「恐竜博2016」最大の肉食動物スピノサウルスの真実がそこにある!?〈大阪文化館・天保山〉
国立科学博物館で行われた「恐竜博2016」。
大阪にもやって来ました。
最新の恐竜学が紹介されています。
が、やっぱり一番目を引くのがスピノサウルスの復元全身骨格。
スピノサウルスの全身骨格が見られるのはもちろん珍しいのですが、その姿が驚きです。
もちろん、最新の復元です。

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スピノサウルスの名前と姿を広めたのは、やっぱり映画「ジュラシックパークIII」でしょう。
川の中に住み、時々陸上に上がってくる。
太い2本足と十分攻撃に使える手。
背中には大きな帆があり、長い尾。
迫ってくる大きな口(というイメージ)のティラノサウルスにたいして、体全体を巧みに使った攻撃を行う(というイメージの)スピノサウルス。
なんて無責任に思っていたりします。
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ところが、今、スピノサウルスの姿が、変わってしまっているのです!
それが、恐竜博2016で展示されているスピノサウルス。
2014年に発表された論文がもとになっています。
それをまとめるて、こんな感じになります。
細長い頭に細長い口
歯もティラノサウルスよりも小さい
大きな手
ティラノサウルスよりもずっと大きく、まるで怪獣のようなバランス
手よりも小さな足
スピノサウルスのからだからすると、小さく両足では体を支えられそうにない
長い尾
ティラノサウルスよりも華奢
たくさん並ぶ長い背中の骨
骨の列は真ん中あたりがへこむ
全体のイメージは、恐竜というよりもヨーロッパの伝承などに出てくるドラゴンのよう。

※画像スライドできます ⇒⇒
スピノサウルスの基本的な姿は変わりませんが、目を引くのは大きな手と小さな足。
いや、足より大きな手と、手より小さな足といったほうがいいかもしれません。
これはスピノサウルスやティラノサウルスが含まれる獣脚類の恐竜では異例なこと。
いや、二足歩行型から進化した恐竜は、四足歩行型でも前足が後ろ足より小さいのが普通。
特に2本脚で歩く獣脚類の恐竜は、もちろん足のほうが大きく頑丈になっています。
大きな体を支えるために。
脚より大きな手と手より小さな足は、とても不思議な姿です。
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ということは、華奢な脚のスピノサウルスはどうやって歩いていたのでしょうか。
前脚を地面につけて、獣脚類では特異な4つ足で歩いていたと言われています。
しかし、前足の指は長く、長い爪が曲がり、どうみても歩くための形ではありません。
ですから、陸上よりも水中の移動が中心だったようです。
水の中では浮力で体が軽くなるので、太くて頑丈な足は必要ありません。
ただ、時には陸に上がることもあり、そのときは手をついて「四足歩行」に。

そして、復元図の方で目を引くのは、両足の水かき。
足の指の間に膜があります。
水かきの化石が残っていたのではなく、主に水中で活動していた様子からの想像のようですが、妙でもあり、納得もでき、とても不思議な復元図です。
恐竜の一部、それもスピノサウルスと同じ獣脚類の恐竜が進化した鳥には、足に水かきを持つものがたくさんいます。
それも、進化の系統とは関係なく水かきをもちますので、獣脚類の恐竜に水かきができるのも、ある意味あたりまえのことかもしれません。

そして化石展示意外で見逃せないのが、スピノサウルスのCG映像。
会場からちょっと離れた大阪城そばの大川にスピノサウルスが現れます。
大阪の大川を遊覧する水上バスのアクアライナーに乗りかかり、108人乗りのアクアライナーが小さく見えます。
そして、なんと、会場隣の海遊館の大水槽の中をスピノサウルスが泳いでいます。
ものすごくリアル!
恐竜展を出たらそのままスピノサウルスを見に海遊館に行きたくなります。
東京ではじまって北九州とすでに2つの会場で行われています。
そちらの会場では、どこをスピノサウルスが泳いだのか気になります。
そんな従来のスピノサウルスどころが恐竜のイメージも変えてしまうようなリアルな復元。
ただ、じっくりと見ているといろいろと気になるところも出てきますが、それは次回に。

タグ: スピノサウルス 恐竜博2016 大阪文化館・天保山 恐竜

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