【 2016年05月】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
紅葉・黄葉・褐葉
果物・実
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について


〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

棚田のいきもの 2016年4月中旬の乾果とシダ

 たくさんの花が咲きはじめた4月の下赤阪の棚田ビオトープ。
 でもまだ咲き始めで、実のほうは少ないようです。


植物界 被子植物門
果実 タグ:下赤阪の棚田の果実
〉乾果 かんか:汁気の少ない果実 タグ:乾果
〉〉裂開果 れっかいか:熟すと割れる乾果 タグ:裂開果
〉〉〉角果 かくか:2部屋の裂開果
〉〉〉〉長角果 ちょうかくか:長い角果

タネツケバナ(種漬花)
Cardamine scutata

双子葉植物綱
アブラナ目
アブラナ科
タネツケバナ属
越年草
タグ:タネツケバナ

よく似た植物にミチタネツケバナがあります。

水路や結構湿ったところに生え、細長い棒のような果実が四方八方に広がるのがタネツケバナ。

〉〉〉〉長角果
〉〉〉角果
〉〉裂開果
果実 〉乾果
〉〉閉果 へいか:熟しても割れない乾果 タグ:閉果
〉〉〉痩果 そうか:皮と種が分かれない閉果

ノゲシ(野芥子)
Sonchus oleraceus

双子葉植物綱
キク目
キク科
ノゲシ属
越年草
ヨーロッパ原産の史前帰化植物?
別名:ハルノノゲシ
タグ:ノゲシ

綿毛はタンポポみたいですが、もっともふもふです。

オニノゲシ(鬼野芥子)Sonchus asper

双子葉植物綱 キク目 キク科 ノゲシ属
越年草
ヨーロッパ原産
タグ:オニノゲシ

セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
Taraxacum officinale

双子葉植物綱
キク目
キク科
タンポポ属
多年草
ヨーロッパ原産
要注意外来生物
日本の侵略的外来種ワースト100
タグ:セイヨウタンポポ

〉〉〉痩果
〉〉閉果
〉乾果
果実
植物界 被子植物門
隠花植物
植物界 シダ植物門

イノモトソウ(井の許草)
Pteris multifida の栄養葉

シダ綱
ウラボシ目
イノモトソウ科
イノモトソウ属
常緑性

葉っぱが切れ込まない系のシダ。

これは光合成をして栄養をつくる葉で、胞子ができる葉はもっと細くなります。

スギナ(杉菜)Equisetum arvense
トクサ綱 トクサ目 トクサ科 トクサ属
夏緑性
タグ:スギナ

つくしの「親」。

というか、つくしは胞子をつくって飛ばす器官で、こちらは光合成をする器官。

植物界 シダ植物門
隠花植物

 まだまだ実が少ないのに、しっかりキク科は実をつくっていました。
 しかも外来種。
 だてに異国で勢力を広げていません。
 もっとも、それができなければ日本上陸は失敗しているはずですね。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/44月の下赤阪の棚田の植物果実/SA-tanada乾果/SA-tanadaシダ/SA-tanadaタネツケバナノゲシイノモトソウスギナ

関連記事
スポンサーサイト



theme : 山野草
genre : 趣味・実用

棚田のいきもの 2016年4月中旬の赤~褐色~赤紫~紫~青紫~青い花

 花の種類も増えてきた4月の下赤阪の棚田ビオトープ。
 赤から青と色の幅が広くなったので、花の種類も幅広くなっています。


赤い花 タグ:下赤阪の棚田の赤い花
植物界 被子植物門
双子葉植物綱

スイバ(蓚,酸い葉)Rumex acetosa の雄花

ナデシコ目 タデ科 スイバ属
多年草
別名:スカンポ
タグ:スイバ

ギシギシとよく似ていますが、花は赤色(ギシギシは緑)。
葉も茎につくのは柄がなく茎を抱くようになっています。

花は小さくても「花びら」がついています。

オトメフウロ(乙女風露)
Geraniumu dissectum

フウロソウ目
フウロソウ科
フウロソウ属
一年草
ヨーロッパ原産の帰化植物
タグ:オトメフウロ

ヤマツツジ(山躑躅)
Rhododendron kaempferi var. kaempferi

ツツジ目 ツツジ科 ツツジ属
半落葉低木
タグ:ヤマツツジ

葛城山の山頂で有名なヤマツツジ。
山だった頃の名残でしょうか、所々で咲いていました。

双子葉植物綱
植物界 被子植物門
単子葉植物綱

スズメノヤリ(雀の槍)Luzula capitata の雌性期

イネ目
イグサ科
スズメノヤリ属
多年草
タグ:スズメノヤリ

スズメシリーズの一つ。

オシベとメシベが別々に成熟する花。
写真のようにメシベを先にだして、その後オシベを出します。

単子葉植物綱
植物界 被子植物門
赤い花
褐色の花
植物界 被子植物門 単子葉植物綱

スズメノカタビラ(雀の帷子)Poa annua

イネ目 イネ科 イチゴツナギ属
一年草・越年草
タグ:スズメノカタビラ

これもスズメシリーズ。

「帷子」は裏のない服や、麻や苧麻(からむし)でできた服のことなどで、時代により意味はかわってきました。

どの意味にしろ、作りの簡単な衣服ということは共通しているようですが、どうみてもスズメの服にはみえません。

というとで、由来は謎です。

植物界 被子植物門 単子葉植物綱
褐色の花
赤紫色の花 タグ:下赤阪の棚田の赤紫色の花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)Vicia sativa ssp. nigra

マメ目 マメ科 ソラマメ属
越年草
別名:カラスノエンドウ(烏野豌豆)
タグ:ヤハズエンドウ

どこにでも生える結構しぶとい雑草。

「カラスノエンドウ」のほうが有名かも。
スズメノエンドウやカスマグサなどがあるんですから、こちらも和名はスズメノエンドウでよかったのに。

ゲンゲ(紫雲英,翹揺)Astragalus sinicus

マメ目 マメ科 ゲンゲ属
越年草
中国原産
別名:レンゲソウ(蓮華草),レンゲ
タグ:ゲンゲ

田んぼに緑肥がわりに種がまかれるゲンゲ。

でも、畦で咲いていました。
ということは、以前緑肥に使っていたのが野生化したのでしょう。

ホトケノザ(仏の座)Lamium amplexicaule

シソ目
シソ科
オドリコソウ属
越年草
タグ:ホトケノザ

小さなオドリコソウって感じの花ですが、田畑や道端にも生えるかなりの雑草。

春の七種の「ほとけのざ」とは別。

ヒメオドリコソウ
(姫踊り子草)
Lamium purpureum

シソ目
シソ科
オドリコソウ属
越年草
ヨーロッパ原産の帰化植物
タグ:ヒメオドリコソウ

ノアザミ(野薊)
Cirsium japonicum

キク目
キク科
アザミ属
多年草
タグ:ノアザミ

ムラサキケマン(紫華鬘)Corydalis incisa

ケシ目 ケマンソウ科 キケマン属
二年草
別名:ヤブケマン
タグ:ムラサキケマン

距がある花。

まだ自然が残っているようなところに生える雑草。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
赤紫色の花
紫色の花 タグ:下赤阪の棚田の紫色の花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

スミレ(菫)
Viola mandshurica

キントラノオ目
スミレ科
スミレ属
多年草
別名:マンジュリカ
タグ:スミレ

スミレ属の総称の「スミレ」と紛らわしいので、学名から「マンジュリカ」と呼ばれることもあります。

スミレの中では結構逆境に強いようで、アスファルトの隙間から生えてるのをよく見かけます。

タチツボスミレ(立坪菫)
Viola grypoceras

キントラノオ目
スミレ科
スミレ属
多年草
タグ:タチツボスミレ

身近でよく見るスミレの一つ。

山野の周辺で人の手が入ったところでよく見ます。

タツナミソウ(立浪草)Scutellaria indica

シソ目
シソ科
タツナミソウ属
多年草
タグ:タツナミソウ

色形とシソ科らしい花。

シソ科の野草としては花はちょっと大きめですが、丈は低くヒザ下。

うっかりすると見逃してしまうかもしれません。

カキドオシ(垣通し)Glechoma hederacea ssp. grandis

シソ目 シソ科 カキドオシ属
多年草

こちらも丈は低いのですが、タツナミソウよりも大きい花。

斜面に生えていたので今まで気づきませんでした。

トキワハゼ(常磐爆)
Mazus pumilus

シソ目
ハエドクソウ科
サギゴケ属
一年草
タグ:トキワハゼ

よく似たムラサキサギゴケの花は2センチほど。

こちらは半分の1センチほど。

カスマグサ(かす間草)Vicia tetrasperma

マメ目
マメ科
ソラマメ属
蔓性越年草
タグ:カスマグサ

名前の由来は、花がカラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)とスズメノエンドウの間の大きさだから。

といっても、スズメノエンドウよりちょっと大きいくらいですが。

ハルジオン(春紫苑)Erigeron philadelphicus

キク目
キク科
ムカシヨモギ属
多年草
北アメリカ原産の帰化植物
要注意外来生物
日本の侵略的外来種ワースト100
タグ:ハルジオン

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
紫色の花
青紫色の花 タグ:下赤阪の棚田の青紫色の花
植物界 被子植物門
双子葉植物綱

ヤグルマギク(矢車菊)Centaurea cyanus

キク目 キク科 ヤグルマギク属
ヨーロッパ原産。
別名:矢車草(やぐるまそう)
一年・越年草
タグ:ヤグルマギク

観賞用に植えられていると思います。

すっくと立ち上がって鮮やかな花はよく目立ちます。

双子葉植物綱
植物界 被子植物門
単子葉植物綱

ムスカリ(Muscari英)Muscari neglectum

キジカクシ目
キジカクシ科
ムスカリ属
多年草
園芸植物
別名:ブドウヒヤシンス
タグ:ムスカリ

丈の低い花ですが、毎年同じ所で咲くので結構強いような気がします。

とはいえ、どんどん増えていくことはあまり得意でないようです。

単子葉植物綱
植物界 被子植物門
青紫色の花
青い花 タグ:下赤阪の棚田の青い花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)Veronica persica

シソ目
オオバコ科
クワガタソウ属
越年草
ヨーロッパ原産の帰化植物
別名:瑠璃唐草
タグ:オオイヌノフグリ

キュウリグサ(胡瓜草)
Trigonotis peduncularis

ムラサキ目
ムラサキ科
キュウリグサ属
二年草
タグ:キュウリグサ

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
青い花

 紫色の花が他よりも多かったのが特徴。
 赤紫から青紫まで含めると「紫系」はもっと増えます。
 昆虫は人間に見えない紫外線で花の蜜の場所をみつけるといわれます。
 紫系の色が多いのは、それと関係があるのかもしれません?

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/44月の下赤阪の棚田の植物茶色い花/SA-tanada赤紫色の花/SA-tanada紫色の花/SA-tanadaスズメノカタビラカキドオシヤグルマギクタツナミソウ

関連記事

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

特別展「生命大躍進展」にはカンブリア爆発のいろんな動物がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉

 40億年分の動物がたくさん並んでいる「生命大躍進展」。
 最初にやってくるたくさんの展示がカンブリア爆発。
 今からおよそ5億年前にいきなり動物の種類が増えたできごとです。
 ものすごく昔のようですが、地球に生命が誕生しておよそ40億年。
 と考えると、結構最近の事かもしれません。

●今までの「生命大躍進展」の記事
【生命誕生から人類まで40億年の本物の証拠がたくさん!】
【5億年分のいろんな動物がたくさん!】

この記事にはの化石の画像があります。


地下駐車場入口近くの看板

 このカンブリア爆発は動物にとってはとてつもなく大きなできごとです。
 動物の体の基本的な体のつくりで分類する「門」。
 その基本的な「門」のほとんどがそろったのが、カンブリア爆発。
 その前まではもう動物かどうかもわからない生き物しかいなかったのに、突然です。

エディアカラ紀の動物かどうかもよくわからないディッキンソニア

 その「カンブリア爆発」が見つかるきっかけとなった、カナダのブリティッシュコロンビア州のバージェス山のバージェス頁岩(けつがん)化石の実物が山のように展示されています。
 興味がある人ならいろんな本やテレビなどで見た写真やスケッチの実物も数多く展示されています。
 そしてバージェス動物群よりも地質学的にちょとだけ古い中国雲南省の澄江(チェンジャン)動物群の化石も。

 ということで、展示されている中からほんの少しだけですが、見た目の形で分けてみました。

ぞわぞわ系

「虫(節足動物)」風に見える動物

アノマロカリス(節足動物)


オダライア(節足動物)


オパビニア(節足動物)


オレノイデス(節足動物)


マルレラ(節足動物)


ぞろぞろ系

歩く足がたくさんついている動物

アイシェアイア(有爪動物)


ハルキゲニア(葉足動物)


ミクロディクチオン(葉足動物/澄江動物)


いがいが系

棘のようなものに覆われている動物


ウィワクシア(軟体動物)


オルスロザンクルス(軟体動物)


にょろにょろ系

足がなくて細長い動物

オットイア(鰓曳動物)


バージェソケタ(環形動物)


すいすい系

およぐ動物

ピカイア(脊索動物)


ハイコウイクティス(脊椎動物/澄江動物)


ペチュリコラ(不明/澄江動物)


ひらひら系

平たく柔らかそうな動物

オドントグリオフス(軟体動物)


アミスクウィア(不明)


ゆらゆら系

海底から植物のように生える動物

シフソークタム(不明)


ディノミスクス(不明)


 この時代の化石を見て思うことは、小さい。
 ほとんどが「虫」くらいの大きさ。
 虫に興味のあるひとにとっては、なんとなく見たことがあるような姿の生き物が少なくないこと。
 とはいえ、虫のような生き物が多い反面、人間を含む脊椎動物はほとんど目立ちません。
 いないわけではありませんが、手足のない虫のようで、まだ魚の形になっていません。
 現在の動物のほとんどの体の基本デザインがそろったといっても、文字通りまだまだ基本的なものが多かったようです。

■参考外部リンク■
生命大躍進展 人類誕生に至る40億年の壮大な生命進化の展覧会
ようこそ大阪市立自然史博物館へ

【年代層序表〈顕生代〉β2 動物と植物】

「ぞわぞわ系」についてまとめたすごい本

ぞわぞわした生きものたち 古生代の巨大節足動物 (サイエンス・アイ新書)

新品価格
¥1,028から
(2016/5/24 20:24時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 生命大躍進カンブリア爆発バージェス動物群澄江動物群オダライアオルスロザンクルスバージェソケタペチュリコラ大阪市立自然史博物館seimeidaiyakusin

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

里山で足下にころがっていたのは何のタマゴ?

 ネタの宝庫の錦織公園。
 ある日のこと。
 遊歩道へ上がろうと階段を登っていると、卵が足下に。
 ニワトリの卵と同じ形なので、鳥の卵。
 大きさはニワトリもちょっと小さく、ヒヨドリよりもずっと大きい。


 キーウィのような例外もありますが、だいたい鳥の体の大きさと卵の大きさは比例します。
 ということで、この卵はヒヨドリよりもずっと大きい鳥。
 たとえば、カラス?
 カラスの卵は薄緑色に茶色っぽい斑模様に大きさは5センチほど。
 まったくちがいます。


 ハト?
 大きさは4センチほどでだいたい同じですが、色は白。
 ちがいます。
 繁殖する可能性のある鳥で、そんな大きさの鳥が錦織公園にはほかにいるのでしょうか。

 いました!
 コジュケイ。
 中国原産のキジの仲間で、ペットとして持ち込まれたものが野生化した鳥。
 すでに錦織公園で目撃済み。
 大きさと色や模様も繁殖期も一致。


 コジュケイは藪の中に巣をつくり卵を産みます。
 この卵は巣から転げ出たようです。
 ひっくり返すとヒビが入っていて、中身が染み出しています。
 もうだめでしょう。


 野生動物が生き残っていくためある意味最も重要な要素。
 運。
 このコジュケイはなかったようです。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: コジュケイタマゴ錦織公園の鳥鳥の卵

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

あとわずかで絶滅危惧種 山の神のいたずら? 薩摩稲森

 春の大型連休より少し前のダイヤモンドトレール。
 金剛山地と和泉山脈の一部に連なる稜線を通る全長45kmのトレッキングルート。
 うわさでは生駒山脈から和泉山脈のすべてを通って大阪湾に至る長大なルートになるとか。

 その道で咲いていた小さな白い花。
 サツマイナモリ。
 漢字では「薩摩稲森」。
 アカネ科サツマイナモリ属の多年草。


 山野の林床で咲きます。
 名前に「薩摩」とついていますが、関東から沖縄まで分布。
 特に鹿児島県の固有種というわけではありません。

 花が咲いていたのは和泉山脈の稜線。
 大阪と和歌山の境。
 和歌山側では、「絶滅の危険が増大している種」の絶滅危惧II類(VU)。
 大阪ではランク外。
 そこはGPSではわずかに大阪。ランク外。
 わずかにずれていれば、絶滅危惧種。
 山の神のいたずらでしょうか。


 和歌山は「木の国」ともいわれるほど県内の大部分が山林に覆われています。
 林野庁のデータでは森林化率は77%で同率6位の多さ。
 それに対して大阪の森林化率は45%で同率最下位。
 大阪がランク外で和歌山が絶滅しそうになりそうとは思えません。
 どう考えても、逆。


 ところが和歌山の人工林率は60%の同率10位。
 大阪は意外な49%で同率17位。
 和歌山は森林が多いわりに多くが植林されたものということになります。
 ただ、林野庁の「人工林」は、植林された樹木が50%以上のものとされます。
 つまり、植林されていても天然林とされることもあります。
 50%以下でも植林されていれば人工林として考えると、90%以上に達するともいわれています。

 木がたくさん生えていると豊かな自然と思われることも少なくありません。
 もちろん量も大切ですが、質はとても大切だと思います。

■参考外部リンク■
和歌山県レッドデータブック【2012改訂版】|和歌山県ホームページ
林野庁/都道府県別森林率・人工林率(平成24年3月31日現在)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: サツマイナモリ白い花春の花ダイヤモンドトレール和泉山脈

関連記事

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

標高150メートルの源流にカワゲラ発見!? 錦織公園

 タイトルのとおりです。
 錦織公園は大阪の南河内地域、羽曳野丘陵の南にある里山の雰囲気を残した公園。
 まわりは住宅街。
 公園の西にあるやんちゃの里の奥、アメンボ池に流れこむ小川。
 そこにいました。

この記事にはの画像があります。


ザリガニ釣りのメッカのやんちゃの里の奥のアメンボ池

 カワゲラは幼虫が水中に住み、サナギにならず、幼虫から脱皮していきなり成虫になると、翅をはやして空を飛びます。
 身近な昆虫で言うと、トンボに似ています。
 幼虫は川のきれい・きたないを表す指標生物。
 カワゲラの幼虫がいる川は、「きれいな川」ということになっています。

最初は成虫(コナガカワゲラの仲間?)の目撃

と思ったのですがいろいろ調べてみるとオナシカワゲラのようです
2018/3/8追記

 「きれいな川」というと、山の中の上流。
 サワガニがいるようなところ。
 実際、サワガニも「きれいな川」の指標生物です。
 しかし、錦織公園にはサワガニはいません。

水の中には幼虫

 しかしよく考えてみると、錦織公園は付近でも最も高い場所。
 たった150メートルほどですが。
 ですから錦織公園に流れ込んでくる川はありません。
 ということは、公園内に流れる川は、源流から流れでたものか、水道水。
 アメンボ池の小川の場合、すぐ先の谷から流れだしています。
 ということは、上流の中の上流。
 カワゲラがいてもおかしくない?

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園
環境省_平成25年度全国水生生物調査の結果及び平成26年度の調査の実施について(お知らせ)

新訂 水生生物ハンドブック

新品価格
¥1,512から
(2016/4/20 21:10時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: オナシカワゲラカワゲラ水生昆虫川虫錦織公園錦織公園の虫

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

棚田のいきもの 2016年4月の白~緑~黄~橙色の花

 4月。
 春真っ盛りの下赤阪の棚田ビオトープ。
 花の種類も増え、虫たちもどんどん動き始めていました。


白い花 タグ:下赤阪の棚田の白い花
植物界 被子植物門
双子葉植物綱

エンドウ(豌豆)Pisum sativum

マメ目 マメ科 エンドウ属
一年草・越年草

野菜のエンドウマメ、グリーンピースです。

野菜の豆類の花を見る機会はあまりないかもしれませんが、きれいなものは少なくありません。

こちらは、田んぼの空きスペースで食用に育てているのでしょう。

スズメノエンドウ(雀野豌豆)
Vicia hirsuta

マメ目 マメ科 ソラマメ属
蔓性越年草
タグ:スズメノエンドウ

カラスノエンドウことヤハズエンドウと同じソラマメ属。

後ろのメモリの幅は1ミリ。
とても小さい花です。

カラスノエンドウよりもずっと小さい花なので「スズメ」とつけられました。

シロツメクサ(白詰草)
Trifolium repens

マメ目 マメ科 シャジクソウ属
多年草
ヨーロッパ原産の帰化植物
別名:クローバー
タグ:シロツメクサ

ダイコン(大根)Raphanus sativus var. longipinnatus

アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草
タグ:ダイコン

2月に春の七種として紹介した大根が咲いていました。

花を咲かせると大根は鬆(す)が入っておいしくありません。
ということで、タネをとるために収穫しなかったのでしょう。

ナズナ(薺)
Capsella bursa-pastoris

アブラナ目
アブラナ科
ナズナ属
越年草
タグ:ナズナ

タネツケバナ(種漬花)
Cardamine scutata

アブラナ目
アブラナ科
タネツケバナ属
越年草
タグ:タネツケバナ

ノミノツヅリ(蚤の綴り)Arenaria serpyllifolia

ナデシコ目 ナデシコ科 ノミノツヅリ属
越年生草本
タグ:ノミノツヅリ

小さくて白い花はハコベのようですが、花びらが切れ込んでいません。

小さな葉をノミの服に例えたことが名前の由来ですが、そこまで小さくはありません。
もちろん「ノミ」は小さいことのたとえです。

オランダミミナグサ
(和蘭耳菜草)
Cerastium glomeratum

ナデシコ目
ナデシコ科
ミミナグサ属
一年草
ヨーロッパ原産
タグ:オランダミミナグサ

こちらも花びらが切れこむところなどハコベに似ています。

でも、メシベの先が分かれていないところは似ていません。

ミドリハコベ(緑繁縷)Stellaria neglecta

ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
タグ:ミドリハコベ

茎が緑色なのが特徴。
赤茶色だとコハコベ。

春の七種のハコベはコハコベの方。

クサイチゴ(草苺)Rubus hirsutus

バラ目 バラ科 キイチゴ属
落葉小低木
別名:ワセイチゴ
タグ:クサイチゴ

名前に「草」とついていますが、木苺の仲間。

ということで、果実は小さな水分の大意味がたくさんまとまってつきます。

ウワミズザクラ(上溝桜)Padus grayana

バラ目 バラ科 ウワミズザクラ属(サクラ属)
落葉高木

実は今まで気づいていませんでした。
棚田より高いところで、見上げなければなりません。
結構新しい発見があるのですが、いつもついつい忘れてしまいます。

名前に「桜」とついていますが、花は棒状にたくさん集まった総状花序。

サクラ属とされることもありますが、花を見ると、バラ科の特徴がありますが、サクラ属というのにはちょっと違和感があります。

ユキヤナギ(雪柳)
Spiraea thunbergii

バラ目 バラ科 シモツケ属
落葉低木
別名:コゴメヤナギ
タグ:ユキヤナギ

小さい花がまとまってつき、木が真っ白に見えます。

だからでしょうか、公園などで柵などのかわりによく植えられています。

ヒメウズ(姫烏頭)
Semiaquilegia adoxoides

キンポウゲ目
キンポウゲ科
ヒメウズ属
多年草
タグ:ヒメウズ

キンポウゲ科の小さい草。

オダマキに似ていて、よく見ると小さな距があります。
ほんとうに小さい、あるのかないのかわからないほどの距ですが。

ヤブニンジン(藪人参)Osmorhiza aristata

セリ目 セリ科 ヤブニンジン属
多年草
タグ:ヤブニンジン

羽状複葉に散形花序の白くて小さい花という、セリ科らしい植物。

果実はひっつき虫。

双子葉植物綱
植物界 被子植物門
単子葉植物綱

セトガヤ(瀬戸茅)
Alopecurus japonicus

イネ目
イネ科
スズメノテッポウ属
一年草
タグ:セトガヤ

スズメノテッポウとよく似ています。

飛び出したオシベの葯(やく)が白い(スズメノテッポウはオレンジ)のと、ノギがある(スズメノテッポウはノギがない)のが特徴。

単子葉植物綱
植物界 被子植物門
白い花
緑色の花 タグ:下赤阪の棚田の緑色の花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

ヤエムグラ(八重葎)Galium spurium var. echinospermon

アカネ目 アカネ科 ヤエムグラ属
越年草
タグ:ヤエムグラ

たくさんの葉が放射状に生えている(輪生)ようですが、本当の葉は2枚で他は葉の根元に生える托葉が変化したもの。
ということですが、ちょっと見ただけではわかりません。

果実はひっつき虫。

クヌギ(櫟)Quercus acutissima

ブナ目 ブナ科 コナラ属
落葉高木
タグ:クヌギ

どんぐりの木。

ぶら下がって見えるのは雄花。
どんぐりになる雌花は枝にひっついていて、近くで見ないとわかりません。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
緑色の花
黄色い花 タグ:下赤阪の棚田の黄色い花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

ヤブタビラコ(藪田平子)Lapsanastrum humile

キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草

コオニタビラコに似ています。

花がたくさん集まっていることがわかりやすいちがいです。

コオニタビラコ(小鬼田平子)
Lapsana apogonoides

キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草
タグ:コオニタビラコ

ヤブタビラコのように花がたくさんつきません。

葉の先がまるい。

春の七種のホトケノザ。

オニノゲシ(鬼野芥子)
Sonchus asper

キク目 キク科 ノゲシ属
越年草
ヨーロッパ原産
タグ:オニノゲシ

名前に「ケシ」がつきますが、ケシ科ではなくキク科。

花も舌状花が集まった頭状花序で、ケシに似ているとは思えません。

謎です。

カンサイタンポポ(関西蒲公英)Taraxacum japonicum

キク目 キク科 タンポポ属
多年草
タグ:カンサイタンポポ

花の下の総苞片が反り返ってないので、在来種としました。

実際は、遺伝子を調べるまではわかりません。

セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
Taraxacum officinale

キク目 キク科 タンポポ属
多年草
ヨーロッパ原産
要注意外来生物
日本の侵略的外来種ワースト100
タグ:セイヨウタンポポ

総苞片が反り返っているので外来種。

ハハコグサ(母子草)
Gnaphalium affine

キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草
別名:ごぎょう
タグ:ハハコグサ

まだツボミのようですが、咲いています。
よく見ると花びらがないだけで、小さな花が集まった頭状花序。

春の七種のごぎょう。

ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)Potentilla indica

バラ目 バラ科 キジムシロ属
多年草

名前に「ヘビ」がつくのは、あまり役に立たないものがよくあります。
ヘビイチゴは、イチゴ(オランダイチゴ)のような実がつきますが、毒がないもののおいしくはないそうです。
それはヤブヘビイチゴも同じ。

どちらもよく似ています。

花を上から見ると、先が尖った萼片しか見えないのがヤブヘビイチゴ、先が3つに分かれた複萼片が萼片より大きいとヘビイチゴ。
小葉の幅が狭い菱型がヤブヘビイチゴ、幅の広い円形がヘビイチゴ。

キジムシロ(雉莚,雉蓆)
Potentilla fragarioides
var. major

バラ目 バラ科 キジムシロ属
多年草
タグ:キジムシロ

花はヤブヘビイチゴににていますが、葉が奇数羽状複葉なので見分けやすくなっています。

クサノオウ(瘡の王)Chelidonium majus

キンポウゲ目 ケシ科 クサノオウ属
越年草
タグ:クサノオウ

ケシ科らしく樹液に触れるとかぶれることがあります。

ウマノアシガタ(馬の足形)
Ranunculus japonicus

キンポウゲ目
キンポウゲ科
キンポウゲ属
多年草
タグ:ウマノアシガタ

セイヨウアブラナ(西洋油菜)Brassica napus

フウチョウソウ目 アブラナ科 アブラナ属
二年生

日本で古くから栽培されていたアブラナよりも収量が多いので、一般に「アブラナ」として栽培されています。

葉が厚く、茎が白っぽいことがアブラナとのちがいです。

ということで、いままで「アブラナ」としてものは、多くの場合「セイヨウアブラナ」になるかもしれません。

コメツブツメクサ(米粒詰草)Trifolium dubium

マメ目 マメ科 シャジクソウ属
一年草
ヨーロッパ~西アジア原産の帰化植物
タグ:コメツブツメクサ

コメツブウマゴヤシと似ていますが、葉の根元の托葉(たくよう)の幅が広くなっています。
コメツブウマゴヤシは狭くてとがっています。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
黄色い花
橙色の花 タグ:下赤阪の棚田の橙色の花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

スズメノテッポウ(雀の鉄砲)Alopecurus aequalis

イネ目 イネ科 スズメノテッポウ属
一年草
史前帰化植物
タグ:スズメノテッポウ

セトガヤに似ていますが、飛び出したオシベの葯がオレンジ色(セトガヤは白)で、ノギがある(セトガヤはない)のがスズメノテッポウ。

植物界 被子植物門 単子葉植物綱
橙色の花

 さすが4月。
 花の種類が増えてきました。
 ただ、セトガヤとスズメノテッポウについては、それぞれ白・橙なのか、緑なのかというのは、難しいところです。
 今回は、白・橙としましたが、そのときの花の様子によっては変わってきます。

 花は咲いてからしぼむまで変化していきます。
 種類によってはまるでちがう花と思えるほど変わることもあります。
 また、咲き終わったほうが花らしいことも。
 ということで、花の色は決めつけないで、その時出会った色でまとめるようにしています。
 ですので、同じ植物でも記事によって色がかわることもあります。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/44月の下赤阪の棚田の植物白い花/SA-tanada橙色の花/SA-tanadaエンドウウワミズザクラヤブタビラコヤブヘビイチゴセイヨウアブラナ

関連記事

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

巨樹・古樹・老樹 その38 高野山の不動坂のバス専用道手前の1本樅

 高野山に積極的に植えられた6種類の木。
 「高野六木(こうやりくぼく)」と呼ばれます。
 ヒノキ・スギ・モミ・ツガ・アカマツ・コウヤマキ。
 高野山というと、奥の院参道のスギの巨木が有名ですが、このようにいろいろな針葉樹があります。

不動坂の入り口の極楽橋

 女人堂と極楽橋駅をつなぐ参道、不動坂。
 少し下りたところにすっくと立つ1本の針葉樹があります。
 そこは斜面が崩れて木が生えていないところ。
 ちょうどその木の前が崩れてよく見えるようになったのです。

 その木はモミ(樅)。
 高野六木の一つ。
 まわりに光を取り合うような木がないためか、クリスマスツリーのような形をしています。
 でも下の方に枝がないのは、急斜面に生えているので光が当たらないからでしょうか。

高野山の不動坂のバス専用道手前の1本樅(2016年1月)

 モミの葉は細くて平たくなっています。
 そして葉先が左右に分かれ、2本の角のようにとがっているのが特徴。
 ところが、落ちている葉は先が丸くなっていて、モミらしくありません。
 これは、年老いたモミの証。

先が丸いモミの葉

 ところが、モミの寿命は短く、100年から150年と言われます。
 実は、明治以降に芽生えた高野山では子供の木なのかもしれません。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

■参考外部リンク■
高野山真言宗 総本山金剛峯寺
悠誘高野山へようこそ

モミの木 H800前後 【RCP】05P01Apr16

価格:4,633円
(2016/4/12 00:37時点)
感想(4件)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 巨樹・古樹・老樹モミ高野六木高野山

関連記事

theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

2015年のプランター稲の1368倍!

 2016年の準備がはじまりましたが、その前に2015年のまとめを。

 2015年も前年と同じように葉が白くなり成長が悪くなる病気が発生。
 そして数年ぶりにプランター稲の底の水の調子が悪くなりました。
 この2つの影響か、収穫は少なめ。


 はじめから感じていたことですが、バケツやプランターという小さなビオトープでは、水の管理が重要で、たいへんです。
 バケツ稲の育て方では、結構簡単そうに書いているのが不思議です。

 2015年は、バケツには1本の苗しか植えませんでした。
 ですから、バケツ稲から収穫したモミの数は、1粒のモミからの収穫。
 その数は1368粒。
 なんと1粒が1000倍以上。
 もっとも、うまく育てると10000粒を超えることもあるそうなので、まだまだですが。
 重さは32グラム。プランターは65グラム。
 プランター稲が6株、6粒からですから、効率はバケツ稲の3分の1。
 病気の影響かもしれません。


 当然のことですが、植物は一粒のタネからたくさんのタネを作り出します。
 そうしなければ、簡単に絶滅してしまいますから。
 その性質を利用して、人間にとって都合よく作り変えたのが野菜。
 お米も野菜です。
 それも主食になる。

 理屈は簡単で、わかりやすくて、理にかなっています。
 でも、実際に具体的な数として目にすると、理屈とちがうおどろきがありました。

タグ♦ プランター稲の索引

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: プランター稲バケツ稲プランター稲2015プランター稲の収穫プランター稲の考察

関連記事

theme : ベランダ菜園&プランター菜園
genre : 趣味・実用

奈良・大阪なのに西国が絶滅危惧種で東国が普通種のふしぎ 西国鯖の尾と東国鯖の尾

 奈良と大阪の境にある金剛山。
 杉や桧が植林された山ですが、かろうじて本来あるべき自然がのこっています。
 そういうものにサバノオの仲間があります。
 キンポウゲ科シロカネソウ属の多年草で、果実がサバの尾ビレに似ているとされるのが由来。
 金剛山にはゴールデンウイーク頃に咲くサイコクサバノオ(西国鯖の尾)とトウゴクサバノオ(東国鯖の尾)があります。
 どちらも見落としてしまいそうなほど小さな、足下で咲く花です。

サイコクサバノオ


トウゴクサバノオ

 どちらも日本の固有種で、なぜかサイコクサバノオだけが奈良・大阪とも絶滅危惧 I 類(CR+EN)。
 これは「絶滅の危機に瀕している種」ということで、絶滅していない中では最も危険度が高いランクになります。

 サイコクサバノオは近畿以西の西日本に分布していますので、名は体を表しているようです。
 ところが、トウゴクサバノオは宮城県あたりから九州にかけて分布。
 ちょっと名前に偽りあり系のようですが、関東でよく見られるとされています。
 ともあれ、トウゴクサバノオのほうが分布が広いだけに、絶滅危惧種になりにくいのかもしれません。

 これがサイコクサバノオとトウゴクサバノオの果実。

サイコクサバノオの実


トウゴクサバノオの実

 熟すと合わせ目の線で割れ、タネをこぼす袋果(たいか)。
 袋が左右に分かれてV字型。
 魚の尾ビレというと、三角形か扇型をイメージします。
 ところが名前の由来となったサバの尾ビレは真ん中が大きく切れ込み上下にわかれたV字型。
 確かにサバの尾ビレにも見えないことはありません。

 でも、もうちょっと小さく可愛くきれいな花をイメージできる名前はなかったのかな、と思います。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: サイコクサバノオトウゴクサバノオ金剛山の花絶滅危惧種奈良CR+EN大阪CR+ENキンポウゲ科の花

関連記事

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
04 | 2016/05 | 06
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
BLOG & NEWS | 動物プロダクション SCIENCE FACTORY ltd.
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS