛生ですし、おしっこも同じ。
 不快な匂いがあったり、動物によっては人間に有害な寄生虫や病原菌などを媒介することもあります。

 餌付け問題で有名なネコにしろハトにしろ、餌を食べられるわけですから、餌の時間がはじまる前にその場所にたくさん集まってきます。
 もしかしたら居着くかもしれません。
 もちろん、餌場の近くに人の住居があれば、そこにも来るでしょう。
 ということは、そこにも糞をするということ。
 たまに1つ2つならまだしも、それが毎日たくさんとなれば、住人の生活に影響が出ます。
 もしかしたら、病気になるかもしれません。不自由な生活を送らなければならなくなります。


だれが「かわいそう」か

 「かわいそう」という単純な気持ではじめたことですが、たまたまそこに住んでいるだけなのに、日常生活に支障が出てしまう。
 ネコやハトはかわいそうでも、人間はかわいそうではないのでしょうか。
 もし、人間よりもネコやハトがかわいそうなら、他人におしつけるのではなく、まず、餌やりをする人自身が「かわいそう」になり、耐えるべきではないでしょうか。
 もっとも、これも行き過ぎると多頭飼育崩壊して猫屋敷状態になり周辺の人の迷惑になってしまいますので、簡単な問題ではありません。

 でも、餌付け問題の一つは、日常生活の中で普通に考えれば、答えもおもずと明らかなことではないか、と思います。
 ということは、まわりに人が住んでいないところなら誰にも迷惑をかけないので餌付けも問題無いでしょうか。
 いいえ。
 今度は環境の問題がでてきますが、それは次回に。

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タグ: 公園ネコを考えるネコ餌付ネコの餌付

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にわには2わどころじゃないにわとりがいた!(庭には2羽どころじゃない鶏がいた!)

 酉年
 トリの干支です。

 「トリ」というと「鳥」と思うかもしれませんが、「ニワトリ」のこと。
 ニワトリは身近な動物のためか、鳥の代表のように「とり」と呼ばれることがあります。
 ニワトリの肉のことを「とりにく」というのと同じ。
 このような言葉の使い方を比喩の提喩(シネクドキ)といいます。
 そして十二支発祥の中国では「酉(ヨゥ)」は「鶏(ジィ)」のことで、鳥類一般のことではありません。
 ということで、酉年最初の記事は、鳥ではなく、ニワトリについて。

ニワトリ 品種:桂チャボ(神戸市立王子動物園)

 ニワトリは家畜としてつくりだされた鳥です。
 もとはキジ科ヤケイ属の「セキショクヤケイ」(学名:Gallus gallus)。
 その亜種になります。
 和名はそのまま「ニワトリ」(学名:Gallus gallus domesticus)。
 家畜としての歴史は6000年とも1万年ともいわれ、さまざまな品種があります。
 原種のセキショクヤケイは中国南部から東南アジアの熱帯雨林に分布。
 ニワトリはそこで家畜化されたと考えられています。

ニワトリ 品種:ウコッケイ(神戸市立王子動物園)

 ニワトリで思いだすのが、中国雲南省の少数民族のタイ族の村で見たこと。
 タイ族は、中国南部からインド東部まで広がる民族で、揚子江流域で稲作をしていたところ、古代漢民族の南下で東の方へ移動していった、ともいわれます。
 いわゆる大東亜半月弧といわれたアジア大陸の南寄りの照葉樹林帯に住みます。
 ここは日本も含み照葉樹林文化圏と言われ、伝統的な文化で共通するところも少なくありません。
 たとえば食べ物ではお茶、お米、サトイモ、納豆など。
 食べ方は違うものの同じものを食べます。
 ニワトリも元はそういったものの一つになるかもしれません。

雲南省タイ族の村の田んぼ

 現在の日本では考えられないことだと思いますが、数十年前までは、農村部では鶏が飼われ、卵はもちろん、おめでたい時には肉を食べることもありました。
 高床の伝統的な家が並ぶタイ族の村も同じ。
 ニワトリが名前のように庭だけでなく、人の身長より高い床下を自由に走り回ります。

タイ族の村の高床の家

 タイ族はお米を主食として、日常的にもち米も食べます。
 日本ではお餅以外にも蒸しておこわなどにして食べますが、実はお米を主食とする文化を持つ民族でも、もち米を日常的に食べるのは限られます。
 これも照葉樹林文化圏に共通するものです。

 アジアの水田稲作農耕民族の日常的な動物性タンパク源は、ニワトリじゃなくて魚。
 田んぼや水路に住んでいる淡水魚を食べます。
 魚を食べると残るのが骨。
 タイ族ではそういったものを床の隙間から下に落とします。
 それだけでありません。
 調理中の野菜くずも、床の下に。

タイ族の村のニワトリ

 暖かく湿度の高いところでそんなことをしたら床下はゴミだらけで不衛生になって……いません。
 それは、ニワトリが食べるのです。
 ゴミを捨てているのではなく、餌としてニワトリに処分してもらっているのです。
 生ごみが減るエコな生活サイクル。
 ニワトリはアジアの水田農耕民にとっては身近な家畜なのかもしれません。
 十二支に選ばれたのも、納得です。

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