【 2016年06月】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
紅葉・黄葉・褐葉
果物・実
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について


〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

金剛山に真っ赤な猛毒キノコが登場!?その2

 1ヵ月ほど前。
 金剛山(こんごうざん)で赤い指がたくさん生えたようなキノコを見ました。


 赤い指がたくさん生えたようなキノコというと、たとえばカエンタケ。
 とんでもない毒キノコ。
 毒キノコは、食べるといけませんが触るだけではなんともありません。
 食べなければ全く怖くありません。
 でも、カエンタケは触っただけでも怪我をしてしまいます。
 もちろん、食べてもいけません。

 ここ数年は金剛山がある金剛山地につながる生駒山地の生駒山(いこまやま)でみつかって話題になっています。
 その影響で、「金剛山でも見つかった!」と話題になることもあります。
 ところが、それがカエンタケのそっくりさんタケだったりします。
 2014年はベニナギナタタケでした。
 今年は本物だったのでしょうか。

 金剛山で見かけたキノコは赤みがかったオレンジ色。
 指をまっすぐ伸ばしたような姿で、まるで宇宙人の手のようです。
 ところが、手のひら方手首に当たるところが白。
 色がついているのは、指だけ。


 カエンタケは図鑑などを見ると、赤から濃いオレンジ色。
 腫れ上がったような太い指がたくさん生え、手首まで同じ色。

 どうやら、金剛山のキノコはカエンタケではないようです。
 ではなんというキノコでしょうか。
 ベニナギナタタケでもないようです。
 おそらく、サンコタケ(三鈷茸)。
 アカカゴタケ科の担子菌キノコ。

 ただ、サンコタケは名前のように指の先がつながって輪になっています。
 これはばらばら。
 悪臭を放つキノコですが、周りにはもうニオイはありません。
 古くなってしおれてバラバラになったのかもしれません。


 ただ、自然にしおれたのではなく、誰かが倒したようにも見えます。
 自然に無関心と思われる登山者がキノコなどを折ることは少なくないので、これもそういった被害なのかもしれません。
 もしかしたら、危険なカエンタケと思ってた倒したのでしょうか。

 山は自然の中にあります。
 自然は人間の都合なんてまったく気にしていません。
 自然の中で自分を守れるのは自分だけ。
 興味をもつだけでなく、ちゃんとした知識を持つことも大切だと思います。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: サンコタケ梅雨のキノコ金剛山のキノコキノコ金剛山

関連記事
スポンサーサイト



theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

はじまった2016年のプランター稲ビオトープ

 今年もプランター稲で田んぼの再現を目指すビオトープがはじまりました。

 やることは簡単。
 去年と同じ土をつかってプランターで稲を育てるだけ。
 田んぼの生き物の卵は土の中に残っていて、孵化して成長します。
 ところが、これが結構難しい。


水を入れる前のプランター

 土に含まれていると思われる卵は、アジアカブトエビ、アメリカカブトエビ、カイエビ、ホウネンエビ、カイミジンコ2種、ケンミジンコ、その他ミジンコ等。
 水を入れると数日で孵化しますが、カブトエビとカイエビはなかなか成熟するまで生き残りません。
 いつも大きくなるのはミジンコとホウネンエビばかり。

 原因は水質か水温。
 水温についてはコントロールしにくいので、水質について考えます。
 水質を悪くしている最大の原因はおそらく肥料。
 毎年減らしていますが、なかなかうまく行きません。
 今年の肥料は去年のおよそ半分。
 どうなるでしょうか。

 水を入れて二日目には何やら小さい動くものがたくさん。
 大きさからすると、カイエビかホウネンエビが孵化したようです。
 はっきりと種類がわかるまではもう少し時間がかかります。


水を入れて1週間後のカブトエビ


水を入れて1週間後のホウネンエビ

 一週間もかからずそれぞれの種類がわかってきます。
 一番多いのはカイエビ、そしてホウネンエビ。カブトエビは10匹もいないようです。
 孵化したての頃は、種類はわかりませんがもっとたくさんいました。
 それでも去年よりも減り方は少ないようです。


水を入れて1週間後のカイエビ


水を入れて1週間後のカイミジンコ

 そのころには田植え。
 稲を2本植えました。
 稲が成長しながら肥料を吸収していくので、水質は悪くなりにくいでしょう。
 とそのときは思っていました。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: プランター稲ビオトーププランター稲バケツ稲カブトエビホウネンエビカイエビカイミジンコビオトープ

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

メリケンガヤツリ(米利堅蚊帳吊)下赤阪の棚田の6月の緑色の花

 下赤阪の棚田の生き物はもう何巡もしました。
 まだ新しい出会いがありますが、ほとんどがおなじみのもの。
 ということで、図鑑として使いやすいように種ごとのページもつくることにしました。

6月の緑色の花 タグ:下赤阪の棚田の6月緑色の花

メリケンガヤツリ(米利堅蚊帳吊)Cyperus eragrostis

被子植物門 単子葉植物綱
イネ目 カヤツリグサ科 カヤツリグサ属
多年草
湿生植物
花期:6~11月
南北アメリカ原産
別名:オオタマガヤツリ

イネ目の植物は咲いているかどうかがわかりにくいものが少なくありません。

よく見ると花(小穂(しょうすい))から細い糸のような雄蕊の一部(花糸(かし))が見えるので、咲き終わって間なしということで、花としました。

花の下についている細長い葉は、実は葉ではなく、花の集まりを保護する苞(ほう)。
葉は根元から生えています。

茎の断面は三角形でこれもカヤツリグサ科の特徴です。

緑色の花

 短いですが、種単位でのタグ検索でそのものズバリが当たりますので少しは見やすくなると思います。
 数が多いので、効果が出るまでには時間がかかると思いますが。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次

.

カヤツリグサ科ハンドブック

新品価格
¥1,350から
(2016/6/20 20:33時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: メリケンガヤツリカヤツリグサ科緑色の花下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/66月の下赤阪の棚田の植物

関連記事

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

プランターに植えたプランター稲2016

 籾(もみ)をまいておよそ1箇月。
 苗は高さ15センチをこえ、葉数も5枚以上、茎が別れる分蘖(ぶんげつ)もはじまっています。
 丈夫に育ち、そろそろ田植え。
 いや、プランター植え。


 水を張っているプランターの植えるところに穴を開けます。
 すぐ崩れてくるので、そこは適当に。
 セルトレイから1本引き抜いて、根のまわりの土が落ちないように指を添えて植えます。
 後はまっすぐになるように整えて終了。


 今年はプランターに2本。
 もちろん最も元気なものを選びました。
 これから分蘖していき何十本に分かれていきます。


プランターの中の黒いのは獰猛なカブトエビの隔離スペース

 あとは、成長の様子を見ながら水と肥料を調整するくらいで、稲の力に頼ることになります。

タグ♦プランター稲・バケツ稲の索引2015

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: プランター稲2016プランター稲の田植プランター稲の分蘖プランター稲バケツ稲

関連記事

theme : 家庭菜園
genre : 趣味・実用

今年もネジネジ雑草蘭のネジバナが咲いています。錦織公園

 初夏の蘭。
 ネジバナが咲きはじめました。
 蘭というと、山に生える貴重な花。
 そういうイメージをくつがえす芝生の上などに生える「雑草」の蘭。

 里山公園の錦織公園でも園内のあちこちで咲いていますが、わかりやすいのが公園の中央、展望台のとなり。
 草地になっている丘。





 丘のまわりの道をぐるりと。
 イネ科やカヤツリグサ科に混ざってところどころで咲いています。





 ネジバナが生えるのは、年に数度草刈りがされるようなところ。
 草がないところには生えませんし、茂りすぎているところにも生えません。
 自然界にはあまりありませんが、人間の生活のまわりにはどこにでもある場所です。

 雑草とはいえ、蘭。
 まわりに草が生えていないと生きていけません。
 でも、草が大きく茂って日陰になっても生きていけません。
 意外と繊細な雑草かもしれません。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ネジバナ梅雨の花初夏の花赤紫の花錦織公園

関連記事

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

今年もはじまるプランター稲2016

 今年もはじめました。
 プランター稲。
 バケツはサトイモに使ったので、プランターのみ。

 今年は『バケツで実践 超豪快イネつくり』薄井勝利 監修 農文協 刊 を参考にしました。
 土は去年と同じもの。
 中にはたくさんカブトエビやカイエビやホウネンエビのタマゴが入っているはずです。
 今年もプランター稲ビオトープに挑戦します。

セルトレイ セルトレー 200穴 大型

価格:120円
(2016/6/15 21:48時点)

 土の前に苗の準備。
 ゴールデンウイークに籾(もみ)まき。
 去年の籾を濃い塩水にいれ、沈んだものの中から元気そうなので選びます。
 赤玉土に化成肥料を混ぜ、育苗用のセルトレーにいれ、選んだ樅を一粒ずつ入れます。
 こうすると、根を傷めずに植えることができるので、田植えの後元気に育ちやすくなります。


 水は多すぎず、それでいて土を乾かさないように、気をつけておよそ10日で発芽。
 田植えできるようになるまで育てます。


 その間に土の準備。
 土は毎年使っている稲の苗用の土。
 もちろん去年のままでは使えません。
 稲が成長していくために必要なもののうち、肥料など水と空気以外のものは補充しなければなりません。
 最初に土に混ぜる元肥は本を参考にすると、ちょうど去年とだいたい同じ量。
 しかしプランター稲ビオトープのために水質を考え、その半分にしました。
 土およそ20リットルに対して、窒素-リン酸-カリが8:8:8の化成肥料を30gと同じく0:17:17のリンカリ肥料を5g。
 土が酸性でリン酸の吸収を阻害するので、リン酸を少し多めにします。


.

 そして稲の「骨格」をつくるといわれるシリカ(ケイ素物質)が含まれるミリオンを110g。
 シリカはすぐ水に溶け、根腐れ防止の役割もあるというので、底の方にいれました。
 肥料も土の表面に集まると水質が悪くなりやすいので、土の中ほどに。

 後は土をなじませるために田植えの10日ほど前に水を張ります。
 もちろん、あっという間にカブトエビやカイエビやホウネンエビが孵りますが、それは別の機会に。
 あとは苗が育てば、田植えです。


››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: プランター稲2016プランター稲の播種プランター稲の土作プランター稲の入水プランター稲バケツ稲

関連記事

theme : 家庭菜園
genre : 趣味・実用

巨樹・古樹・老樹 その39 金剛山の山頂の転法輪寺のしだれ桜 其ノ貮

 金剛山の山頂にある転法輪寺の老しだれ桜。
 樹齢は300歳以上。
 標高1000m余りの低山ですが、平地より1ヶ月くらい開花が遅れます。
 だいたいゴールデンウイークあたり。
 2014年はちょうどゴールデンウイークの最中。
 今年はちょっと早めの4月下旬。

金剛山の山頂の転法輪寺のしだれ桜(2016年4月)

 屋根のように枝を広げた大きな桜。
 あまりにも大きく、老桜らしく色も淡いので、日本有数の登山者を誇る金剛山でも立ち止まる人はわずか。
 もっと低い桜があるので、みんなの注意はそちらの方へ。
 でも老しだれ桜はそんなこと気にせず、足下をゆく登山者をやさしく見守っているようです。


巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 巨樹・古樹・老樹転法輪寺の枝垂れ桜金剛山の花金剛山の植物金剛山

関連記事

theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

特別展「生命大躍進展」には巨大ウミサソリとぞわぞわの節足動物がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉

 40億年の生き物が展示されている「生命大躍進展」。大阪展も残すはあとわずか。
 入ってすぐ、最初は虫の世界。
 5億年前のカンブリア紀の虫、バージェス動物群には今生きている動物のほとんどのご先祖さまがいます。

●今までの「生命大躍進展」の記事
【生命誕生から人類まで40億年の本物の証拠がたくさん!】
【5億年分のいろんな動物がたくさん!】
【カンブリア爆発のいろんな動物がたくさん!】

この記事にはの化石の画像があります。


右へ行っても左へ行ってもだいじょうぶ

 こういった生き物を見て思うのは、「虫」が多いこと。
 それも節足動物っぽい虫が。
 人類に繋がる脊椎動物(せきついどうぶつ)の進化がテーマなので、虫はちょっとずれてしまいますが、貴重な化石がこれだけたくさん見られる機会はそんなにないでしょうから、ちょっと脱線してみます。

 「虫」の中の節足動物は、単純なつくりのからだを特徴的に変化させて5つの大きなグループに分かれました。
 昆虫類とムカデの仲間(多足類)とエビの仲間(甲殻類)とクモの仲間(鋏角類)、そして絶滅した三葉虫類。
 ただ、カンブリア爆発の頃は、三葉虫以外はまだまだ発展途中で、かろうじて甲殻類(こうかくるい)や鋏角類(きょうかくるい)が現れつつあるくらいでした。

カンブリア爆発の三葉虫オレノイデス

 カンブリア紀に動物の種類が爆発的に増えた理由の一つが目の獲得にあることは、生命大躍進展のテーマでもあります。
 この時期、様々な種類の動物達が独自に目を獲得していきました。
 そしてその後の脊椎動物の大躍進には顎(あご)の発達があります。
 それは節足動物の発展にも関係があったのです。

大きな目を獲得したアノマロカリス

 「顎(あご)」は食べ物に噛み付いたり噛み切ったりする器官で、動物によって形や由来は様々です。
 脊椎動物は、魚の時期にエラ周辺の骨を顎に変化させました。
 節足動物は、たくさんあった足を変形させながら口のまわりに集めて顎にしました。
 昆虫やカニの口にある動くギザギザしたものがそうです。

カンブリア紀にすでに大きな顎を持っていたアノマロカリスの「顎」

ただし硬い三葉虫は噛み砕けなかったとも言われています
ちなみに足を変化させたものではないので
アノマロカリスは今の「節足動物」ではないともいわれます

 ところが、三葉虫とクモの仲間の鋏角類は、足を顎に変化させませんでした。
 顎がないということはどういうことかというと、硬いものや口より大きい物は食べることができません。
 噛み切るあごがありませんから。
 鋏角類はハサミ状の鋏角を口の近くに持ち、顎のかわりにしました。
 三葉虫は顎のかわりになるものがなかったので、泥の中の有機物を食べていたと考えられています。
 節足動物の中で最後まで顎を持たなかった三葉虫のみ絶滅したのも、顎の有無が関係しているかもしれません。

初期の節足動物の特徴を残していると思われるリーンチョイリア

「レアンコイリア」とされることもあります

 会場には最大の節足動物と言われる巨大ウミサソリの化石と復元模型が展示されています。
 ウミサソリは絶滅した鋏角類の仲間と考えられ、今いる生き物では、クモやサソリの仲間になります。
 鋏角類の特徴は、6対12本の「足」があること。
 6対の「足」は種類によって役割が変わってきますが、6対12本はかわりません。
 クモの足は4対8本というのが常識ですが、よく見えると頭の方に触角のように使っている足が1対2本。
 そしてもっとよく見てみると、口の周りに短い足のようなものが1対2本。
 合計6対12本です。

 展示されている人間より大きなウミサソリ。
 化石はちょっとわかりにくいので、復元模型を見てみましょう。
 先にハサミが付いた長い手が1対2本、歩く足が4対8本、ヒレのような足が1対2本。
 合計6対12本。
 確かに鋏角類です。

生態復元された巨大ウミサソリ

左側の足が数えやすい

 ところが、復元模型を下からのぞくと、口のところにギザギザの顎が1対。
 節足動物の顎は足が変化したもの。
 ですから、顎は足として数えると、7対14本。
 鋏角類ではなくなってしまいます。
 ヘンです。
 化石を見ても口がありそうなところに同じようなギザギザが見えますから、うっかり間違いではないようです。

復元模型のウミサソリの「顎」


巨大ウミサソリのアクチラムスの頭部のギザギザ(中央左の少し下)

上のギザギザは折れ曲がった鋏角?

 実は、鋏角類の前の2対の足(鋏角と次の足)の付け根が顎のように変化しています。
 内側に向かってギザギザの「歯」が生えているのです。
 なんか違和感があります。昆虫をひっくり返してもそんなもの見えません。
 節足動物は足は体の左右から生えているようなイメージがありますが、実は体の中心から左右に分かれてはえています。
 そして、歩く足以外にも、エラがつき、本当は2種類で1セット。
 それが無くなったり体の中に入ったりしたのが、今の多くの節足動物たちです。

 甲殻類でもカブトエビのような古い姿を残しているものは、左右の足の付け根で食べ物を挟めるようになっています(食溝)。
 カブトエビは甲殻類で顎を持っていますので、足の付け根の「顎」は食べ物をつかんだり、味見をしたりするようです。
 前の2対の足にのみ「顎」が残ったのが鋏角類なのでしょう。
 ただ、鋏角類の口は鋏角と次の足の付け根辺りにありますから、模型のウミサソリの「顎」の位置は後ろすぎることになると思います。
 生きているウミサソリは見たことがないので、あくまで今の鋏角類からの推測ですが。

拡大模型のカブトエビの顎と足の付け根の食溝(本館第5展示室)

 鋏角類のウミサソリが現れるのは今から4億6000万年前のオルドビス紀後期。
 カンブリア爆発から1億年以上も後。
 カンブリア爆発の動物たちの中には、鋏角類と考えられるサンクタカリスは、まだエビのような見た目をしていました。
 この1億年の間に今につながる姿の鋏角類が誕生したのでしょう。
 ちなみに、今回はサンクタカリスは展示されていません。残念。

 そんなことを考えながら、カンブリア爆発のバージェス動物と澄江(チェンジャン)動物とウミサソリを比べてみるのもおもしろいかもしれません。
 そして本館の常設第5展示室には、カブトエビの巨大模型があります。
 特別展のチケットで入れますので、時間があればぜひバージェス動物と見くらべてみてください。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 生命大躍進アクチラムスウミサソリオレノイデスアノマロカリスレアンコイリア鋏角類節足動物大阪市立自然史博物館seimeidaiyakusin

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

はじまりました!今年はバケツサトイモ2016

 ことしもベランダでサトイモはじめます。
 ただ、諸般の事情でタルじゃなくて、バケツです。

 去年までイネを育てていたちょっと小さいバケツ。
 湿気が好きと言ってもさすがに水がたまると良くないので、ハンダゴテで裏に穴を開けます。
 タルと同じ。
 これでいいでしょう。

 基本的にはタルと変わりません。
 育てるのが1株だけ。
 というか、1芋だけ。

 4月後半に丈夫そうな芽が出ている芋を一つ埋めました。

 もう芽がのびていたので少しだけ土の上に出します。

 2週間後には巻かれた状態の葉が出てきました。

 1ヶ月後には葉が2枚に。

 後から出てくる葉のほうが大きくなります。

 そして1ヶ月半後。

 はじめてのバケツサトイモ。
 どうなるかわかりませんが、サトイモは環境が厳しくなると花を咲かせるといいます。
 たしかに畑で育てているときは滅多に咲かなかったのに、タルで育てるようになると1年おきくらいに咲いていました。
 ということは、バケツだと毎年咲くかもしれません。

タグ♦タルサトイモ

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: バケツサトイモバケツサトイモ2016サトイモ

関連記事

theme : 家庭菜園
genre : 趣味・実用

進化の途中の不思議な花? 真弓・檀

 5月の錦織公園の河内の里。
 マユミが小さな花を咲かせていました。

 マユミを調べてみると、雌雄異株。
 1本の木に雌花か雄花のどちらかしか咲かない木。
 そして錦織公園で咲いていたのは、長いオシベと小さなメシベ。
 雄花。
 ということは、雄株。

オシベが目立つので雄花?
マユミの花

 ところが。
 このマユミ、実がなります。
 数は少ないですが。
 ということは、雌株?

秋の同じ木には実がなっています
マユミの実

 ふたたびところが。
 ここに生えているのはこの1株のみ。
 公園中にもほかにマユミを見たことがありません。
 これは一体どういうこと?

 調べてみると、どうやらマユミはまだ雌雄異株に移る途中のようです。
 メシベのみが発達しているのが雌花。
 オシベのみが発達しているのが雄花。
 でも、それぞれオシベメシベが退化しきっていないので、実がなることもあるそうです。
 たしかにこのマユミは、花に対して実がものすごく少ないと思っていました。


 今は不思議なマユミも数十万年もすれば、完全に雌雄異株になるのでしょう。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: マユミ緑色の花夏の花赤い実錦織公園

関連記事

theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
05 | 2016/06 | 07
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
BLOG & NEWS | 動物プロダクション SCIENCE FACTORY ltd.
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS