秋になるとハラハラ落ちるケヤキの実と葉と枝
10月。
秋。
まだモミジの紅葉にはちょっと早いですが、もう葉を落としはじめている木もあります。
公園を歩いていると、はらはらとまわりながら落ちてくる葉があります。
いや、枝ごと、何枚も葉をつけたまま、まわりながら落ちてきます。
これは。
ケヤキです。

ケヤキは落葉高木。
本来は山や丘陵地に生える樹木ですが、街路樹によく使われ、街中でも目にします。
くるくる落ちてきた葉がついた枝には、じつは実もついています。
ケヤキの実は小さなタネを小さな殻がピタリと覆った痩果(そうか)。
木から落ちると、そのまま下に。

大きな木の根本に落としても十分な光が当たらず、明るいところが好きな陽樹のケヤキは育つことができません。
ですから、樹木は遠くへタネを運んでもらうためいろいろな工夫をしています。
動物が食べてくれるよう「おいしい」部分を持ったり(液果)、風に運ばれて遠くへ飛ぶように羽根をつけたり(翼果)。
ケヤキは鳥が食べるような果肉も、消化されない硬い殻も持っていません。
動物に運んでもらえそうにありません。
そこで葉っぱを羽根がわりにして翼果と同じ効果を狙ったようです。

ただ、落葉樹が秋に落とすのは枝じゃなく葉。
普通、枝ごと落としません。
せっかく伸ばした枝を落としてしまうと、次の年はまた0からのやり直し。
成長ができません。
でも、ケヤキは大きくなる木。
ちゃんと成長しています。
なぜなら、実がつく枝は、落とすために小さくなっています。
成長する枝は別。実がつきません。
さすがです。
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